The Wire - Season 2, Episode 11
“I need to get clean.” - Sobotka
早朝、警察とFBIが一斉捜索に着手。ダブルGの会社やニックの自宅が捜索され、セルゲイやホワイト・マイクら数名が逮捕される。だが、「撤退せよ」のメッセージがヴォンダスのさらに上から発令されていることから、「さらに上」を狙うためヴォンダスは泳がされることになった。
ダブルGの会社と倉庫はもぬけの殻。だが床に血溜りの跡があり、ここにきてやっとダニエルズらは、フランクの息子にダブルGが殺害されたことを知る。事件を担当したランズマンはダブルGやジギーとジェイン・ドゥ事件の関わりに気づかなかったのだ。
組合の事務所にはヴァルチェックとFBIが現れ、ソボトカとホースフェイスらを逮捕。マスコミが押し寄せる中で派手な逮捕パフォーマンスを披露する。
逮捕された面々は一様に口を閉ざす。ホワイト・マイクだけが協力的だったが、彼は末端の売人なので、組織のトップのことはまったく知らない様子だった。連邦検事は組合に関して十分な情報と逮捕者を得たのでさっさと引き上げてしまい、これ以上の協力はあてにできなかった。
フランク・ソボトカは保釈されるが、彼が逮捕されたことの影響で、組合があてにしていた埠頭の改修事業も中止になってしまう。
プロップ・ジョーの仲介で、ストリンガーとオマーは話し合いを持つ。そこでストリンガーは、オマーの恋人だったブランドンを拷問して殺した首謀者はブラザー・ムーゾーンだと吹き込む。その後、オマーはブラザーが滞在するモーテルに乗り込んで彼を撃つが、彼がブランドン殺しの首謀者というのは嘘だと悟り、救急車を呼んでその場を去る。
ラッセルはソボトカを出頭させ、組織の首謀者にたどり着くための協力を要請、ソボトカはそれを了承する。検事は弁護士を同席させるため、次の日にもう一度来るように言い、ソボトカは帰宅する。だが、その頃ニックはヴォンダスから「忠誠心と引き換えにジギーを助けてやる」という申し出を聞いていた。負傷した店員に偽証させ、ダブルGが銃を抜いたことにすれば、正当防衛を主張できるという計画だった。
フランク・ソボトカは単独で「ギリシャ人」らとの話し合いに出かける。そしてフィッツユーの報告書は、やはりクートリス捜査官に筒抜けになっていた。ソボトカを迎えるギリシャ人に、クートリスからの連絡が届く――。
早朝の強制捜査で関係者が軒並み逮捕。一斉に検挙。とにかく誰も逃がさないように一斉に検挙。それでも、たまたま外泊していたニックと「ボス」のヴォンダスとギリシャ人は逃がしてしまう。
ヴォンダスはニックのことをずいぶんと気に入っているようだ。前半の方のエピソードでも、ニックのこと「賢い」と褒めていたし。このまま警察の捜査がなければ組織に引き入れて――とか考えていたのかなぁ。
しかしジギーの供述調書があるのだし、前回のエピソードの様子を見ても、正当防衛は無理だと思う。ダブルGを背後から撃ったことも検死でわかるのでは?
それにしても、ジギーとパパの意外な事情がこんな所で明らかになるとは。ジギーの台詞、“same blood don't flow for us, Pop” (同じ血が流れていない)というのは、ジギーがフランクの本当の息子ではないという意味だったのだ。HBO公式サイトのエピガイでもそう明言されているので確かだろう。母親の不義の子ということだろうか。そうするとフランクにとって血縁があるのはジギーよりも兄の息子であるニックの方だったわけで……今回フランクはジギーのことをとても気にかけている様子を見せていたけれど、普段はむしろニックと親子みたいだった。確かにニックの方が頼りになることはわかるんだけど、それがジギーを余計にあのような行動に走らせていたのだろうか。このあたり、もう描写している時間はなさそうだけど。
そしてバークスデールの組織にも大きな動きが。何だかいろいろあって大変だなぁ。ブラザー犯人説をオマーがあっさり信じたのが意外だったけど、やはり何か変だと気づいたらしい。バークスデールの組織にも内紛の兆しが……。
そういえば、今シーズンのオマーは例の口笛演奏(田んぼの中の一軒家)がないのでは。何か物足りないのはそれか?
— Yoko (yoko221b) 2007-12-24