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CSI - Season 7, Episode 5
#146 Double-Cross
- 邦題:「磔の女神」
- 脚本:Marlene Meyer
- 監督:Michael Slovis
- 初回放映:2006-10-19
事件概要
シャーロット・ダンヴィル
カトリック教会で、十字架に磔にされて天井から吊るされた女性の遺体が発見される。教会の信徒ではなく、神父のフランク・ベルリンも被害者を知っている様子を見せなかった。教会の外には被害者の車、物置からは犯行に使ったと思しき木材や大工道具が発見される。被害者を吊り上げた滑車の近くには、赤牛の毛が落ちていた。
被害者の死因は磔にされて呼吸困難に陥ったための窒息。首にはロザリオで首を絞めたような丸い玉の跡が残っていた。車の持ち主の供述から、被害者はクラブ歌手のシャーロット・ダンヴィルと判明。シャーロットの自宅には高校時代の写真が何枚も残されており、有名カーディーラーのコーディとシャーロット、そしてフランク神父の3人が実は親密な親友同士であったことがわかる。シャーロットのベッドには精液の跡。そして部屋には争った痕跡があり、首の跡に一致するロザリオが落ちていた。
精液の主は2人おり、うち1人はフランク神父と判明。追及された神父はシャーロットの殺害を認める。だがグリッソムは、シャーロットが妊娠10週間であったことから、神父犯行説に疑問を抱く。「復活の神学」を重視しているはずの神父の信念と、妊娠中の愛人を殺害することは、どうしても整合しないからだった。
捜査を継続した結果、シャーロットの車からはコーディの靴跡が発見され、さらに現場で発見された赤牛の毛も、コーディのベストのものと判明。
コーディは昔からシャーロットを愛していたが、シャーロットはフランクを愛し、フランクは信仰の道へ。その後コーディとシャーロットが恋人同士になったものの、シャーロットはフランクをあきらめきれない。フランクもまたシャーロットへの思いを秘めており、ついに1度だけ関係を持つ。そして神父の道を捨ててシャーロットと一緒になろうと決意していた。コーディはそれを知り、怒りのあまり彼女を殺害したのだった。胎児の父親はコーディだったが、彼は我が子をも殺害したことに気づいていなかった。
感想
グレッグが早くも仕事に復帰。顔のアザが痛々しくて、大丈夫なんだろうか……と思うものの、キャサリンによると仕事が最高のセラピーらしい。うーむ、そうか。キャサリン姐さんも色々あったもんねぇ……。サムのためにロウソクを灯す場面はとても良かった。でも事件解決後にした方が良くない? そこ犯罪現場ですよ。証拠を燃やしちゃうんじゃないかと心配でしょうがなかったわ。
壮麗な教会建築に、十字架にかけられた女性、天使のようなロングドレス(この絵のために被害者を歌手という設定にしたのだろうか?)という道具立てがもう、雰囲気満点。検死の場面でのBGM(フォーレの “In Paradisum”)もイメージにぴったりだった。
ファーザー・フランク役のTim Guineeは、このエピソードでCSI3種目を達成。マイアミでの出演はあまり印象に残っていないのだけど、NYに登場した売れない役者の彼(シーズン2「ゲームの代償」)は印象的だった。その時の役柄は、よくよく考えてみると自業自得であまり同情できないはずなのだけど、彼の顔を見ていると何だか共感してしまうのよね……。ぱっと見で「リーアム・ニーソン師匠を優男にした感じ」と思ったのだけど、クワイ=ガン・ジンよりジャン・ヴァルジャンの印象に近いかな。そんな彼なので、今回の神父役はもう、イメージぴったり。苦悩する雰囲気が素晴らしかったと思う。
「人間が神を作り出したのは、自分の過ちを非難する対象を求めたため」というサラの理論。私としては、自分の過ちよりも、自分ではどうにもできないこと(天災とか)の責任を求めるためと考えた方が、しっくり納得がいくかなと思った。これはアニミズム的発想?
— Yoko (yoko221b) 2008-09-18