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BONES - Season 2, Episode 6
#28 The Girl in Suite 2103
- 邦題:「スイートルームの女」
- 脚本:Christopher Ambrose
- 監督:Karen Gaviola
- 初回放映:2006-10-04
事件概要
リサ・ウィナカー
ホテルのスイートルームで爆発が発生。そこでは、中南米の政府関係者による麻薬対策のための会合が開かれていたため、麻薬カルテルによるテロという可能性があった。死者の中にはエクアドルの警察長官やコロンビアで麻薬撲滅運動をしていた神父などが含まれていたが、中心人物のドロレス・ラモスは幸い軽傷で済んだ。ラモスは大使館に赴任する前はコロンビアの検事で、カルテルからはかなり恨みをかっているはずだった。
爆発は会合が行われた部屋ではなく、改装中の隣室で起きていた。爆発の中心と思しき場所にはリサ・ウィナカーというウェイトレスの遺体があったが、壁に残る痕跡から、犯人の身長は約183cmとわかる。リサの身長はそれよりかなり低い。
リサに交際相手がいたことがわかり、探し出してみるとそれは何と、ドロレスの息子のアントニオだった。アントニオはリサと関係を持ったことを認め、身長も一致するが、外交特権があるため逮捕はできない。
その後、リサの死因は爆発ではなく絞殺であるとわかる。また、爆弾はかならずしも必要ではなく、内装用の塗料が気化したガスに引火しても同程度の爆発が起きることが確認される。リサを殺害した後、その痕跡を消すために火をつけ、それが予想外の爆発を引き起こしたのではないか、という可能性が浮上する。さらに、ブレナンはアントニオが肩を脱臼する怪我をしていることに気づく。肩に怪我をした状態では、成人女性を絞殺できるだけの力は出せない。
改めてリサの交遊関係を調べ直した結果、どうやら本命はアントニオの父親、ホアンだったらしいとわかる。リサはホアンと深い仲になり、妊娠してでもつなぎ止めようとしていたが、別れ話を持ち出されて息子のアントニオを誘い出して関係を持ったのではないかと思われた。
だが、リサを殺害したのは父親でも息子でもなかった。彼女の脊椎は背中を何か細長いものを突き刺されたせいで損傷していた。その凶器はハイヒールのかかと――ドロレスの靴だった。ドロレスは夫と息子を奪おうとしたリサに殺意を抱き、彼女の背中をヒールで押さえつけたうえでスカーフで首を絞めたのだった。ハイヒールをはけば、ドロレスの身長は180cmを超える。
材料はそろったが、外交特権があるため手は出せない。カミールはわざと息子を犯人と名指しする方法を提案。そうすれば、ドロレスは息子を守るために自供するだろうとにらんでのことだった。だがブレナンはその手法に嫌悪感を示し、ブースも「正攻法でいこう」と、ドロレスの正義感に訴えて外交特権を放棄させようとする。
ドロレスに外交特権の放棄を決意させたのは、結局は国務省の職員ラズウェルの言葉だった。国務省は、事件の資料をコロンビアの検事総長(司法長官)に渡さざるを得ない。彼はドロレスの政敵でもあるので、事件は政治的に利用され、ドロレスは刑務所に送られ、そこで麻薬カルテルの手先に拷問され暗殺されるであろう。そうなるよりは――と、ドロレスは合衆国で裁判を受けることを選び外交特権を放棄する。
自供させるためとはいえ、事実を捻じ曲げて利用しようとしたカミールの手法に、ブレナンは落胆を隠さない。
感想
だから、恋愛を職場に持ち込むなっちゅーのに。ブースとカミールに、アンジェラとホッジンスまで。その余波でどんどんザックの影が薄くなっていくような気がする。どうなっちゃうのこのチーム。前シーズンの「ファミリー」的な親密さが懐かしいわ。やっぱりグッドマン所長帰って来て~!!
今回は容疑者が一巡して、最初は容疑者にカウントされていなかった人が実は犯人だったとわかる、プロットとしては古典的なパターン。事件そのものより、人間関係のあれこれや、ブレナンの失礼な物言いが気になってしまった。ラズウェルが小人症だからって特別扱いはしないよ、という所までは良いのだが、ブースの失言を捉えて笑ったり道化にたとえたりするのはちょっとやりすぎ……というか、違和感があった。ブレナンは、ラズウェルの体格からぎこちなく目をそらすような「大人社会の礼儀」に縛られない、ある意味で無垢な視点を提供するという役割を負わされているところはあるにしても、他者や異文化に対する敬意を忘れない人だったはず、なんだけど。
また、アメドラにありがちな傾向だが、外交特権が出てくるとどうしても相手国の司法制度を一段低く見るような視点が鼻について何だかなーと思わないでもない。Law & Orderの “Consultation” も、ちょっとそういう所があった。バハマ防衛隊をアゴで使って公海上で逮捕劇、という方がむしろ潔い。
シーズンプレミアの「遺された思い出」では当然のように被疑者にハッタリをかまそうとしていたブレナンが、「戦術として息子に罪を着せる」ことにあれほど嫌悪感を示したのがよくわからない。でも、息子をネタに脅したところで、息子にも外交特権が及ぶなら結局一緒のような気がするけど。
うーん、何だか文句ばっかりになってしまったかな。面白い場面もあったんだけど――ホッジンスとザックの爆発実験とか……。ホッジンスと言えば、過激な陰謀を通報してラモス一家の出国を阻止したせいで、MIBに連行されちゃったけど、国務省だか国土安全保障省だかに親戚がいるはずなので、きっと無事……なんだよね?
— Yoko (yoko221b) 2008-10-13