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csi:s04:089_dead_ringer

CSI - Season 4, Episode 20

#89 Dead Ringer

  • 邦題:「警官たちの饗宴」
  • 脚本:Elizabeth Devine
  • 監督:Ken Fink
  • 初回放映:2004-04-29

- Sooner or later, everybody gets replaced.
- Talk to me when it happens to you.

事件概要

ティム・コールマン殺害事件

ラスベガスでは、各州から集まった警官たちのチームによる砂漠駅伝が行われていた。ベガスのCSIチームからもサラ、ニック、ウォリックたちが出場して走る。だがキャサリンに伴走しているグリッソムが途中で不審なランプに気づいてコースをはずれる。行ってみると、そこにはロサンゼルスの特殊部隊(SES)に所属する警官の遺体があった。CSIは駅伝を中断して捜査に入る。駅伝のためベガスに滞在中の警官は20,000人。そして駅伝のコースは一般市民立ち入り禁止になっていた。

被害者はパトロールから転属したばかりのティム・コールマン。カードも現金も持っていなかったが、ポケットにはATMのレシート。頭に傷があったが深い傷ではなく、転倒してぶつけただけかもしれなかった。死因は脱水。利尿作用のあるフロセミドが検出されたが、危険なほどではない。ただ、視界がぼやけたりめまいを起こす可能性があった。ティムが飲んだ水のボトルからは、フロセミドが検出される。

選手の変死はあったが駅伝は続けられ、SESとSWATが最後まで競り合った後、SWATチームが初優勝。グリッソムは、SWATチームの選手が、現場で見つけた繊維片と同じ色のユニフォームを着ていることに気づく。SWATチームの選手は、試合前に被害者と口論して組み伏せたと言う。

ティムの筋肉の細胞には水分が過剰なほどあったが、身体は脱水状態。彼は筋肉増強のためにクレアチンを使用していた。クレアチンは血液から筋肉へカリウムを運び、その過程で身体を脱水させる。そこにフロセミドが加わって、電解質のバランスがくずれ、不整脈を引き起こしたのだ。だが、水に入っていただけのフロセミドでは、そのような症状にはならない。

ティムの水のボトルには、水を飲んだときに逆流したプロテインバーの欠片が入っていた。その包み紙にはナイフで切り込みを入れた形跡がある。何者かがナイフで穴を開けてフロセミドを仕込んだのだ。そこから検出された指紋は、ティムの上司メンデスのものだった。メンデスのポケットナイフには、プロテインバーが付着していた。

グリッソムはメンデスにオフレコで動機を訊ねる。メンデスはティムを殺すつもりではなかった。メンデスは8年間、毎回16区を走り勝って来た。自分の方がティムより優れていることを示したくて、体調が悪くなるよう仕向けただけだという。クレアチンを服用していたため死に至ってしまったのだ。

ATM偽造カード事件

ニック担当。コールマンの事件での捜査だったが、調べていくうちに別の事件と判明した。

コールマンのポケットにATMのレシートがあったことから、カードの利用履歴を調べると、その日の午前4時6分に300ドルを引き出した記録があった。それは被害者が死亡してから約9時間後。グレッグはその時間の監視ビデオを入手する。だが、映っていた男クライド・グライムズは自分の金を引き出しただけだと主張。ATMを使ったのも午前3時過ぎで、それは銀行の記録とも一致した。

ATMは銀行の全国ネットワークに接続されているが、ビデオは支店の管理で、夏時間の設定が合っていなかったのだ。改めて1時間後の映像を確認すると、帽子で顔を隠した男が何度もATMを使っていた。銀行の記録を見ると、その時刻には1~2分おきにティム・コールマンをはじめ、多数のアカウントから300ドルずつ引き出されていた。口座を調べると、どの口座の記録も、シルヴァーラインのATMから預金を下ろした後に続けて、ホリフィールドのATMから300ドルが引き出されていることがわかる。

シルヴァーラインのATMへ行って機器を調べると、カードを入れる箇所に細工が仕掛けられていた。ニックが調べていると、突然近くで車が急発進して事故を起こす。駆けつけてみると、車内には大量の偽造カードとモニタがあった。男はATMに盗撮カメラを仕掛けていたのだ。その男が金を盗んだのは警官のカードばかりだった。駐車違反の切符を切られて警官を恨んでいたらしい……。

マニー・センテノ&パトリシア・フィールディング殺害事件

ウォリック、サラ、ヴァルタン刑事担当。ホテルで制服警官の男女2名の遺体が発見された。女性はベイカーズフィールドの警官パトリシア・フィールディング、男性はラフリン警察のマニー・センテノ。部屋はマニーが借りて、キーも1つしか渡されていなかったが、ルームサービスで2人ぶんの食事を何度も頼んでいた。女性は手に警察用拳銃(グロック)を握っていた。銃弾は2発。銃にはガンオイルのしみこんだティッシュペーパーがはさまっていたため、何者かが撃った後指紋を拭き、彼女の手に握らせた可能性があった。

マニーの指紋は部屋中に残っていたが、パトリシアの指紋はドアノブと凶器だけで、彼女には性交渉の形跡もなかった。指紋から部屋にはもう一人、ベイカーズフィールドの別の女性警官、リディア・ロペスがいたことがわかる。リディアはホテルの隣の部屋に宿泊しており、マニーの部屋とは中の扉でつながっていた。彼女の部屋へ行ってみると、部屋中に荷物がぶちまけられ、めちゃくちゃに荒らされていた。部屋の中には男性の結婚指輪もあったが、マニーのものではない。マニーは自分の指輪を着けていた。

そんな時、リディアが連絡をうけて警察に現れる。リディアも既婚だが、マニーとは年に一度、砂漠駅伝の時だけともに過ごしていたという。パトリシアはリディアの親友だった。部屋を荒らしたのは、リディアの浮気に気づいた夫のアーチーだった。調べてみると、アーチーはストリップ劇場で泥酔して暴れたため、留置場に入れられていた。

アーチーは部屋で暴れた後バーへ行った。部屋にあった荷物タグからマニーの電話番号を知り、その妻に電話をかけて話をした。センテノ夫人はその話を聞き、ベガスのホテルへ行って、そこにいた女性とマニーを殺害したのだ。ただそこにいたのは浮気相手ではなく、アーチーをバーで見かけたパトリシアが「リディアの夫がいた」と報せに来ていたのだった。センテノ夫人のバッグの内側からは、パトリシアの血が検出される。拳銃を拭いたティッシュから移ったものだ。


感想

警官が2万人もベガスに集まってるってすごいな。でもメインは駅伝大会よりも、それにかこつけたお祭り騒ぎって気がする。警官だって人間だから、管轄区域の外では羽を伸ばしたいんだろうな。でも、カジノで遊んでちょっと羽目をはずすくらいならばともかく、殺人だの不倫だのでは、警官を調べる警官も大変だよ。

残された謎。ティムは結局駅伝に出場したのか。出場したのなら伴走車は何をしていたのか、次の17区の選手はいつ走り始めたのか。日本の駅伝だと、制限時間をすぎたら次の選手が走り出すことになっているが、それで優勝争いは無理だろう。試合前に体調を悪くして他の選手が走ったのかな?(にしても、誰にも気づかれず死んでしまうなんて)また、16区を走ることが栄誉というのは、難所が多く実力が必要とされるコースということなのだろうか。ということなら、なぜベガスのCSIチームではキャサリンが走っていたのか。……もしかして、盛り上がっていたのはSWATとかSESとかの体育会系チームだけで、あとの連中は単なる余興としか思ってない?


単語帳

  • furosemide:強力な利尿薬
  • tin:ブリキ、警官のバッジ
  • ringer:競技の不正参加者、替え玉、代役
  • take the edge of:刃をなまらせる、気持ちなどを抑える

Yoko (yoko221b) 2006-04-30

csi/s04/089_dead_ringer.txt · Last modified: 2020-03-28 by Yoko