The Wire - Season 1
“… a little slow, a little late.” - Avon Barksdale
フェラン判事はディアンジェロの持つページャーのクローニングを許可する。こうして、ディアンジェロのページャーが鳴ると同時にメッセージが記録されるようになるが、彼らはメッセージに暗号を使っていたので発信元の番号は特定できなかった。
ストリンガーは、配下にスパイがいるのではないかと疑いディアンジェロに警告する。エイヴォンとストリンガーは「事業」の拡大について相談。その途中で、エイヴォンはウィーベイから「オマーの仲間を捕らえた」とページャーで連絡を受ける。その後エイヴォンはディアンジェロを連れて病院へ行き、昏睡状態で寝たきりの兄を見舞う。エイヴォンは、ただ一度の過ち、気の緩みが一生取り返しのつかない結果を生むと諭すのだった。
ディードリ・クレッソン事件で使用された薬きょうは、前年に起きた2件の殺人事件で使われたものと一致した。それらの事件は「処刑」スタイルで、「ディー」なる人物の関与を示す情報はなかった。マクノルティは殺人課の報告書を見て、オマーの仲間ベイリーが射殺されたことを知る。現場には、3丁の銃から発射された薬きょうが39個あったという。防弾チョッキも役に立たなかった。
バンクとマクノルティは、ディードリの親友ティワンダを訪れ話を聞く。その日訪ねてきた「ディー」はやはりディアンジェロで、交際相手はエイヴォンだった。ディードリとティワンダはクラブでエイヴォンと知り合い、ディードリはエイヴォンと1年ほど交際した。だがエイヴォンに他にも女性たちがいたことを快く思わず、ディードリは「親戚の州検事に手紙を書く」と脅した。マクノルティはそこで、エイヴォンが「オーランド」というクラブを経営していることを知る。
その頃、地下のオフィスではプレッズが「暗号」の解読に成功していた。番号はそれぞれ、プッシュ式ダイアルの対角線上/向かい側のボタンを示していたのだ。フリーマンはダニエルズに対し、周辺地域の公衆電話の盗聴が必要であると進言。
グレッグスとマクノルティはオマーに接触し、共通の敵バークスデールを仕留めるために手を組もうと持ちかける。だがオマーは相手にせず「バブズはバードの名を知っている」と言うだけだった。
夜中。ウォレスとプートはゲームセンターで遊ぶブランドンの姿を発見。その情報は直ちにディアンジェロへ、そしてストリンガーへと伝えられ、やがてディアンジェロは「終了」の報を聞く。その連絡網はすべてチームダニエルズのコンピュータに記録されていたが、夜中でオフィスは無人だった――。
今回のエピソードは、核になるモチーフがなく少し散漫というか平坦な印象だったが、盗聴プロジェクトの準備が整い、本格的に捜査に乗り出すまでに、それぞれの動静や人間関係を整理するようなエピソードだったと思う。
よけい散漫になりそうなので上の要約では省略したが、前回少年院から脱走したボディがカーヴァーとハークに逮捕されたり、ディアンジェロが恋人のドネットを高級そうなレストランへ連れて行って居心地悪そうにしていたり、バブズが病院にジョニーを見舞い、彼がHIVに感染していることを知ったりと、各人さまざまなエピソードがあった。
断片的なエピソードの中で重要な場面はやはり、ディードリ事件の聞き込みかなと思うのだが、印象に残ったのはエイヴォンが入院中の兄を見舞い、自らの恐怖心を吐露する場面だった。エイヴォンの徹底した用心深さの原因は、ここにあったのかと思った。
さてラストでは、事態が大きく動き出す前触れのように、ブランドンの姿が! 何してるのよオマー! 大事なブランドンを1人にしちゃダメ~~!
— Yoko (yoko221b) 2007-07-31