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CSI - Season 2, Episode 9
#32 And Then There Were None?
- 邦題:「裏切りの逃亡者」
- 脚本:Eli Talbert, Carol Mendelsohn
- 原案:Josh Berman
- 監督:John Patterson
- 初回放映:2001-11-22
Dressed as a woman. Among men dressed as women. Now, see? That's a disguise.
事件概要
カジノ強盗事件/コンビニ強盗事件
グリッソム、ニック、ウォリック、ブラス警部は、カジノの事件を担当。カジノに女性三人組の拳銃強盗が押し入り、拳銃を乱射して金を強奪して逃亡。犯人グループのうち一名は射殺されたが、それは女装した男だった。男を殺害した弾丸(ホローポイント弾)と位置から判断して、撃ったのは警備員ではなく犯人の一人とわかる。映像を分析すると、犯人グループは女装した男二人と本物の女性一人だった。ニックは駐車場で犯人の車から漏れたトランスミッションオイルを発見。その車には間違ったオイルが入れられていた。その影響で、車はエンジンがオーバーヒートしているはず。ウォリックとブラス警部は死んだ犯人、アダム・ブラウアーのアパートから彼の衣服を持ち帰る。
一方、キャサリンとサラは、郊外のカルネヴァリという小さな街で、コンビニ店員が店の中で殺されて金を奪われた事件を担当。現場にはジャガイモの欠片が飛び散っていた。犯人は拳銃の先にジャガイモを刺して、サイレンサーの代わりにしたのだ。カウンターに残っていた足跡は、女性用の靴だった。そして発見された指紋の持ち主は、タミー・フェルトン(シーズン1「心の闇 多重人格」を参照)とわかる。
カジノの事件の弾丸には、ジャガイモの欠片が付着していた。そこからコンビニ事件との関わりが浮上。コンビニに押し入ったのはタミー・フェルトンと恋人のダリン・ハンソンで、その二人がカジノ強盗団の残り二人だった。
犯人の物と思われる車が見つかるが、トランクの中にはタミー・フェルトンの遺体があった。首に残る上皮から、殺したのはダリンとわかる。車からは、アダムの服についていた物と同じシリカ(珪石)の粉末が発見される。カルネヴァリに近い、廃鉱になったシリカ鉱山へ向かったグリッソムらは、小屋の中でダリンの遺体を発見。
容疑者が全員死亡して捜査は行き詰ったかに思われたが、先月ラフリンで同じ手口で行われた強盗事件では、犯人は四人だったことがわかる。監視カメラの映像を注意深く観察すると、元締めのダンカンが、タミーが銃を抜く前に伏せていた。ダンカンは三週間前に雇われ、その前にいたのはラフリン。ダンカンの車にはシリカの粉末が付いていた。ダンカンは鉱山に行ったことは認めたが、ダリンはすでに死んでいたと言う。ラフリンでの事件の映像を調べ、四人目の映像から変装する前の素顔を復元してみると、それはコンビニで殺害された店員だった。
ダリンの額から取り出した弾丸から、撃った銃がHeckler & Koch USPというもので、州内では18個しか登録されていないことがわかる。そのリストの中に、最初のコンビニ強盗事件で会った州警察の警官の名があった。警官はダリンとタミーがコンビニ店員を殺した所に来合わせ、見逃す代わりに分け前を受け取ることで合意し、そしてダリンを殺害したのだった。
感想
原タイトルの “And Then There Were None” は、アガサ・クリスティの有名な小説と同じ。日本語タイトルも「そして誰もいなくなった」にしてほしかったな~。現場でアダム、廃棄された車の中でタミー、そしてシリカ鉱山でダリンと、手がかりを追って要所要所へ行くたびに犯人の死体が発見される。最後に行き着いたダスティンは、いちばん最初にコンビニで死んでいる、という循環構図。最初から登場していた真犯人。店のサインに指紋が残っていたという、視聴者へのヒントもちゃんと入っているし、とてもミステリらしいストーリーだと思う。
ミステリらしいといえば、冒頭に引用したグリッソムの台詞「女の服を着た男の中に、女の服を着た女――これこそが変装だ」もそうかな。「素顔こそが最高の変装」という常套句もあるくらいだから。
シーズン1のタミーの話は印象的だったので、再登場は嬉しかった。でもキャサリンとの対決がなかったのが、少々残念だったかな……本当に多重人格だったのか、それとも演技でキャサリンをだまそうとしたのか。意図的にグリッソムでなく女性のキャサリンを選んだのなら、かなりしたたかな演技者かも。メリッサの両親が「安心していたようだった」というのが悲しい。