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CSI - Season 5, Episode 16
#108 Big Middle
- 邦題:「潰された誇り」
- 脚本:Naren Shankar, Judy McCreary
- 原案:Dustin Abraham
- 監督:Bill Eagles
- 初回放映:2005-02-24
Las Vegas – where even the beaver can strike it rich.
事件概要
ケルヴィン・ラッセル殺害/ルー・バーンズ殺害未遂事件
スイングシフト/ブラス警部担当。山中で顔を潰された遺体が発見される。死後約2週間で、近距離から撃たれていた。無線を聞きつけたグリッソムが虫を目当てに先回りしていた。グリッソムは写真と虫を採取して早々に引き上げ、キャサリンとニックが現場検証。被害者は銃で撃たれながら逃げ回っていたらしい。その追いかけっこが始まった場所を探すうちに、ビーバーのダムに100ドル札が何枚も使われていることに気づく。
遺体の指にはアメフトチームの指輪があった。指輪の番号から被害者はゲイブ・ミラーと思われたが、ゲイブ・ミラーは地方議員であり健在。その指輪は、かつてアルコールにおぼれていたミラー議員が質に入れたものだった。被害者を殺害した弾は、銃身を切り落としたショットガンから発射されていた。
現金は約25000ドル。5箇所の賭け屋の帯封と、賭けのチケットもあった。その賭け屋の位置は典型的なランナーの経路上にあった。また、指輪を買ったのはケルヴィン・ラッセルという男でVSL(Vegas Sports Line)というスポーツ賭博の予想をする会社で働いていた。そういう仕事をしている場合、自分で賭けに参加することは違法となる。
ケルヴィンはもう2週間も仕事に来ていなかった。ケルヴィンは普段から皆に嫌われており、失踪前も予想が大当たりしたことを自慢し、経営者のミッチ・アバーナを馬鹿にしていた。
現場にあったチケットを買ったのはランナーのルー・バーンズだった。そのゲームでは掛け金の流れが不自然で、ブックメーカーは大損をしたという。ウォリックは、ケルヴィンがバーンズを使って情報を流して大勝し、その結果殺害されたのではないかと疑う。ルー・バーンズを呼び出すと、彼は取調室で倒れた。足に散弾が入ったせいで敗血症を起こしていたのだ。
VSLの経営者ミッチ・アバーナの車が発見される。車は前の週に盗難届けが出されていた。トランクには、銃身を削った時に出るような金属の粉末が落ちていた。
シーザー・ダボという男が、ケルヴィンのチケットの両替に現れる。ダボは元ボクサーで、遺体発見現場の近くに住んでいた。ダボの試合記録を調べると、ミッチが審判をしてダボに有利な判定を出していたことがあった。ダボは、ケルヴィンが不正をしていることをミッチから聞かされ、ミッチの車で後をつけた。そしてケルヴィンがランナーと金を分け合っているところを目撃し、ミッチを馬鹿にされたことを怒って射殺したという。
モーリス・ハドソン殺害事件
グレイヴヤードシフト/ヴァルタン刑事担当。被害者モーリス・ハドソンは、ホテルの一室で、ベッドに寝たまま死んでいた。窒息死した形跡があり、部屋のテーブルにはひびが入っていた。遺体の隣には大きな汗のしみ。被害者の口には紫の繊維があったが、部屋の中に紫の布はなかった。エレベータの監視カメラの映像では、ハドソンは常に1人だった。
死因は、身体の上に何か大きな重い物が乗っていたための窒息死。その「何か」は現場に残っていなかった。その日、現場のタンジールホテルでは、太めの会のコンベンションが行われており、ハドソンもそれに参加していたが、本人は太っているわけではない。写真を見せて聞いてみると、ハドソンは確かに会合に来ていたという。その会場では、紫色の衣服が売られていた。
ハドソンは太目の女性が好きだったが、一緒に歩こうとはしなかったという。グリッソムは紫のランジェリーを購入した顧客のリストを入手。ブレンダ・モーガンとレジーナ・オーウェンズがハドソンと寝たことを認めた。ブレンダはハドソンに他の相手がいたことを知り、それでも彼の言うことを聞かざるを得ない自分に腹をたて、ハドソンが眠るのを待って枕を顔に押し付けて窒息させたと言う。
だが、ハドソンが死んだのは事故だった。ブレンダは糖尿病で、服薬していたためわずかな酒量でも泥酔する状態だった。彼女はハドソンの部屋で寝込んでしまい、知らないうちに窒息死させていた。本当のことを話してジョークの種にされるくらいなら、殺人犯になった方がましだと思い、嘘をついたのだ。
感想
もともとスポーツ観戦はあまりしないし、スポーツ賭博もやったことがないので、今回の話はわかりづらかった。
スポーツ賭博って単純に勝ち負けを賭けるだけじゃないのだ。賭け方には色々方式があるが、ここで話題になっているのは「ポイントスプレッド」という方式だと思う。試合にあらかじめハンデが付けられていて、そのハンデを超える点差をつけないと、試合に勝っても賭けには負け。逆に、試合に負けた方に賭けていた場合でも、ハンデより小さい点差での負けなら賭けには勝つことになる。そのハンデ(ライン)の値は、VSLのような予想会社を雇ってブックメーカーが独自に設定するのだが、一定ではなく刻一刻と変化する。今回の Duke 対 Louisville 戦は22点差で Duke が勝ったので
ライン | Duke に賭けた人 | Louisville に賭けた人 |
---|---|---|
21以下 | 勝ち | 負け |
22 | 引き分け、払い戻し | |
23以上 | 負け | 勝ち |
となるはず。で、実際に賭けがどう動いたかをウォリックとキャサリンの会話から再現してみると、
まず月曜日、VSLが「Duke -15」にラインを設定。その数値が出た途端に Duke に金が流れ出す。つまり、Duke が16点以上の差をつけて勝つ方に皆が賭ける。その流れでラインも動く。週の半ばには、他の客たちもプロの傾向をつかみ、ラインは「Duke -25」へ向けて動く。しかし週の後半になると、今度は逆に「Louisville +25」の方に大金が流れる。この場合、Louisville が負けても点差が24点以内なら、賭けには勝つ。被害者は火曜日に「Duke -17」に賭け、そして金曜には「Louisville +23」に賭けている。試合の結果は、22点差なので、両方で勝ち。
うーん、こうしてみると単にVSLの予想がダメダメだったように思えるのだが。ただ、それでブックメーカーが前代未聞の大損をしたというから、皆こぞって「勝ち」の方に賭けたのは、ウォリックが推測したようにケルヴィン・ラッセルがVSLの数値(情報)を売ったということなのかな。それでミッチ・アバーナはよけい面目丸つぶれになった、と――。
で結局、実行犯がダボなのはまず間違いないところだろうが、ミッチがダボに命じてやらせたのか、それともダボの単独犯行なのかはよくわからないんだなぁ。このへんは結局のところ、本人同士しかわからないわけだし、もうCSIの領域ではないのかもしれない。前半で登場した議員さんは、結局何も関係はなかったようだし、冒頭の虫グロも、主任が喜んだだけで終わってしまった感じ。ギャンブルに気を取られて、事件の方は散漫な印象しか残らなかった。
もうひとつの事件の方は……ベッドの汗じみと「重い物が乗っていた」というところで結果はほぼわかってしまい、その後の時間は「あぁやはりそうなのね……」と思いながら見ていた。ベガスの「変な大会シリーズ」の一環なのかもしれないが! 目の当たりにしてしまうとやはり……何というか……。ダイエットしよう……
あ、グレッグが人形を使った主任の実験の犠牲になるところは面白かった。でも、これもしばらく後のNYエピに同じような実験場面があるんだなぁ。前回の「王様の秘密」といい、何だかこういうのが続くなぁ。