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csi:novels:06_binding_ties

Binding Ties

マックス・アラン・コリンズによる小説版CSI第6弾。連続殺人事件の現場でその残酷な手口と独特の小道具を見たグリッソムは、10年前に発生し、未解決のままだった連続殺人事件を思い出す。その事件を担当したのは、当時LVPDに赴任したばかりのジム・ブラスだった。


書誌情報

Binding Ties

  • 著者:Max Allan Collins
  • 発行:2005-03-29
  • ISBN:978-0743496636

CSI:科学捜査班 鮮血の絆

  • 著者:マックス・アラン・コリンズ
  • 翻訳:鎌田三平
  • 発行:2009-06-25(角川文庫)
  • ISBN:978-4042826132

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内容・感想

出だしは良かった。自宅で首を絞められて殺害された男、指が1本切断され、首にはロープ、唇には派手な赤い口紅――。連続猟奇殺人!ブラス警部の因縁の対決!10年ぶりの復活! と、人が死んでいるのになんだが、ワクワクさせられた。

でも中盤はちょっと中だるみ。殺人事件が連続して2件起きているわりに、ストーリー(捜査)はあまり進まないし、昔の容疑者を一人一人訪ねるところも、何だか冗長に感じた。MACの小説だけあって、キャサリンの出番は多いんだけど。

しかし、この事件がどうやら模倣犯の仕業とわかり、容疑者として記者の存在が浮かんだあたりから面白くなった。連続殺人事件で容疑者が浮かぶと、それは大抵次の被害者なんだな。それはお約束どおりなんだが、3件目にして本物の登場。この事件だけは、前の2件と異なり、10年前の事件と同一犯と思われる証拠があった。そんなこんなで話が進み、後半は面白かった。

終盤の展開も良い。この小説の持つ「犯人の側のドラマ」に引き込まれた。彼がなぜ、何人もの人を殺さねばならなかったのか。彼が「本当に」殺していたのは誰だったのか。ブラス警部が犯人と同じレベルの目線で対峙することで、犯人のドラマが語られた点が良かったと思う。この作品をベストと評しているファンが多い理由がわかった気がした(でも実を言うと半分くらいまでは「何でこれがベスト?」と思いながら読んでいた)。

ブラス警部の存在感が光る話だったと思う。ただ、前半部でその存在感があまり感じられなかったのが惜しい。それから後半部では、グリッソム主任が珍しく犯人と格闘するシーンも必見。

時期的には、シーズン5くらいかな。グレッグがCSI見習いみたいになっているので。

Yoko (yoko221b) 2006-06-22

csi/novels/06_binding_ties.txt · Last modified: 2024-02-18 by Yoko