Without a Trace - Season 4, Episode 14
- Does it get any easier?
- Unfortunately, yes.
(日本語の固有名詞には適当に漢字を当てています)
整備工のアンドリュー・レイノルズが失踪。アンドリューは海兵隊の伍長として日本に駐留していた当時、強姦罪で5年間服役したことがあり、不名誉除隊して現在は母親と二人暮し。その後も性犯罪が発生するたびに警察に同行を求められており、失踪直前も面通しをしたばかりだった。同じく海兵隊出身のネルソンはアンディに同情し、自分の経営する整備工場に雇っていた。
母親の話では、アンディはふさぎこんでいる様子を見せたこともあったが、北部の友人を訪ねて行き3日後に帰って来た時はすっかり元気になっていたという。だが確認してみるとその友人の所には行っていなかった。航空機の搭乗記録から、アンディが実は日本へ行っていたことがわかる。
アンディが日本で何かの録画映像を作成していたことがわかり、データを取り寄せてみると、それはアンディが服役した暴行事件の被害者、浅川紀美子が「私をレイプしたのはアンドリュー・レイノルズではありません。彼は無実です」と話している映像だった。マローンは、アンドリュー失踪のカギは日本にあると判断し、単身東京へ向かう。
サムとエレナは、アンディの元上官だったスーザン・マロイ少佐に話を聞く。この事件では何ら直接的な証拠は出ておらず、アンディもいったんは容疑が晴れていたが、数日後突然「自分がやった」と自首したという。やがて、アンディはギャンブルで紀美子の父、浅川仁に借金を作り、レイプ犯として自首すれば借金を帳消しにするが、無実を主張すれば彼も家族も殺すと脅されたということがわかる。
一方、マローンは東京で紀美子に会って事情を聞いていた。浅川仁は「いち組」と呼ばれる暴力団のトップ。紀美子の母親が事件後に自殺を図り、浅川家の対面を保つために誰かを逮捕しないわけにはいかない状況になってしまい、アンディに白羽の矢が立ったのだ。アンディはそれを受け入れたものの「最近になって、自分には5歳になる息子がいることを知ったが、母親は自分がレイプ犯だと思っているので息子に会わせようとしない。息子に本当の自分を知ってほしい」と言って紀美子を説得した。
息子が5歳なら、母親は日本で妊娠したはず。だがアンディは紀美子に会って録画した後、すぐに日本を離れているので、母子は現在米国にいるものと思われた。海兵隊の女性兵士/士官ならば妊娠を届ける義務があるはず。該当する記録を調べると、母親はマロイ少佐であるとわかる。直属の部下と性的関係を持つことは禁じられていたため、彼女は父親を当時の恋人だったジェレミー・ホルドと偽って届け、獄中のアンディには「流産した」と嘘をついていたが、最近たまたま訪ねてきたアンディに息子の存在を知られたのだった。
アンディは帰国後にマロイ少佐の自宅に電話をかけていたが、それを受けたのは彼女の夫だった。彼は訪ねて来たアンディを銃で脅して去らせていた。その後、警察から「アンディを逮捕した」という連絡が入ったというが、実際に電話をしたのはアンディの雇い主のネルソンだった。ネルソンはアンディと同時期に韓国に駐留していたが、事件当時は休暇で東京にいたのだ。紀美子はネルソンの写真を見て、彼が犯人だと認めた。
ダニーはネルソンを逮捕し、エレナは工場のドラム缶に沈められたアンディの遺体を発見する。アンディはネルソンが犯人だと聞いて怒り、ネルソンはテープを取り上げようとしてアンディを殴り殺したのだった。
シーズン4になって放送局がスパドラに移行したせいか、邦題のセンスが少々変わってきたような気がする。より直訳調に近くなったというか……そのこと自体は別に良いのだが、今回の “Odds or Evens”、これは別に直訳しなくてもいいのに。
日本ロケを行い、松方弘樹がゲスト出演したエピソードとして話題になってはいたものの、実際に見てみると……うーん、どうしたもんか。まぁ、日本ロケを敢行したのは、アンソニー・ラパリアがサッカーの観戦(チームのオーナーなんだっけ?)で日本へ行くから、ついでにロケしちゃえってことで急遽決まったことらしいので、エピソードも急ごしらえというか、ジャック本人がわざわざ日本に来る必要はなかったんじゃないの? みたいな話だった。ネルソンがレイプ犯というのも何だか無理やりっぽいし、結末も救いがなかったし……何もアンディを死なせることはなかったんじゃないか。アンディが失踪したままでいる理由が思いつかなかったので殺しちゃえ、みたいな印象。あんまりだー。
浅川邸の不思議なインテリアとか、賭場と酒場と料亭が混ぜ合わされたような提灯バーとか(このへんはLAのセット撮影だよね)、いろいろ突っ込みどころはあるものの、とりあえず東京の街(銀座と五反田らしいが)は本物だし、松方さんはさすがの貫禄で「本物の親分さんだ!」と思わせた。親分の出番がもっと長ければ良かったのに、とは思ったけれど多分それは……そこまで脚本を練る余裕はなかったのだろうと推察。話に合わせて日本語の台詞も作らなきゃいけなくなるものね。
通訳といえば、ジャックの通訳をしていたブライアントさん、日本語→英語の部分ちょっと脚色してない?
アンディのテープのことを聞いた時の会話は次のとおり。
浅川:もし奴がこれを家で撮ったんなら、わしゃ奴を殺すで!
→ If he knew Reynolds came into his house to make the tape it'd be obvious he killed him, because he'd still have Raynolds' blood smeared over his hands and lips.
もしかして後半部分は、親分さんが「目で言った」ことまで通訳している?
対して、英語→日本語の部分はどうかというと、
マローン:If he wants me to believe him, he has to take me to meet his daughter.
→ この捜査官が紀美子さんと話したいそうです。
先の脚色に比べて妙にあっさり。その後ブライアントさんの言った「娘さんと話ができれば、ディスク(?)を渡します」というのは、ジャックの台詞に入っていなかったようだけど何のことよ? いったい何を渡すつもりだったんだ? アンディが撮影したあの映像のことだろうか(あれは証拠品だから簡単に渡せないのでは……)。この方、浅川親分と何か癒着がありそうで、怪しい。
— Yoko (yoko221b) 2009-04-20