Wire in the Blood - Series 2, Episode 3
レストランの厨房で、店の出資者が殺害されるという事件が発生。現場は血の海で、被害者は首を折られ、喉にバールを押し込まれたうえに焼印を押されていた。その手口は細部に至るまで、3ヶ月前に発生した事件に酷似していた。だがその事件はキャロルが担当し、すでに被疑者ギャビン・コクランを逮捕済み。2番目の事件を理由にコクランが不起訴になる可能性も浮上するが、キャロルはコクラン自身が看守を買収して抜け出し、犯行に及んだのではないかと疑う。
ギャビンの弟ジョージは兄を崇拝しており、毎日のように面会に来ていた。兄を不起訴にするための犯行とも考えられたため、キャロルはジョージを連行するが、閉所恐怖症であったジョージは途中でパニックを起こし、警察署の窓を破って飛び降り、瀕死の重傷を負う。トニーは、閉所恐怖症のジョージに犯行は無理だと判断。
トニーは、犯人はギャビンに身近にいて彼に心酔し、成り代わろうとしていると推理。拘置所の看守の中には、それに合致する人物デイヴィスがいた。デイヴィスの自宅にはコクランの記事のスクラップ、2件目の現場付近で発見された足跡と同サイズの靴、バールなどがあった。だがバールも靴も、直接犯行と結び付く物ではなかった。
コクランは特別に保釈が認められ、弟のいる病院へ向かうが、弟は死亡。コクランはそのまま行方をくらまし、その後拘置所に戻るが、その間に第3の殺人事件が起きる。今回は、現場でコクランのコンタクトレンズが発見される。トニーは犯人はコクランでないと確信するが、コクランはそのまま起訴される。
被害者はすべてコクランの手下の犯罪者、計画どおりにいけばコクラン兄弟は殺人犯として終身刑になり、生き地獄を味わうことになる。コクランは犯罪組織のボスであるため、そしてジョージは彼の家族であるために標的になった。トニーは一連の犯罪の謎を解くカギは「家族」であると推理。キャロルは、数日にわたり自分をつけ回していたデニー(コクランの運転手)に注目する。だがトニーは「デニーではない」と確信。デニーにはアリバイもあった。
トニーは犯罪現場を訪れ、焼印の「V」の意味を理解する。一連の犯行は、犯人のもとから「V」を奪い去った者たちへの復讐であった。コクランのアリバイのない時間帯に犯行を行っていることから、保釈を知っていた人物。証拠を仕込んで行ったことから、犯罪捜査にも詳しい人物。トニーは、犯人はコクランの弁護士ジェフリー・マーカムで、「V」は息子のヴィニーのイニシャルであると確信する。おそらくヴィニーはコクランの組織によって破滅させられたのであろう。だが彼は巧妙で証拠を残していない。良い手立てが見つからないままコクランの裁判が始まり、キャロルは証言台に立つ。
トニーはキャロルに「裁判で偽証してマーカムを混乱させろ」と言う。キャロルは偽証まではできなかったが、弁護人の反対尋問にしどろもどろになり、マーカムはパニックを起こしかける。その後、マーカムはコクランを相手に犯行を告白し「地獄に落ちろ」と罵る。その会話はすべて、トニーがこっそりマーカムのポケットに入れたICレコーダに録音されていた。
冒頭、トニーが結婚式を挙げていて「えええええ? なぜ!!!1」と驚くが、代役と知って安心したような、かえって謎が増したような。この「お相手」は、前回夫を亡くして悲しみに沈んでいたケイトさん。別にトニーと結婚したわけではなく、亡き夫と「新たな誓いを結ぶ」ためのセレモニーで、トニーはその代役を務めただけらしい。うーむ、キリスト教の結婚式では「死が二人を分かつまで」と言うので、死によって分かたれた後は新しい誓いが必要になるのだろうか。なら最初からそう言っておけば良いと思うのだが。
トニーがボイスレコーダーで会話したり、車に乗ったり降りたりしながら一人二役で会話したりするところが面白いわ~。トニーって変だ。すごく変だ。そこが良い。変なオヤジ最高!
で、ラストではトニーとキャロルがデート? この2人には恋愛未満の関係を維持してほしいというか、2人きりになっても事件の話をしていてほしいなと思うのだが、どうだろう。
ところで、マーカムはコクランの弁護士なのだが、法廷に立って証人を尋問したりするのは別の弁護士なのね。たしか英国の弁護士には、バリスターとソリスターの二種類があってそれぞれ役割が分かれているはず(法廷に立てるのはバリスターだけだったと思う)なので、刑事被告人にも弁護士が2人つくのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-27