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CSI - Season 4, Episode 2
#71 All For Our Country
- 邦題:「狂気の仕置人」
- 脚本:Andrew Lipsitz, Carol Mendelsohn
- 監督:Richard Lewis
- 初回放映:2003-10-02
I guess he'd just figured he'd take a shortcut. You've thought about it.
事件概要
カップル連続殺害事件(続き)
クラインフェルド邸には、最初の殺害現場であるホテルの部屋から持ち去られたタオルなどがあり、この二人が連続殺人の犯人であることは、まず間違いないと思われた。被疑者死亡のため、詳しい状況や動機は不明のまま。
クラインフェルド夫妻殺害事件
クラインフェルド夫妻の殺害現場。外では覆面の警官が二人で見張っていたが、ちょうど犯行時刻の頃に緊急の通報を聞いて持ち場を離れていた。結局誤報とわかり数分後に戻って来たが、犯行にはまったく気づかなかったという。通報は携帯電話からで、その電話は近くに捨てられていた。隣家の少年は、見張りの覆面警官が車で去った後、制服警官が現れて中に入り、そのまま出て来なかったと言う。電話の持ち主は公選弁護人をしている女性で、事件当時は仕事で出張していた。
夫は胸、妻は背中をそれぞれ1発ずつ撃たれていた。まず夫が撃たれ、妻は逃げようとしたところを背中から撃たれたのだ。傷口には透明な何かの欠片があり、同じような破片が現場にいくつも落ちていた。調べてみるとその物質はポリエチレンで、コーンシロップが検出された。犯人はコーラのペットボトルをサイレンサーがわりに使ったのだ。グレッグは現場の周辺でペットボトルを探し回る。拳銃は警察官が携帯する種類のものだが、見張っていた警官の物とは一致しなかった。ニックは犯人の足跡に何かの跡がついていることに気づく。
グリッソムとブラスは警官が関与している可能性をめぐり口論。その途中で、グレッグが警官の制服を見せる。ペットボトルを探している途中、排水溝で発見したのだ。古いタイプの制服だが、バッジは本物だった。制服警官のフロマンスキーが数年前に紛失し、報告書を出していた。偽の通報では警察で使用する符丁が使われていたが、音声はフラマンスキーのものではなく、制服から採取したDNAも別人のものだった。
ニックは足跡の分析結果を組み合わせて、“ALL FOR OUR COUNTRY” の文字列の一部を復元する。それはネヴァダ州のマークで、裁判所の前にあるマンホールの蓋に彫り込まれていた。グリッソムとブラスは、クラインフェルド家の捜索令状を出さなかったスレーター判事に令状を見せ、執行官や書記官など、オフィスにいる全員の靴を調べる。書記官の靴には、同じマークの跡がついていた。彼は喫煙者であり、マンホールの蓋に煙草を落として靴で消した時に、靴底のゴムが熱で溶けて文字の跡が付いたのだ。書記官ガードナーは元警官。州で最もリベラルと言われる判事の決定に不満を抱き殺害したのだ。
バスタブ茹で死体事件
キャサリン、サラ、オライリー刑事担当。学生たちが共同生活をしていた家で、遺体がバスタブの中で発見される。風呂場は2階にあり、湯が出しっぱなしになっていたため、遺体は「茹った」状態になり、証拠もお湯(および人体スープ)とともに流失している可能性が高かった。二人は警官とともに遺体を窓から搬出して、バスタブに残るドロドロの液体をバケツで回収。
身元は、歯形からダニエル・オヘナシーと判明。後頭部をぶつけるか殴られるかした後、本人も気づかないうちに硬膜下出血を起こし、少しずつ出血したあげく12~24時間後に突然死亡したものと思われた。ダニエルは熱狂的なフットボールファンで、試合の日はいつも騒がしく、スポーツ観戦できるバーの常連だった。前回の試合の時は、相手チームのファンを馬鹿にして、サクランボを入れた「シャーリーテンプル」をおごったためにケンカになった。
ケンカの相手ウェインは、ダニエルは元気で帰って行ったと主張するが、キャサリンはウェインの指輪に気づく。サメをデザインしたカレッジリングで、形が妙に歪んでいたのだ。指輪を調べ、ウェインがダニエルを殴ったことが裏付けられた。
感想
珍しく主任が見込み違い。CSIと制服警官の対立って、シーズン1の前半「犯罪の真実」の頃にはあったけど、何だか思い出したような登場の仕方だなと思った。1の時には「拳銃を抜いたこともないくせに」と言われて「それを誇りに思っている」と言い返していた主任だけど、今回はラストで拳銃の練習。そりゃ、冒頭でブラス警部に頼っておいて大きな顔はできないわな……。でも、何でそんなに上手いの?
犯人像をめぐって主任と警部の意見が対立するが、これは二人の直感のぶつかり合いのように思えた。直感というのはあてずっぽうという意味ではなくて、経験や知識による結論へのバイパスという意味で。内部情報を持っていたことや見張りの警官を遠ざけた手際のよさから、主任は警官が関与しているという仮説に大きく傾いた。警部は警部の経験から、警官ではないと判断した。結果、警官ではないが元警官で内部情報にアクセスできる犯人だったわけで、二人の仮説は半分ずつ当たっていたということになる。
だが、これで前回の連続殺人事件の詳細(動機とか犯人像)は描けなくなってしまったわけで、そこがちょっと物足りない気がした。
キャサリンとサラの事件は……何だ、CSIのシリーズでは最初の4話以内に必ずグロを出す決まりになったのか? シーズン2では4話で液状化腐乱死体、シーズン3では3話で内臓、そして今回これ。でも最初の映像こそショッキングだったけど、何というか典型的な「Bプロット」事件のような感じで……映像に比してストーリーが地味すぎる気がした。もうちょっとドラマ性がほしかったかな。
学生が家を借りて共同生活をしている、という話でキャサリンが「私たちもやってみる?ウォリックとニックと主任と……」と言いかけるのだが、サラは主任を却下。えー、どうして? 食事には誘っても一緒に住むのはダメ? 虫とか持ち込むから? まだ恋愛未満というか、現実的なことを考えたくない段階なのかも。サラの気持ちの動きも気になるところ。