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Nevada Rose
小説版CSI第10弾、今回の著者は初登場のジェローム・プライスラー。キャサリンとウォリックは、通称「ネバダ・ローズ」と呼ばれる有名な美女ローズ・デミルが自宅で殺害された事件を担当。グリッソム、サラ、グレッグは湖で発見された腐乱死体の事件を担当し、捜査を進めるうちにまったく別の「ネバダ・ローズ」へとたどり着いていく。
書誌情報
Nevada Rose
内容・感想
時期的には……うーん、いつのシーズンなんだろう? キャサリンはスイング・シフトの主任でグリッソムの深夜番とは別のチームとして行動。ウォリックは離婚。グリッソムとサラはもうお付き合いしているようだが、サラはまだチームにいる。ということで、TVのドラマ本編とは時間軸が違っているようだ。
その点については、amazon.comの読者レビューでも突っ込まれていて、著者本人が「時間軸についてはMax Allan Collinsの設定を継承することにこだわらない、ということで出版社と合意した」とコメントしているのだけど……皆が言ってるのは、TVシリーズの時間軸と明らかに矛盾する(チーム分割とウォリックの結婚問題)ことだと思う。それに、最初の方でニックがグレッグと一緒に作業してるし(中盤ではウォリックもグリッソムのヘルプにかり出されていた。主任、他シフトの人材使いまくり?)。
小説版の作家さんって、TVシリーズをしっかり見て設定を頭に入れているというわけではないのかもしれない(「マイアミの大ファン」を自認するドン・コルテスは別として)。
でもまぁ、それはそれとして事件の方は、花形野球選手、スポーツグルーピー、高級クラブというゴージャスな「ラスベガス!」的事件と、湖の底で遺体が発見され、それが輝石の採掘につながっていく「ネバダ州の大自然」的事件の2本立て。「ネバダ・ローズ」と綽名された美女のローズ・デミルと、奇しくも同じ名前をつけられたバラ色の鉱石「ネバダ・ローズ」の事件。同じ名前を対称軸にして、ネバダ州の持つまったく異なる側面が描かれ、それがそのままキャサリンとグリッソムのキャラクターに重なっているところも面白い。
MAC版ではあまり活躍の場がなかったサラの出番が多いことも注目点ではないだろうか。サラが海外の靴メーカーに電話で問い合わせて、話が噛み合わないことにブチ切れぎみになる場面は、映像が浮かんできて面白かった。
残念な点は、ニックの出番が少なかった(というか、ほとんどなかった?)ところ。また、関係者のひとりが以前NY在住だったことがわかり、キャサリンがNYPDに問い合わせる場面があるのだが、マック組が(名前さえも)出てこなかったところ。ここは当然――と期待したんだけどなぁ。
— Yoko (yoko221b) 2009-11-09