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CSI - Season 5, Episode 7
#99 Formalities
- 邦題:「狼少女」
- 脚本:Naren Shankar, Dustin Abraham
- 監督:Bill Eagles
- 初回放映:2004-11-11
- I was at a funeral across the street. \\- At a casino? My condolences.
事件概要
ニコール・ジェンセン
デイシフトの主任だったコンラッド・エクリーが局長補佐に昇進。その就任パーティの最中に事件が発生し、グリッソムは現場へ急行。本来はスイングシフトの時間だが、人員が出払っていたのだ。エクリーの部下ソフィア・カーティスも加わる。
現場はホテルのスイートルーム。そのホテルの下の階ではマッキンリー高校の学園祭が行われており、生徒のひとりジャネル・マクリンが仲間内のパーティのために、そのスイートを使っていたのだ。ジャネルはホテルのオーナー、チャーリー・マクリンの娘。
部屋の中では、女生徒ニコール・ジェンセンが倒れて死亡していた。床に吐瀉物、首に打撲の痕。手首にはテープで縛ったような粘着性の物質があり、左の頬には何かの丸い痕がついていた。ジャネルは行方不明。
ニコールの死因は、ドラッグで嘔吐した吐瀉物を吸い込んだことによる窒息。スイートのトイレには袋に入れたドラッグ(きのこ)があった。また、部屋のクッションには、顔の跡に一致する丸い飾りボタンがついていた。床に倒れた状態のニコールをクッションで押さえつけたため、窒息死してしまったのだ。
ニコールはなぜパニックを起こしたのか。それはジャネル・マクリンの誘拐事件が原因だった。
ジャネル・マクリン
ホテルのエレベーターに設置した監視カメラの映像から、仮面をつけた2人組みの男に連れ去られるジャネルの姿が発見される。
生徒に改めて話を聞くと、パーティ会場に突然仮面の男たちが現れ、生徒たちをテープで縛ってジャネルを連れ去ったという。その後彼らは自由になったが、ニコールはパニックを起こし、静かにさせようとクッションで押さえたために窒息死してしまった。
誘拐事件を通報しないよう指示したのは、ジャネルの父だった。ジャネルは父親の気を引くためによくこうした騒ぎを起こすので、今回もそうだと判断したのだ。ニコールの携帯電話の応答メッセージは身代金要求メッセージになっていたが、それでもマクリンは狂言だと言う。
ホテルのランドリー室では、犯人が着けていたものと同じ服と仮面が発見される。また、監視ビデオは、ジャネルが出て行く姿が映らないよう細工されていた。担当のブリストルは、ジャネルに頼まれて引き受けたという。エレベータに残っていた服の繊維と仮面のDNAから、犯人はジャネルの友だちの少年2人だったことがわかる。彼らの話によると、ジャネルは誘拐劇を演じた後、別のホテルの部屋にいたが、そこでボイスメールを聞いて興奮して出て行ったという。そのメッセージは、父親からの叱責だった。
誘拐は狂言と判断し、捜査を終了しようとしたところでジャネルの遺体発見の報が入る。車のトランクの中で縛られ、口にスカーフを入れられた状態で死亡していた。
チャーリー・マクリンは、ジャネルから「車のトランクに入れられた」と電話を受けていたが、それも狂言だと思っていた。本当に誘拐されたのなら、携帯電話を持たせておくはずがないからだ。
ジャネルの死因は窒息。精神安定剤を服用したため、スカーフを吐き出すことができず、自分でも気づかない間に窒息したものと思われた。ジャネルの腕を縛ったスカーフからも、口に入れられたスカーフからも、ジャネル以外の上皮細胞は検出されなかった。スカーフの結び目は、ジャネルが自分で自分を縛ったことを示していた。父親が助けに来てくれることを願って、自分でトランクに入って自分を縛り、そのまま窒息死してしまったのだ。遺体が発見されたのは空港の近く。ジャネルは幼い頃飛行機が好きで、チャーリーはジャネルを連れて行ったことがあったという。
感想
邦題はネタバレっぽいな~。元ネタは言うまでもなくイソップの「狼少年」で、「狼が来た(誘拐された)」と言い続けたために信用されなくなってしまった少年(ジャネル)の話だった、というわけだ。ジャネルは村人たちが武器を手に慌ててやって来るさまが面白くて嘘を言い続けたわけではなく、父親が助けに来て狼から自分を守ってくれることを望んでいたのだろう。嘘が成功して面白いからではなく、父親が来てくれないから何度も繰り返すのではないかと思った。父親は一度でも、真剣にジャネルを守った(あるいは叱った)ことがあったのだろうか。
それにしてもVIP用のスイートでのパーティ、ドラッグに乱交。ドラッグを売ってるのも生徒ですか。乱れている。ただ、罪状は大人並みでもやはりまだ子ども……という感じもあるけど。
この話では、久々にエクリーが登場ですよ。しかも、いつの間にか出世してるし。シーズン1では捜査が不十分だったことをグリッソムに指摘されたり、彼の部下が証拠を紛失したりと、間抜け担当みたいな役回りだったっけな。そういえば、あやうくニックを逮捕しかけたこともあった。それなのに出世とは……と思ったら、エクリーの「右腕」のソフィアが登場。最近のシーズンでエクリーのへまが見られず出世までできたのは、ソフィアの功績ではないかと思う。だってエクりんはアホだし(失礼)。
いきなり赤いドレスの裾を引きずっての現場検証は「おいおい」と思うのだが(床の証拠が、証拠が!)、主任のタキシード姿とあいまって強い印象を与える場面だった。ぶつぶつ独り言を言いながら証拠採取する所なんかも面白い。また主任がその手法を試してるし。口に出して「文章化」する、というのは考えを整理するうえで実際に効果的なような気がする。やってみようかな。