The Wire - Season 3, Episode 6
“Just a gangster, I suppose.” - Avon Barksdale
コルヴィン警視は隔離計画を推し進め、時には強硬な手段を使って彼らを「ハムステルダム」に追いやった。かくして、ハムステルダムでは警官が見守る中で堂々と麻薬売買が行われ、他の街角には平和が戻っていた。
フリーゾーン地区の本来の住人はすべて他所へ引っ越したはずだったが、独居している老婦人がひとり残されていた。コルヴィンはその婦人のもとを訪れ「もっと良い環境へ移り住むためのプログラム」を紹介しようとするが、「私を他所へ移すプログラムがあるのに、あの売人たちを何とかするプログラムはないの?」と言われ、言葉を失う。
マクノルティとグレッグスはストリンガーとマーロが接触したことを報告し、彼らの捜査を続けることを進言するが、あくまで暴力事件の捜査にこだわるダニエルズはやはり許可しなかった。その後、2人はディアンジェロ殺害の件で郡の検察へも出向くが、検事は容疑者もいないのに余計な殺人事件を背負い込む気はないようだった。
エイヴォンはストリンガーとともに表の不動産業に関わる一方、裏の稼業にも復帰するが、根っからのギャングであるエイヴォンはストリンガーの「ビジネス」になじめず、昔ながらの「縄張りは奪い取れ」方式を貫こうとし、マーロと戦うための戦闘員を集める。デニスもそのひとりであったが、彼は人殺しができなくなった自分に気づき、組織を抜けると宣言する。ストリンガーとマーロが手を組んでいると思っていたグレッグスは、バブルスから抗争の話を聞いて驚く。
一方、ストリンガーは建物の改築が思うように進まず悩んでいた。市の許可がなかなかおりないため、せっかく雇った作業員を遊ばせる羽目になっているのだ。結局ストリンガーは、許可を得るために25,000ドルの拠出を強いられる。許可のために20,000、買収のために5,000ドル。
バンクはドーザマン巡査の拳銃を探す捜査を打ち切り、本来の殺人課の仕事に戻り、トーシャ(オマーの仲間で、銃撃戦により死亡)事件の聞き込みを再開する。その後、オマーはバンクに接触するが捜査には非協力的。バンクはオマーの生まれ育った場所をよく知っており「あの頃はコミュニティがあったのに今は何だ。子どもたちがオマーを英雄視して真似をして遊んでいる」と怒る。
マーラは本格的に選挙活動を始め、別居中のダニエルズもイメージアップのため協力する。そのため、まだ離婚もしていないのに白人女性(パールマン)と堂々と交際するわけにはいかないのだった。
エイヴォンとマーロの抗争はまぎれもなく暴力事件。グレッグスとマクノルティは、これでMCUが扱う理由ができたとダニエルズに報告するが、ダニエルズはそれでもバークスデールの組織の捜査を許さない。問題はすでに事件の性質やキンテルの重要性ではなく、指揮系統のことになってしまっているのだ。命令するのはあくまで自分である、とダニエルズは厳しく言い渡す。マクノルティは親しい間柄のコルヴィン警視に裏から手を回し、口添えを依頼。その後、ダニエルズはバレルに呼び出され、コルヴィンの笑顔に迎えられる。
コルヴィンの計画がだんだん実を結びつつあるのだが、警察の上部にも他の地区の警官にも秘密にしておくというのは、果たして可能なのだろうか――警察幹部は現場を見ないし、現場の警察官も自分の所轄区域を見回ったりしないので、当面は大丈夫ということかしら。でも時間の問題だと思うけれど、公表のタイミングをどう見計らっているのだろう。
さてさて、もうシリーズ中盤を過ぎたというのに、ダニエルズの腰が重いのが気になるところ。ダニエルズは、一度でも自分の下についた者は(問題児でもスパイでも飲んだくれでも)決して見捨てないという部下思いな面はあるが、「責任は取ってやるから存分にやれ」と自由にさせるタイプではなさそう。今回は「誰がボスか」をはっきりさせようとしたのかな。
ところで、オマーが彼氏と一緒にテレビを見ている場面があったが、これは「OZ」? だよね(見たことないけど)。同じHBOの番組だし。そういえば以前のエピに、バブズが「CSI」を見ているような台詞があった。皆テレビ好きだな。私もだ。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-20