User Tools

Site Tools


csi:s04:090_turn_of_the_screws

CSI - Season 4, Episode 21

#90 Turn Of The Screws

  • 邦題:「残酷なスリル」
  • 脚本:Josh Berman
  • 監督:Deran Sarafian
  • 初回放映:2004-05-06

Albert… dead men don't ride roller coasters.

事件概要

ジェットコースター転落/ジム・ネヴィン殺害事件

グリッソム、ニック、サラ、グレッグ、ブラス警部担当。遊園地のジェットコースターがコースをはずれて転落、駐車場の車に激突して乗客が死亡した。クラーク郡でコースターが墜落したのは初めてのこと。現場にはコースターの車輪のねじが落ちていたが、ねじが1本ゆるんだからといって転落はしない。だが8本すべてがゆるんでいれば別だ。ねじの先端は磨耗していたが、それだけで自然にはずれるとは考えられない。さらに調べると、パイプレンチのような工具痕があった。

そのコースターにはデジカメが設置してあり、自動的に撮影されるようになっていた。コースターに乗っていた乗客は5人だが、現場で発見された遺体は6人。6人目の被害者は従業員のジム・ネヴィンで、他の被害者より約16時間早く死亡していた。

コースターのプラットフォームの下に入ると、ねじの細工は簡単にできそうだった。そこには潤滑剤のような物質があり、コースターの座席には精液の跡があった。

コースターが直撃した車の持ち主は、ジム・ネヴィン。その車のトランクには、血の付いたパイプレンチがあった。カーペットが赤いためわかりにくかったが、トランクの中には大量の血液がたまっていた。また、ジムの衣服にも大量の赤い繊維が付着していた。パイプレンチは、はずれたねじの細工の跡と一致。何者かがコースターのねじに細工をし、同じパイプレンチでジムを殺害したのだ。

ジムは閉園後に時々ガールフレンドをコースターに乗せて遊んでいたことがあった。昨年の冬に予算がカットされてから、セキュリティが甘くなっていたのだ。経路に設置されたカメラは、コースターと連動しているため、夜中のジムのデートも撮影されていた。デートの相手は、その遊園地でアルバイトをしている少女で、「クレオパトラ」と呼ばれていた。本名リサ・ハント。リサに話を聞くと、事件の夜はコースターを降りてから近くの自宅へ歩いて帰った、付近に誰かいたかは気づかなかったという。

コースターのレールに付着していた謎の物質はドクサピン軟膏、つまり植物にかぶれた時に使う薬品。ねじをゆるめた何者かの手から移った可能性があった。この薬品は2年前に認可されたばかりで、あまり広く使用されていない。遊園地の従業員で処方されたのは、クレオパトラことリサだった。だが草にかぶれたのは腕ではなく足で、野外で数学の家庭教師と勉強している時のことだったという。家庭教師はザック・ローレンス。ザックもかぶれたので、軟膏を少し分けたという。ザックもその遊園地でバイトをしていた。

ザックはリサに思いを寄せていた。リサとジムの噂を聞いて問いただしたが、リサは否定した。それでザックはねじをゆるめたのだ。リサが嘘をついていないなら、彼女はコースターには乗らないから、傷つくこともない。だが、彼女は嘘をついた。コースターが無事に戻って来たので、ザックはジムを殴り殺し、車のトランクに入れて放置した。その後、ねじのことを忘れてしまい、大惨事になったのだった――。

テッサ・プレス殺害事件

キャサリン、ウォリック担当。13歳の少女テッサ・プレスの遺体が山で発見された。死斑から死後動かされていること、蛆虫の様子から24時間程度放置されていたものと思われた。前日は雨で、タイヤや靴の跡は消えてしまっていた。テッサは、夜に働いているウェイトレスの母レイナと二人暮し。時々黙って友達の家に泊まりに行くことがあったため、捜索願は出していなかった。死因は、刃物で首の椎間を切られ、横隔膜が麻痺したための窒息死。傷の内部には土が入っていた。

テッサは事件の当日、バス停の近くで目撃されていた。監視カメラから目撃者を発見して話を聞くと、テッサはトラックに乗って帰ったという。

テッサの傷の中にあった「土」の正体は “ZooDoo” という、サイとシマウマとバイソンの糞を混ぜた肥料だった。鹿を寄せ付けないために野生動物の糞が混ぜられているのだ。それはニュージーランドの動物園から輸出されたもので、クラーク郡で輸入している造園業者は1箇所だけ。その業者は数ヶ月前に、プレス家で仕事をしていた。テッサの家へ行ってみると、ZooDooを積んだその業者のトラックが停まっており、家の中にはそこの従業員のジャスティンがいた。庭の芝生を植える仕事を頼んだことがきっかけで、レイナとジャスティンは交際を始めたという。

レイナは、テッサにはバスで通学するように言っていたが、ジャスティンは時々トラックでテッサを送り、アイスクリームを買ってやったりしていた。ジャスティンのトラックを調べると、積んであったシャベルに血液反応があった。血液はテッサ、だが指紋はレイナのものだった。レイナはテッサを「自分の男を取ろうとしたあばずれ」と呼び、嫉妬にかられて娘を殴り殺したことを認めた。


感想

母親が娘を殺害する、というとシーズン1の「悪魔に魅入られた女」があったけど、奇しくも同じ、遊園地の話だった(今回は別の事件だけど)。

それから主任とジェットコースターの取り合わせも、シーズン1以来じゃないだろうか。主任が気晴らしにジェットコースターに乗る話は、シーズン1に2回あった(「血しぶきの謎」と「血塗られた足跡」)。2回目はウォリックと一緒に。

さて事件はというと、コースターの乗客5名、前日に殺害された従業員1名で、死者6名というのは多分、「暴走バス24人の運命」に次ぐ数だろうと思う。クラーク郡でも類を見ない事故(事件だったが)ということで、グレッグまで現場に呼ばれて捜査していた。

今回の犯人は学校の成績は良くても犯罪は素人、というか恋敵を殴り殺した後にねじのことがすっかり頭から抜けてしまうような普通の子なので(殴った瞬間に自分の頭のねじも飛んだのかな)、当然証拠もそのまま。足がつくのも時間の問題かな、という感じ。ニックが黙々とレンチを調べるシーンのBGMが良かった。

そして! 主任の “Ah, the lovely Cleopatra.” の台詞。このアクセントが素晴らしい! 何てエレガントな。

一方キャサリンの事件は、もう何と言ったらいいのか……。娘はまだ13歳でしょう。13歳でも成長の早い子はけっこう大人っぽかったりするけど、テッサの外見は幼い方だと思うし、母親はなぜあんなことを考えたのだろう。彼氏は何より大切なの、と言いつつ彼に罪を着せるようなこともちょっとほのめかしているし、本当にわからない。

最後に登場する女性弁護士は、マーガレット・フィンという名前でシーズン1の頃から何度か登場していた。担当しているのは、あまり裕福でなさそうな人ばかりなので、おそらく公選弁護人だと思うのだが、仕事熱心なあまり捜査官にくってかかることもしばしばあったと思う。その彼女が、最後にレイナを見た時の顔はとても真剣、というか睨みつけるようだった。この人が依頼人に対してこんな表情をしたのって初めてじゃないだろうか。


単語帳

  • instar:齢(虫の脱皮と脱皮の中間段階)
  • Chicken Little:別名“Chicken-licken”、英国の童話。頭の上に木の実が落ちてきたのを「空が落ちてきた」と思いこんだチキンリキンの話。
  • Spanish fly:ゲンセイ(欧州南部に生息する甲虫)。粉末が媚薬として使用される。
  • slut:ふしだらな女、売春婦

Yoko (yoko221b) 2006-05-06

csi/s04/090_turn_of_the_screws.txt · Last modified: 2020-03-28 by Yoko