The Wire - Season 2, Episode 10
“It pays to go with the union card everytime.” - Ziggy
対ソボトカ特命チームのオフィスでは、人間関係が次々に分類整理され、本来の標的だったソボトカは、大がかりな組織のほんの末端であることが判明していく。彼らは次に、売春宿マダムやダブルGの上にいる「ボス・マン」の正体に迫ろうとしていた。マクノルティは、彼らの車両に設置したGPSトラッカーの記録から、彼らが「共通して長時間停車した場所」を探し出す。その一方で、ソボトカにこだわるヴァルチェックは、FBIに情報を渡し、見返りに盗まれた車両の捜査を依頼していた。
ダニエルズとパールマンは、連邦検事のオフィスで話し合いを持つ。同時多発テロ以来、港湾の保全(すなわち組合の腐敗)が連邦政府の懸念事項となっていた。ダニエルズは「事件は組合を超える規模だ」と言うが、連邦の標的はあくまで組合。そこで両者の合同捜査が実現する。特命チームのオフィスには、フィッツユー捜査官をはじめFBI捜査官数名が現れる。
ストリンガーはプロップ・ジョーにタワーの一部を明け渡し、その代わりに商品の供給を受けていた。そこへ、事情を知らないブラザー・ムーゾーンが現れ、立ち退くよう要求、ジョーの部下チーズを撃って怪我をさせる。
ジギーは仲間のジョニー・フィフティとともに車を盗む。ジギーはダブルGから報酬を受け取ろうとするが、約束の半額しかもらえなかった。ジギーは怒り、ダブルGを射殺し、店員にも瀕死の重傷を負わせる。その後ジギーは警察に逮捕され、素直に罪を認めて供述書にサインする。
ヴァルチェック警視がダニエルズのオフィスに現れ、捜査方針が自分の指示から外れていることをなじり、プレッズを自分の部署に連れて帰ろうとするが、プレッズはそれに怒り、警視を殴りつけてしまう。
フィッツユーは報告書を書いてFBIのオフィスに送信するが、その内容はネットワークを経由してクートリス捜査官に筒抜けになっていた。クートリスからギリシャ人に情報が伝わる。ヴォンダスのもとにもジギーの事件の情報が入り、彼らは全面撤退を決断。その後、彼らがアジトにしていた店にニックが現れるが、ヴォンダスもギリシャ人も、跡形もなく消えていた。彼らは電話も捨ててしまい、捜査は行き詰る。だがマクノルティは、ヴォンダスが携帯電話を捨てた後、別の携帯端末からテキストメッセージを使っている所を目撃していた。メッセージが発信された時刻と位置からヴォンダスのメッセージがトラッキングされるが、それはギリシャ語で書かれた「ただちに撤退せよ」とのメッセージだった――。
ダニエルズのチームは、ボスを追いつめる一斉捜索の手配を開始するが、その頃セルゲイらはダブルGの店で証拠となる書類や麻薬をすべて処分していた。
ソボトカの上にいる密輸組織。彼らの側からもドラマを見ていると、「ギリシャ人」が(少なくともここでは)トップにいることがわかっているのだが、警察はまだ彼の存在すら知らない。警察/FBIにとっては現在のところヴォンダスがトップで、しかもその正体にはほとんど迫れていない。ああ何だかイライラするわ。
組織の方は敏感に警察の動きを読んで撤退を開始。プロの犯罪者なのだから、警察の動きは常に警戒していて当然よね……シーズン1の時も同じようなギリギリの追いかけっこがあったっけ。
彼らの方が一歩先んじているのは、クートリス捜査官からのリーク情報のせいもあるが、犯罪現場となったダブルGの店でセルゲイたちが堂々と証拠隠滅をしてしまうのだから、ちょっと警察も連携が悪すぎる。ランズマンさん、ジギーのフルネーム聞いたでしょ? ソボトカよ、ソボトカ!
ジギーがダブルGを射殺したのも予想外の展開だったろう。ジギーも、今回ばかりはニックに頼るわけにはいかない。取り返しのつかないことをしてしまったけれど、供述書のsaid(言った)をbegged(懇願した)に変えたのは、反省の気持ちからだったのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2007-12-24