Without a Trace - Season 4, Episode 5
韓国系の商店でレジ番をしていた娘のウェンディが仕事中に失踪。目撃者の話では店に男が現れ、険悪な雰囲気だったという。ウェンディはデザイナー志望でインターネットの出会い系サイトをよく利用していた。店に現れたジョージ・ゾースナーもそのデート相手のひとりだった。
サマンサとマーティンは、弟のジンから、以前店に強盗が入ったという話を聞き、その後にウェンディひとりに店番をさせていたことを不審に思う。監視カメラも故障中だという。結局その強盗犯は別件で逮捕されており、当日は収監されていたため無関係と判明。
ジョージの話から、ウェンディには以前に婚約者がいたことがわかる。それは親が決めた婚約で、ウェンディはそれを嫌がって婚約を破棄すると言い出したのだ。だがそれは、婚約者のスティーヴンがウェンディと組んだ芝居だった。スティーヴンは自分がゲイであることを言い出せず、ウェンディは自分が性悪女を演じることで婚約を終わらせたのだった。
ウェンディはインターネットで何人もの相手とデートを繰り返していたが、どうやらジョージを本命と決め、「しつこい男」と別れようと苦労していたらしい。また、SMのようなきわどいプレイを仕掛けたこともあったという。
その後、ウェンディの部屋を調べ直そうとしたダニーとエレナは、誰かが窓から侵入しようとしたことに気づく。その男は、アダルトサイトに掲載された広告を見てやって来たのだ。そこには、扇情的なポーズの写真とともに「窓から侵入して乱暴なプレイを仕掛けてほしい」という文言が書かれていた。だが、その写真は雑誌のスキャンにウェンディの顔を合成したフェイクで、誰かが勝手に広告を載せたものとわかる。そのサイトの管理者の所へは、数日前にウェンディが抗議に現れたため、その広告は削除されていた。
広告を載せたのは、デート相手だった「しつこい男」ブラッド・ストーンだった。ブラッドはウェンディが自分に頼ってくるよう仕向けるために、秘書を使って広告を載せさせたのだ。
ウェンディの自宅の窓の指紋から、彼女の部屋に侵入した男の身元がわかるが、彼は「行ってみたら別の男がおり、その男が広告の件を知って怒ったので自分は逃げた」と主張。その時に部屋にいたのはジンだった。
ジンはその日、ジョージを見送ったウェンディと口論になり、「家に縛られるのはもううんざり」だというウェンディに対し「自分はこんなに苦労しているのに何だ!」と腹を立て、思わず殴り殺してしまったのだった。
うーん……。WATの「弱さ」が出ちゃったエピソード、って感じかな。関係者(容疑者)を大勢出して一巡させて、最初の方で出てきた人がやっぱり犯人でした、というプロットだけで終わってしまったような。失踪者の身辺状況は色々出てきたけれど、肝心の「その時の状況」(遺体をどうしたのか、など)が未解決のままだし。
ああ見えたことが実はこうだった、という謎を解き明かしながら真相に迫っていくのがWATの特徴的なフォーマットだと思うのだが、今回はそのフォーマットを追うだけに終始してストーリーがきっちり収まっておらず、失踪者の内面にも迫れていないという不満が残った。
NYのコリアンコミュニティの描写に何となくリアリティが感じられなかったことも原因かもしれないが、ウェンディという人に最後までシンパシーを抱けなかった(そこまで理解できなかった)ことも残念。ウェンディの人物描写によっては、すごく共感を呼ぶエピになったかもしれないと思う。
— Yoko (yoko221b) 2009-01-08