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csi:s06:130_kiss-kiss_bye-bye

CSI - Season 6, Episode 13

#130 Kiss-Kiss, Bye-Bye

  • 邦題:「ラストショー」
  • 脚本:David Rambo
  • 監督:Danny Cannon
  • 初回放映:2006-01-26

THE BEST IS YET TO COME!

事件概要

ティム・デュークことヴィンセント・パローン殺害事件

往年のダンサー、ロイス・オニールの誕生パーティが自宅で開催され、ベガスの主だった名士たち――保安官代理やカジノ王サム・ブローンが招かれていた。だがそのパーティのさなか、ウェイターのティムがロイスの部屋で射殺され、ロイスが行方不明になるという事件が起きた。ティムはウェイターの給料にしては多すぎる現金(1000ドル)を所持し、麻薬を常用していた痕跡が見られた。

凶器の拳銃はきれいに拭われてティムの身体の上に置かれていた。これはマフィアの処刑に見られる特徴である。部屋には大きな扉のついた金庫があり、その扉に銃弾が跳ね返ったような跡があった。鍵を開けて中に入ると、中ではロイスが震えていた。ロイスの話では、飲み物を部屋に運んできたティムが何者かに撃たれ、自分も犯人に撃たれそうになり金庫室に逃げ込んだという。犯人の顔は見ていなかった。バルコニーの手すりには、ガンオイルの付着したハンカチが落ちていた。

サラとグレッグは床にめり込んだ弾丸を探す途中で、床下に大量の札束が隠されているのを発見。それはいずれも古い紙幣で、アイゼンハワー政権時代の物と思われた。ロイスはかつてギャングのトニー・コンスタンチンと恋人同士であり、最近出版した回想録の中では、65年に数百万ドルが強奪された事件にトニーが関与したらしいことをほのめかしていた。また、ティムは単なるウェイターではなく、本名をヴィンセント・パローンといい、暴力事件の前歴が何件もあった。トニーはすでに死亡したと思われていたが、実は生きているとしたら、本の記述が原因でロイスを標的にした可能性もある。

ティムを撃った銃弾は心臓に命中していた。彼は即死したはずであり、扉の陰からロイスが「ティムが這って動く」のを見たという供述とは矛盾する。また、もう1発の弾は頭部を撃っていたが、そこからは出血していない。つまり、最初の銃弾が致命傷となり、2発目の時は心臓が止まってから10分は経過していたはずである。事件当時ロイスが着ていたドレスはクローゼットから消えていたが、そのドレスに合わせたカナリーダイアモンドの指輪を調べると、宝石から発射残渣が検出された。

だが、ロイスのもとへ向かったグリッソムを出迎えたのは彼女の亡骸であった。ロイスはベッドに横たわり、心臓を撃たれて死亡していた。凶器らしき拳銃が身体の上に置かれ、目蓋の上には黒い汚れがあった。

グレッグはティム事件の銃と紙幣のデータをFBIに送っていた。その証拠はいずれも、65年の事件で使用されたものと判明する。

ロイスの目蓋の汚れには、最後に触れた者の指紋が残っていた。それは彼女と長年親しかったボビー・ジェンセンの物だった。ロイスの身体は腫瘍があり、余命はもう長くなかった。彼女は美しい姿のまま、劇的な死を遂げることを望んでティムを雇ったが、ティムが宝石を盗もうとしたため、ロイスは彼を射殺。その後、金庫の扉を撃ち、拳銃を拭ったハンカチを捨てて偽装して金庫に隠れたのだった。親しかったボビーではなく素人のティムを雇ったのは、友人を巻き込みたくなかったためだったが、結局ボビーが最後に協力することになった。ボビーは報酬を拒んだが、ロイスはボビーの妹に25万ドルを送金していた。


感想

おー何だかすっごくオサレで小粋な作品ではありませんか!

画面構成や音楽が、昔のハリウッド映画という感じで(ベガスだけど)、古き良き時代へのノスタルジー感にあふれていた。こういう演出は、前シーズンの「ホームズ最後の夜」以来かなと思う。事件解決からエンドテーマまでが、キャサリン、グリッソム、ロビンス、グレッグのイメージビデオみたいな映像になっているのもベガスでは珍しい。

そして、伝説のショーダンサー、ロイス・オニールに扮しているのが何と、フェイ・ダナウェイですよ!「俺たちに明日はない」のボニー・パーカー。ちょうどマイアミで「現代版ボニーとクライド」みたいな2人が登場するエピソード(シーズン4「影からの逃亡者」)を見たばかり。放映順としては、このエピソードが先で、その4日後に「影からの逃亡者」が放送されている。シリーズ間でネタかぶりがあると何だか損したような気持ちになることが多いが、こういうネタかぶりはむしろ逆に、一粒で二度美味しくて得した気分。

真相は意外なものではなかったけれど、良い意味で期待を裏切らない結末であったと思う。だって、ロイス以外の人がここで「場を支配する」わけにはいかないでしょう!とにかく堂々としていて存在感があって素晴らしかったと思う(もう絶賛しちゃう)。彼女があまりにも「ロイス」だったので、すっかり「故人を偲ぶ」気持ちになってしまったが、フェイ・ダナウェイご本人は当然ながらまだご存命で、余裕で現役なのよね……何だかそっちの(現実の)方に違和感を感じてしまうのは、どうしたものだろう。 (^^;

また、このエピソードにはサム・ブローンやキャサリンのママ、さらにシーズン5「狼少女」でドラッグを摂取して亡くなったニコールの父親、ボビー・ジェンセンが登場する。こんな風に再登場してくる人がいると、「事件が終われば番組から退場してそれっきり」ではなく、人々の暮らしは続いているんだなぁ……と、何だかちょっとしみじみしてしまう。シーズン6にもなると、番組の中の「ラスベガス」にもそれなりに厚みが出てくるということなのかな。ボビーも、ニコールがもし生きていたら、いくらロイスの頼みでも引き金を引かなかったのではないだろうか。

サム・ブローンは「CSI“12時間”の死闘」以来の登場。その間キャサリンとの関係はどうなっていたのか、想像だが多少なりとも「親子」らしい接し方をするようになったのかな? という感じ(身代金をねだっておいて後は知らんぷり、というわけにもいくまい)。リムジンの中ではキャサリンが口を尖らせてちょっと甘えるような表情を見せている。年齢を考えるとちょっとアレだが、まぁ親子2人きりの場だし、父親と知らず甘えられなかった時代を取り戻していると思えば……いい……の、かもしれない。

この “Kiss-Kiss, Bye-Bye” というタイトルは “Kiss-Kiss, Bang-Bang” のもじりだと思うのだけど、このタイトルの映画って3本もある(1966年イタリア、2001年英国、2005年米国)。いずれもコメディタッチのハードボイルド作品らしい。


単語帳

  • worm-food:死体

Yoko (yoko221b) 2007-04-11

csi/s06/130_kiss-kiss_bye-bye.txt · Last modified: 2024-02-18 by 127.0.0.1