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CSI - Season 7, Episode 9
#150 Living Legend
- 邦題:「レジェンド・オブ・ベガス」
- 脚本:Douglas Petrie
- 原案:Carol Mendelsohn, Douglas Petrie
- 監督:Martha Coolidge
- 初回放映:2006-11-23
事件概要
ミッキー・ダン
ミード湖で釣りをしていたフレディ・クルーガーが拳銃のオーナメントを釣り上げる。それは、かつてラスベガスに君臨していたマフィアの大物、ミッキー・ダンの車に取り付けられていた物として有名だったため、一躍大ニュースに。ミッキーは30年前、殺人事件で逮捕状が発行された直後に姿を消し、以来行方不明になったままだったのだ。湖底が捜索され、ミッキーが乗っていたキャデラックが引き上げられる。中からは白骨化した遺体が発見され、その額には銃弾らしき穴があった。
だが、フレディが釣り上げたオーナメントは車体に残る折れた跡とは不一致。それは偽のオーナメントで、本物は車の中から発見される。
ケン・ビリングス
車が発見された日の夜、カラオケ店でシナトラの「ザッツ・ライフ」を熱唱するマイケル・マイヤーズという男がいた。マイケルは観客のケン・ビリングスと意気投合して酒を酌み交わした後、ケンの車椅子を押して外へ出て行き、そのまま勢いを付けて車道に放り出して殺害。
当初は事故かと思われたが、グリッソムは車椅子のブレーキが緩められていたことから殺人を疑う。ケンのポケットにはミッキー・ダンと4人の若者が写っている昔の写真。ミッキーともう1人は顔に×印をつけられていた。監視ビデオの映像やビール瓶の指紋やDNAなどの証拠が採取されるが、いずれも実体のある人間に到達せず行き止まりになってしまう。
メイソン・カーター
メイソン・カーターは、とあるモーテルで年配の黒人女性から「荷物運びを手伝ってほしい」と頼まれて部屋に入るが、そこで首を絞められ殺される。メイソンの口の中にも古い写真が入れられていた。ケン・ビリングスの時と同じ写真だが、今回は×印が1つ増えている。
部屋を予約した女性の氏名はパメラ・ボーヒーズとなっていたが、支払いは現金で、こちらもやはり行き止まりとなる。
デレク・ポール
ケンとメイソンの事件で発見された写真は、ミッキー・ダンとその部下4名と判明。×印の2人は若い頃のケンとメイソンだった。残る2人はジョニー・ディアンジェロとデレク・ポール。
ジョニー・ディアンジェロがブラス警部に連絡し、ミッキー殺害の真相を語る。30年前、ろくに給料を支払わないミッキーに不満を持っていた4人は彼を追い詰め、デレクがミッキーを射殺。そして車を湖に沈めたという。デレクを連行してみるものの、デレクはミッキー殺害を否定し、拘束できるだけの材料もなく釈放される。だがその直後、デレクは射殺されてしまう。デレクの母親は、拳銃を持ったジョニーがデレクのポケットに写真を入れるところを目撃する。
ジョニー・ディアンジェロ
デレクの母親の供述を聞き、ブラスらはジョニーの経営するレストランへ向かうが、そこで見つかったのはジョニーの遺体。その左手には例の写真があった。検死の結果、死亡したのは2日前、ミッキーの車が発見されるより前のことであるとわかる。つまりブラス警部に連絡したのもデレクを撃ったのも別人ということになる。
* * * * *
グリッソムはフレディ、マイケル、パメラの写真で目・鼻・口の位置関係と間隔を測定し、3人が同一人物であることを突き止める。彼ら3人の名前はいずれも、ホラー映画の主人公の名前を組み合わせたものだ。さらに同じ人物がジョニー・ディアンジェロに変装してデレクを殺害したと思われた。
そうこうするうちにジョニーのクレジットカードが使われたことがわかり、ただちに緊急手配がなされ、使用した「ジョニー」が逮捕される。その「ジョニー」が変装を解くと、現れたのは死んだはずのミッキー・ダンその人だった。
30年前、ミッキーはデレクに撃たれたが途中で息を吹き返して脱出した。そこへ白バイ警官が現れたため、ミッキーはその警官を射殺し、衣服を取り替えて死体を車ごと湖に沈め、そのまま逃亡したのだった――ミッキーはそう告白し、その後心臓発作を起して倒れる。
その発作は、デレクに撃ち込まれた銃弾のせいだった。彼は余命いくばくもないことを知り、フレディのふりをして偽のオーナメントを釣り上げ、車が発見されるよう仕組んだ。そして、かつて自分を裏切った手下たちを次々に殺害していったのだった。そしてすべてを明らかにしたうえで死ぬことで、ベガスの伝説として名を残そうとしたのだった――だが、銃弾はすでに摘出され、ミッキーは伝説となる代わりに殺人犯として刑に服することになる。
感想
うーん、面白かった! 今シーズンは「退屈でしょうがない」というエピソードこそないものの、模型殺人を除いてどうも印象が薄いというか、CSIでなくても良いような展開のエピソードが多くて、何だかなーと思っていたのだった。でもこれは面白い。いや、これだってCSIでなくても良い話だし先が読める展開ではあったけれど、ミッキー・ダン役のロジャー・ダルトリー(The Whoのボーカルの人ですね)がすごく良かったのよ。それは要するに、ロジャーという素材に頼りすぎってことなのかもしれないけど。でも釣り人→カラオケ親父→おばさん→元ギャングへと次々に変装を披露してくれるなんて、大サービスじゃないか!
ストーリーの方は、ロジャーが、じゃなくて変装したミッキー・ダンが車椅子のケンを殺して、写真が出てきたところで何となく全体像がわかっちゃったかなぁ。でも最初に拳銃を見つけた釣り親父までロジャーだとは思わなかった。関係者を一巡して、容疑者のジョニーが実は最初に殺されていました、というのも、ありきたりというより「王道だからこそ面白い」と思った。シーズン6の「ラストショー」もそうだったけど、もうこういう話にはこれしかないでしょう! というストーリーなのよ。ミッキーが「余命数週間」とか言い出した時は、さすがに「ラストショー」の焼き直しじゃないかと思ったけれど、これもちゃんと違うオチがついて良かった。
それにしても、16歳当時のキャサリンがミッキー・ダンのお誘いを受けており、サム・ブローンが影で邪魔をしていたとは! 何だかキャサリンは、バックストーリーが増えるたびに「CSIへの道」から遠ざかっているような気がしないでもないが。サム・ブローンは娘がギャングと付き合うのはダメなのに、ストリッパーになるのはOKなのか。
ミッキー・ダンが名乗っていた偽名(フレディ・クルーガー、マイケル・マイヤーズ、パメラ・ボーヒーズ)はそれぞれ、ホラー映画「エルム街の悪夢」「ハロウィン」「13日の金曜日」の主人公の名前。そしてミッキーの車のライセンスプレートの文字「CHAINSAW」は、1974年公開のホラー映画 “The Texas Chainsaw Massacre”(「悪魔のいけにえ」)から。私はどれも見ていない(だってホラー映画って怖いじゃん)のだが、CHAINSAWを見た時は「ネバダ・チェーンソーだ!」と思った。でもそんな映画ないよね。よく考えたら3話「霊安室の声」の第4章の副題が “The Nevada Chainsaw Massacre” だったんだわ。そうかー、あれの元ネタはこれだったのか!やっとわかった(遅ぇーよ)。
— Yoko (yoko221b) 2008-09-25