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The Wire - Season 3, Episode 4

#29 Amsterdam


“Why you got to go and fuck with the program?” - Fruit

概要

グレッグスとマクノルティは、キンテルの捜査に加わらず、バブルスを雇って、ウェスタン地区の勢力図とバークスデール組の動向を探る。バークスデールの組織が良い場所を獲得しようとせず、若いマーロが場所を独占しているらしいことについて、2人は不審に思う。だが2人の行動は命令系統を無視した勝手な振る舞いであり、キンテルの捜査を指揮するフリーマンと対立する。

マクノルティとグレッグスは、バブルスから得た情報をもとにマーロの調査を開始。マーロ・スタンフィールド22歳、ストリート名「ブラック」。かつて殺人事件の容疑者になったが、犯行を裏付けるはずの証人が射殺されたため釈放されたことがあったという。グレッグスはさらに、同じコーナーにバークスデール組や他の組織やフリーの売人が雑然と同居している、とバブルスから聞いて困惑する。

デニスは庭師の仕事を始めるがうまくいかず、バークスデールの組織に戻って来てしまう。ボディらは、デニスを歓迎し、いかがわしい宿へと連れて行く。

パールマンとダニエルズは、エイヴォン・バークスデールの仮釈放審問が開かれることを知るが、パールマンはエイヴォンの仮釈放に反対する書面を提出する。

コルヴィンは「フリーゾーン」計画を実行に移す。カーヴァーらは売人をまとめて指定した地区に移し、そこで商売をしろと言い渡す。ハークはその地区を(ドラッグが合法である)アムステルダムになぞらえて説明し、以降そこは「ハムステルダム」と呼ばれるようになった。

カルケッティはレストランで友人たちに「市長に立候補するつもりだ」と明かし、そこに来合わせたテレサ(テリー)・ディアゴスティノに協力してほしいと頼み込む。テレサはカルケッティのロースクール時代からの知り合いで、現在はワシントンDCで選挙キャンペーンマネージャーをしているのだった。

マクノルティはコミュニティ・カレッジへ聞き込みに行き、ストリンガーの電話番号を手に入れる。その後、ストリンガーが上院議員のクレイ・デイヴィスらと不動産取引の話をしている所を目撃。マクノルティはその情報を手にMCUのオフィスへ戻るが、入手した電話番号はすでにフリーマンとプレッズが調査済みの物であった。ストリンガーはその電話を堂々と使用しているが、それはクリーンな目的にしか使っていないためだった。ダーティな目的には「バーナー」と呼ばれる使い捨ての携帯電話が使用される。数回使って廃棄し、次々に新しい電話に取り替えるので、盗聴しようにも追いつかない。そしてストリンガーはダウンタウンの土地を買い、ビルの建築許可を申請し土地開発業者になろうとしているのだった。現在、ストリンガーの行っている取引は合法な事業であるように見える。フリーマンは「数日のうちに『事件』を持って来れなければ、あきらめてMCUの捜査に加われ」と命ずる。

ストリンガーはドネットの家を訪れ、ディアンジェロの件でマクノルティが来たことを知る。彼はマクノルティの名刺を握りつぶし「塀の中でエイヴォンを知らないものはいない。エイヴォンの甥を手にかける者がいるわけがない」と言う(実際は、ストリンガーの命令によってディアンジェロは殺害されている)。

その夜、マクノルティはパールマンの家を訪ねるが、彼女は応対しなかった。あきらめて帰ろうとしたマクノルティは、ダニエルズの公用車が止まっていることに気づく。


感想

このエピソードのタイトル、DVDでは “Amsterdam” だけど、HBOのサイトでは “Hamsterdam” なんだよね。何で? ここではDVDに合わせておくけれど、タイトルとしては “Hamsterdam” の方が良いと思う。ともあれ「ハムステルダム」計画が具体的に開始されたわけだが、最初からうまくいくわけがない。彼らにしてみたら、いきなり「見逃してやるから他所で商売しろ」とか言われても、わけわかんないよなぁ。

今回はコルヴィン警視の計画が具体化する一方で、1話から登場していたカルケッティの野心も少しずつ明らかになってきた。どうやら市長選挙に出馬するつもりらしい――というのだが、選挙キャンペーンマネージャーのテリーからは “wrong color” と一蹴される。つまり白人だから無理ということなのかな。自分の選挙区なら良いが、ボルティモア市全体の人口は黒人と白人の比率が2:1だからだろうか。

現実のボルティモア市長はというと、2008年現在はSheila Dixonというアフリカ系女性。アフリカ系市長が誕生したのは1986年のことで、当時の市長だったシェーファー(この人は白人)が州知事に選出されたために職を辞し、市議会の議長だったバーンズが市長に就任して初のアフリカ系市長となった。翌年の選挙ではやはりアフリカ系のシュモークが選出され、以降1999年まで12年にわたり市長を務めている。99年に当選したのは白人(名前からするとアイルランド系?)のMartin O'Malley(現在は州知事)で、その次が現市長になる。

さて、マクノルティの方はストリンガーの捜査がうまくいかず、フリーマンとも対立していささか迷走ぎみ。検事にもふられてしまって、どうも冴えない。前シーズンもそうだったけれど、中盤あたりになるとマクノルティが飲んだくれてぱっとしなくなるんだよね。さっさと浮上しろ~~。

ところで、マクノルティの息子が学校のサイエンス・フェアに火山の模型を出展していたけど、火山って定番なのだろうか。CSIのエピソードにも出て来たよね(優勝を逃したところまで一緒だ)。

Yoko (yoko221b) 2008-01-17