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CSI - Season 4, Episode 22
#91 No More Bets
- 日本語タイトル「潰れた手」
- 原案:Andrew Lipsitz, Dustin Abraham
- 脚本:Naren Shankar, Carol Mendelsohn, Judy McCreary
- 監督:Richard J. Lewis
- 初回放映:2004-05-13
Just because you can't see something doesn't mean it's not there.
事件概要
テディ・ケラー/デイヴィス・マリンズ殺害事件
途中で捜査をはずれるキャサリンを除き、全員で担当。ネオンの廃棄場で、カツラとファットスーツ(肉布団)で変装した若者が、後頭部を2発撃たれて殺害された。所持金は少なかったが、ロレックスの腕時計は着けたまま。身分証の名は「アーニー・メンロー」だったが偽名。薬きょうが落ちていないことから、犯人はプロだという可能性があった。所持品の中にはランパート・カジノで43万ドル以上勝ったレシートがあった。それが動機である可能性が浮上し、キャサリンは捜査からはずされる。ランパート・カジノを経営するのが、キャサリンの実父サム・ブローンであるためだ。
サム・ブローンは、被害者はイカサマをしていたので、別室で話し合ったが殺していないと主張。その「別室」は清掃した後だった。
被害者は下唇が腫れ上がり、死亡する1時間ほど前に殴られたことがわかる。凶器の銃は22口径。頭蓋骨を砕くが貫通するほどの力はなく、被害者の体内で跳ね返ってダメージを与えるため、昔からヒットマンが好んで使う銃と言われていた。また、両手の掌と指の骨は死亡する直前に鈍器で砕かれていた。ウォリックは丸頭ハンマーを使ったのだろうと推測。カジノでイカサマをした時に手をハンマーでつぶすというのは、昔ながらの制裁方法だった。また、靴底には小型のワイヤレス受信機が取り付けられていた。
ロレックスは本物だったため、シリアル番号から被害者の身元がわかる。テディ・ケラーという学生で、ジョゼフ・グリーンという男が経営するアパートに住み、デイヴィス・マリンズという学生と同居していた。行ってみると、部屋の中にはルーレット、その攻略法を研究した形跡、変装道具があった。寝室では、ルームメイトのデイヴィスが同じように後頭部を2発撃たれて死亡していた。遺体の襟に血の跡、肩に白い塗料。また、靴底の形をした何かの機器もあった。アパートの地下室へ続く階段には、最初の現場にあった物と同じガラスの欠片があった。
その頃キャサリンは、仕事をはずされたためデート中。その途中でサム・ブローンに会う。サムは「自分はあの若者たちを殺していない」と言う。被害者が複数いることをなぜ知っているのか、キャサリンは不審に思う。
テッドのイカサマ機器は、ルーレットの玉の動きを計算によって正確に予測するというものだった。ルーレット台はそれぞれ、傾きや揺れ方に微細な違いがある。送信機を持った方が計測を行い、コンピュータがそれを基に数ミリ秒で結果を予測して、受信機を持った側に伝えるという仕組みだった。送信機から採取した指紋は、電子工学を専攻する大学院生、セス・ランダースのものだった。IDを偽造した前科があったため指紋が登録されていたのだ。ブラス警部とニックはアパートの近くで偶然セスを発見、取り押さえる。
セスの言い分では、計算機でルーレットの動きを予測するのは、死んだ2人のアイデアだった。一晩の稼ぎは上限2~3万ドルまでにしてうまくいったが、2人が欲を出したため気づかれたのだという。パイク、タンジール、ランパートと、ブローンの経営するカジノを狙ったのは個人的な恨みではなく、これらのカジノが旧式のローテク機器を使っているため、機器への干渉が少ないからだという。セスはただ機器を作ること自体が目的だったので金は受け取っていないという。
セスはその日、彼らとともにランパートにいた。大勝したテディが別室に連れて行かれたことを知り、デイヴィスは逃げたが、その後彼は金を持って出て来た。安心したのも束の間、監視カメラの外へ出るとテディは再び連れて行かれてしまった。セスが彼らを見たのはそれが最後だった。
キャサリンの進言で令状を取り、サム・ブローンの車を調べると、タイヤにはネオンガラスの破片、座席には血液の跡があった。ブローンはテディを殺害した容疑で逮捕される。
ウォリックが調べた結果、セスの言葉とは異なり、旧式のカジノの方がノイズが多く干渉を受けやすいことがわかる。ブローンのカジノを狙った理由は他にあったはずだ。改めてセスの周辺を洗いなおすと、彼がテディとデイヴィスの大家であるグリーンの息子であることがわかる。グリーンの右手には、ハンマーで打たれたような傷跡があった。
セスのアパートのゴミ箱から、拳銃と血のついたシャツが発見される。銃弾から、犯行に使われた銃と判明。だが弾薬は2種類あった。テディを撃った弾は表面が銅のCCIで、デイヴィスの場合は真鍮を使ったレミントンだった。シリンダーの位置から、レミントンが先に発射されたことがわかる。シャツの血痕はデイヴィスのもの。内側からはセスの上皮細胞が検出される。
セスは、テディが2度目に連れて行かれた後、カジノの外で1時間待ったが来ないため、彼らの部屋へ行き、デイヴィスの遺体を発見。その時シャツに血がついた。セスはそのシャツを、父親に渡したという。セスは父親のようなギャンブラーにはなれなかったが、別の方法でサムに復讐することができた。セスはそれで父親が自分を認めてくれると期待していたのだった。
グリーンのアパートは念入りに清掃された後だったが、デイヴィスの遺体から検出されたものと同じ塗料で塗装された部屋があり、その部屋の戸棚には、カジノで得た金が入ったバックパックがあった。バックパックには、デイヴィスのシャツと一致する血痕もあった。グリーンはテディから「廃墟に連れて来られた」と助けを求める電話を受け、その直後にデイヴィスを殺害して金を奪い、車で最初の現場へ行ってテディを射殺し、手をハンマーで叩き潰したのだ。
事件解決後、キャサリンはサムがセスを雇ったことを知る。
感想
ストーリーはちょい複雑で、時系列がちょっと混乱したが、面白かった! やはり1話1事件だと、描写が綿密になっていいな。
時系列順に整理してみると。まず、テディがルーレットで大勝し、目をつけられて別室に連れて行かれる。それを見てデイヴィスは自分のアパートへ逃げ帰るが、セスはカジノの外で様子を見ていた。テディは無事に出てくるが、カジノを出たところで再び拉致。セスは彼らのアパートへ向かう。テディは車の中でボコられたうえ、廃棄場に置き去りにされ、グリーンに電話で助けを求める。グリーンはそれを聞いて、まずデイヴィスを射殺。その後廃棄場へ向かい、テディを射殺。その一方で、セスがアパートに到着し、デイヴィスの遺体を発見。セスは血のついたシャツを父親に預けて自分の寮へ帰る。後で父親がそれを、自分の寮のゴミ箱に捨てるとも知らず……。
事件も面白かったが、CSIのメンバーをめぐる人間模様もいろいろ。サム・ブローンは古めかしい「ベガス式」の印象を持っているが、その実けっこうドライな経営者だとわかる。セスを雇っただけじゃなく、側に置いて面倒をみている、というか手なづけているような雰囲気。セスは実の父親に裏切られたばかりだし、ここでサムに優しくされたらもう、何でも言うこと聞いちゃいそう……。や、やっぱり怖い人だ! サム。キャサリンとサムは今後、どうなっていくのだろう。
昇進の件は、ニックが推薦されるが、結局設備に予算が回されることになって、お流れ。自分が推薦されなかったと知ったサラの心境は……。ああもう、どうなるのよ! あと1話しかないのに~~! と、ちょっと苛ついてしまう。サラを推薦したらしたで、いろいろ勘ぐられるだろうし、主任も辛い立場かもしれない。でも、ニックを推薦したこと自体は適切な判断だったと思うので、そこのところをもうちょっと説明したらいいのにと思う。「地獄の12人」を見る限り、決して stupid reason ではないのだから。