Without a Trace - Season 3, Episode 23
リサーチ会社に勤務するペイジ・ホブソンという女性が失踪した。その直前、ペイジのもとへはNY市警の刑事を名乗る男が会いに来たというが、それはニセ刑事だった。ペイジは環境保護や難民救済などの社会活動を熱心に行う、正義感の強い女性とのこと。
ペイジはジュリアという女子高生の相談役になっていた。ジュリアは既婚男性の子を妊娠してしまい悩んでいた。ペイジはジュリアに5万ドルもの大金を渡して「街を出なければいけない」と言って去って行ったという。ジュリアに渡した現金は、ペイジの偽名口座から引き出したもので、どうやらペイジは会社で扱う個人情報を売買してひそかに大金を得ていたらしい。
妹の話から、ペイジにはアディーサという恋人がいたことがわかる。アディーサはアフリカのマキーバという国の出身で、反政府活動家としてマークされていた人物である。ペイジは、アディーサの活動のために資金提供を行っていたらしい。ペイジに会いに来たニセ刑事の正体は、マキーバの領事館員ドーンヴァルドだった。
ペイジの乗ったタクシーから足取りがわかり、行き先と思しき場所が判明。そこにはアディーサ他、マキーバの活動家たちと大量の武器があった。だがペイジはいない。ペイジはアディーサに会いに来て、武器を見てショックを受けていたという。彼女は選挙活動や救援物資のために資金を提供していたつもりだったが、彼らの狙いは独裁者ガンバ将軍を倒すことだった。彼らはガンバ将軍が米国を訪問することを知り、暗殺計画を進めていたのだった。アディーサは、護身用の銃を持たせて彼女とは別れた、と主張する。
駅でペイジを見かけたという情報が入り、ただちに電車を止めて捜索が行われるが、発見できず。ほぼ同じ時刻に、ジュリアの携帯電話からペイジの携帯電話への通話と画像の送信が行われていた。急ぎジュリアのもとへ向かうが、そこにあったのはジュリアの射殺死体。何者かがジュリアを射殺し、その写真を彼女の携帯からペイジへ送信したと思われた。撃ったのがニセ刑事ことドーンヴァルドらしいとわかり、再びマキーバ領事館へ行くと、そこにはガンバ将軍の姿があった。
周囲を警戒するマローンらの前に、ペイジが現れる。ペイジは銃を出してガンバ将軍に向けて発砲し、その場で逮捕される。
将軍は病院へ搬送されたが死亡。ペイジは妹の住むシンシナティに逃げようとしていたが、列車に乗る寸前にドーンヴァルドから電話を受け、ジュリアが殺されたことを知った。ドーンヴァルドはアディーサの仲間たちを一斉に検挙するため、「彼らの情報を渡さないと、また身近な人間を殺すぞ」と脅したのだ。その時、暴力を憎んでいたはずのペイジの中で何かが変化した。ドーンヴァルドを殺しても、将軍がいる限りまた同じことが繰り返される――ペイジはそう考えて犯行に及んだのだった。
将軍暗殺の報はマキーバに届き、彼の地では武装蜂起が起きていた。その日行われたヴィヴィアンの手術は無事成功に終わる。マーティンとダニーはアディーサを車に乗せて護送する。するとその途中で、バンから降り立った男たちが、彼らの車に向けて短機関銃を乱射!
今回の失踪者ペイジ・ホブソンを演じているのは、CSI:NYにシーズン2からリンジー役でレギュラー入りしたアンナ・ベルナップ。このエピソードはリンジー登場の数ヶ月前のもので、時期が近いせいもあってペイジとリンジーの印象がどうしても重なってしまう。CSI:NYのシーズン3では、何やらリンジーの暗い過去が語られるらしいが、それってこのガンバ将軍を暗殺したことだったのか! そりゃ大変だ。
外国の要人、反政府活動組織、元傭兵の領事館員、と舞台設定は大掛かりで派手な感じだが、失踪自体は「追われて逃げた」という、ほとんど見たまんまの図式だった。ジュリアの死をきっかけに変貌したペイジの内面をもう少し深く知りたかったような気もするが、今回はヴィヴの手術、前回エピのジャックへの影響、そして最後のクリフハンガーなど、次シーズンへ続く重要なモチーフがいくつもあるので、ヒネらない方が良いのだろうと思う。
しかし、本国より数シーズン遅れの放送を見ている者にとって、彼らの運命はクリフハンガーでも何でもないということを改めて実感。真のクリフハンガーは「NHKが次のシーズンも放送するかどうか」ということの方だった。
※追記:NHKでの放送は、このシーズン3をもって終了。しかしその後、スーパー! ドラマTVで放送が復活し、無事に最終シーズンまで放送された。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-30