Without a Trace - Season 4, Episode 8
15歳の少年ショーンが失踪。「ゲームをしてくる」と言って出かけたきり、帰って来なかったのだ。両親のラリーとスーザンは、心当たりに電話したが見つからないため、警察に通報。ホプキンズ家には大勢の警官とFBI捜査官が訪れ、夫妻にぶしつけな質問を浴びせる。ラリーは、捜査官のひとりがショーンのパソコンを持ち出したことに驚く。
その後、ラリーとスーザンはマローン捜査官に同行してFBIへ行き、ショーンが学校でドラッグを買っていたらしいと聞かされ驚愕する。2人はさらに、大破した自転車が見つかったと聞かされる。ラリーはステッカーから、自転車がショーンの物であることを確認。
次に、学校のアルバムを見せられ、要注意の生徒と交際がないかを確認される。質問の途中で、彼らはショーンがオンラインポーカーをやっていたことを聞かされる。さらに、ベッキーという少女と電話で何度も話していたこともわかる。いらだった2人はつい口論を始める。
ニュージャージーでショーンに似た少年の遺体が発見されたという報が入り、2人は身元確認へ。ラリーは遺体を見て嘔吐するが、スーザンは「肩の痣がない」と、息子でないことを断言する。
翌朝、ベッキーと母親がホプキンズ家を訪ねる。ベッキーは街を離れていたため、ショーンが行方不明になったことを知らなかったのだ。ベッキーは週末にあるパーティへ行き、そこで酔ってレイプされた。それを誰にも言えず、ショーンだけに打ち明けたのだった。ショーンは学校でドラッグを売っている生徒から、ベッキーのために緊急避妊薬(性交の後に服用する避妊薬)を手に入れ、相手がヴァン・ホーテンという生徒であることを聞き出したという。スーザンはマーティンがすでにヴァン・ホーテンの名前を把握していたことを知り「なぜ私たちに何も知らせてもらえないのか!」と怒る。
目撃証言から、失踪当夜、ショーンはヴァン・ホーテンの所へ行き、ベッキーをレイプした件で自首するよう迫り、ヴァン・ホーテンがショーンを自転車ごと車ではねて連れ去ったことがわかる。その後、2人の居場所が判明するが、ヴァン・ホーテンはショーンを人質にして立てこもっているという。マローンが説得に当たっている。物々しい警戒ぶりやSWATの出動に2人は脅える。その後銃声が響くが、直後にショーンが救出されたと知らされる。2人はERへ向かい、ようやく息子と再会し、無事を喜び合う。
失踪事件を失踪者の家族の視点から描く、という変化球エピソード。今回は「それがすべて」な感じなので、こういうエピはもうこれっきりかな。いつもは「捜査官の視点」で描かれる場面が「家族の視点」なので、ジャックやダニーたちがまるで見知らぬ不審人物。捜査官の言動が、見事にうさんくさい感じで笑ってしまった。
ショーン失踪からどういう捜査で発見に至ったのか全然わからなかったけど、そこは家族に知らされていないので描写のしようがないんだな。そのへんが少々もやもやする感じなのだが、状況を知らされずにただ待っているというのは、こんなにも不安なことなんだ……と、改めて感じさせられた。
そんなこんなで、このエピソードはこれで良いんだと思ってはいるものの、どうもこのところ(というか今シーズン)WATに求めているWATらしい良さが感じられない、んだなぁ。これは私だけかもしれないけど、WATらしい良さというのは、失踪者が家族のもとに帰って来る場面。自分に帰る家がある、という郷愁を感じさせる描写なのだと思う。今回も、迎える家族の側からそれを描くこともできたと思うんだけど、そこを深くつっこまないうちに視点が捜査官の側に切り替わって、「次の失踪者だ」となってしまった。うーん、最後に視点が変わること自体は演出として納得のいく手法だったと思うが、やはりどうも物足りない。
シーズン4ともなると、同じことばかり繰り返してやってられないよ、ということなんだろうか……。
— Yoko (yoko221b) 2009-01-11