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BONES - Season 3, Episode 2
#45 Soccer Mom in the Mini-Van
- 邦題:「青空に散った正義と真実」
- 脚本:Elizabeth Benjamin
- 監督:Allan Kroeker
- 初回放映:2007-10-02
事件概要
エイミー・ナッシュことジューン・ハリス
公園の傍で車が突然爆発し、運転していた女性が死亡する。車の持ち主はジェレミー・ナッシュ、被害者は妻のエイミーと思われた。車に大量の衣類やアルバムが積まれていたことから、家庭内のトラブルで別居する途中だった可能性が考えられたが、ジェレミーは「娘が寮を移るので荷物を運んだだけだ」と、怒りをあらわにする。
胸に残るタトゥーの跡から、被害者はかつてNLA(国家解放軍)の活動家だったことがわかる。これは70年代に活動した過激派の組織で、軍隊や警察を相手に数々の破壊活動を行っていた。75年には警官を射殺していたが、その実行犯と目されているのがジューン・ハリスとニール・ワトキンスの2人。歯型を照合した結果、被害者の正体がジューン・ハリスであることがわかる。
連邦検事のジュリアンは、ハリスは司法取引を行い近々出頭する予定だったと言う。ずっと事件を追っていた捜査官のサム・ライリーは、短い刑期で取引が行われ、それを知らされていなかったことに怒る。
ジューンの肩には古い銃創があった。弾丸の種類と傷の角度から状況を再現した結果、30年前の事件当時、ワトキンスが警官を撃ち、ハリスはワトキンスを止めようとして2人の間に割って入り、巻き添えで撃たれたものと思われた。さらに、爆弾を分析した結果、ワトキンスが好んで使っていた種類の時計が使われていたことがわかる。ハリスの出頭を阻止するためにワトキンスが殺害したのであれば、爆発前に2人は接触しているはず。ホッジンスは車のエアフィルターを調べ、花粉の種類から場所を絞り込む。
ブースはライリーと現地で落ち合うことにしてブレナンとともにワトキンスの居場所へ向かうが、行ってみるとそこにはワトキンスの遺体とライリーの姿があった。ライリーは「ワトキンスは自殺した」と主張するが、検死の結果、ワトキンスは関節リウマチを患っており、引き金を引くことも爆弾を組み立てることもできなかったはずだとわかる。自殺したというのは、ライリーの偽装だった。
爆弾を製作したのは、ハリス(エイミー)の夫ジェレミーとわかる。使用された時計は既に製造中止だったが、未開封の製品がコレクター向けにネットで販売されていた。使用する前に電池交換が必要だったため、内部に指紋が残っていたのだ。ジェレミーは、ハリスがワトキンスと会っていることを知り、2人がまだ関係を続けていると思い込んで妻を殺害した。だが、ハリスはワトキンスに出頭させようと説得していただけだったのだ。ハリスが持っていた紙片は娘に宛てて自らの思いを綴った手紙だった。
感想
新しいドラマと古いドラマを並行して見ていると、あっちとこっちで同じネタを使った話を期せずして同時に見てしまうことがあって面白い。最近も、Law & OrderとCSI:マイアミで同じ「XYY遺伝子」ネタを見たばかり(ネタバレになるといけないのでエピソード名は書かない)。放映時期は10年以上も離れているし、共通のモチーフがあるというだけでストーリーは全然別なんだけど。
今回は、70年代に過激派として活動し、その後ずっと身元を隠して普通に生きてきた女性の話。これも、やはりLaw & Orderで同じネタを見たばかり。同じネタでも、同じような使われ方であれば「またコレ?」と思ったりもするが、全体のテイストが違っていればそれぞれに楽しめる感じ。シリーズごとの特色もあるが、時代を感じるところも面白い。
L&Oの方では、元過激派が2003年まで収監されることになり、「その頃には60年代ももう終わっているだろう」という印象的な台詞が話を締めくくる。そして今回、このエピソードの放映はそれもとっくに過ぎた2007年。
ジューン・ハリスが何をきっかけに、いかなる葛藤を経て出頭するに至ったのか、具体的な描写はなかったのだが、「本当は実行犯ではなかった」「それでも罪は償わなければ」という言動に現れる人物描写、そして視聴者の共感を得るためにはこのような描写が必要だったのだろうと思うと、やはり60年代は(このエピは70年代だけど)終わったのだろうなぁ……と、ちょっと時代を感じてしみじみしてしまった。
事件については、それくらいかな。ブレナンとマックスの面会の様子や、捜査官ブースの「育ての親」ライリーの登場や、セクシー捜査官をめぐるホッジンスとアンジェラのゴタゴタなど、レギュラー陣の描写に押されてちょっと不完全燃焼な感じがなきにしもあらず。解明されていない部分もあったような気が……。いや、まぁいっか。