Table of Contents

Without a Trace - Season 3, Episode 21

#68 Off the Tracks


事件概要

失踪者:ラフィエル・アルバレス

ダニーの兄ラフィエル・アルバレスが、仕事と言って家を出たまま行方不明になる。ラフィエルは強盗の罪で服役していたが、現在は仮釈放中。恋人のシルビアと息子の3人で暮らしており、シルビアの兄ネルソンが経営する自動車整備工場で働いていた。

ラフィエルは義兄の工場で働きながら、自分の修理工場を持つことを計画しており、融資を受けて頭金を作り、別の修理工場を買い取る計画を立てていたという。ダニーは工場へ行き、失踪前のラフィエルが「たちの悪い男」ベガと話し込んでいたことを聞く。融資担当者によると、服役していたという経歴のため、ラフィエルへの融資は却下されていた。だがラフィエルは実際に頭金の100万ドルを持って工場を買い取りに出かけている。ただし、予定より遅れたため、その工場主は別の買い手と契約をすませてしまっていた。

駐車場でベガの車が発見される。中には麻薬の包みが入っており、そこからラフィエルの指紋が検出された。マーティンは、ベガが車を取りに戻ってくることを期待して車を元の場所に戻す。

頭金を持って工場へ行った時にラフィエルと一緒にいたのは、薬物のリハビリセンターで出会ったケアリーという人物だった。ケアリーに話を聞くと、ラフィエルは工場の買い取りに失敗したショックから再び薬物に手を出してしまったらしいとわかる。融資の代わりに借金をして、全額返せなかったために麻薬運搬の仕事を引き受け、ベガとともに薬物を運んだが、だまされて車ごと薬を盗まれてしまったのだ。ダニーは自宅療養中のヴィヴィアンを訪ね、仮釈放後もラフィエルを避けていたことや、かつて飲酒運転で逮捕されたために司法試験を受けられなかったことなどを話す。

ベガが車を取りに現れ、見張っていたマーティンが逮捕。ベガはラフィエルを殴って昏倒させ、麻薬を奪ったことを認めたが、ラフィエルの居場所は知らなかった。そこへ取り乱した様子のシルビアから「ラフィから電話があった、ヤケになって自殺するかも」と電話がかかる。その電話はケアリー名義の携帯電話からだったが、オフィスへ行ってみると、ケアリーは麻薬を打って死亡していた。やがて発信場所がクイーンズ地区であることがわかる。買い取るはずだった修理工場へ行ってみると、そこには絶望したラフィエルがうずくまっていた。


感想

やっとダニーエピが来た~。

今シーズン、どうもダニーの影が薄いなと思っていた。ジャックは離婚と復職、ヴィヴは昇進のゴタゴタと病気、サムは潜入捜査&マーティンとの交際と、メンバーそれぞれにスポットの当たる話があったのに、なぜダニーにはないんだ! と思っていたら、シーズンも終盤にきてやっと……! 捜査官の個人事情ばりばりのエピソードは、見ていて「もうお腹いっぱい~」と思うことが多いのだが、今回のダニーエピはとても良かった。失踪事件としてはごく単純なものだが、そのぶんダニーの心情や過去のいきさつが巧みに描かれていたと思う。

ダニーとお兄さんの話は、シーズン2の「父と母と子と」以来のことのようだ。このエピソード、途中から部分的に見たような気がするが、ダニー兄弟のことだけ記憶していた。お兄さんは刑務所で服役中、弟のダニーは家族の縁を切って名前も変えて別人として暮らしてきた。このエピソードは、ダニーがラフィエルの仮釈放審問に出て発言を求める場面で終わっていた。まさか「こんな奴釈放しちゃいけません」なんて言ったはずもなく、その後ラフィは無事に仮釈放となったようだ。ただ、兄弟のわだかまりは完全にとけたわけではなかったらしい。兄を避けていたのは、アルコール依存症だった自分の過去がどうしても重なってしまうから――そのダニーが、エピソードの最後では「力を合わせて乗り越えよう」とラフィを、そしてシルビアを抱きしめる。このエピソードは、失踪したラフィを探す過程を通じて、ダニー自身が「家族のもとへ戻って来る」話でもあったのだろうか。

その一方、ダニーが悩み相談にヴィヴの家に行ったことで、ジャックはしょんぼり。「部下が何も話してくれないんだ」って、それは……仕方ないような……。逆にヴィヴは、自分が必要とされていたことで喜んだかな。そうよ! ヴィヴ、早く戻って来て!

Yoko (yoko221b) 2008-01-29