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CSI - Season 7, Episode 11
#152 Leaving Las Vegas
- 邦題:「グリッソムの旅立ち」
- 脚本:Allen MacDonald
- 原案:Carol Mendelsohn, Allen MacDonald
- 監督:Richard J. Lewis
- 初回放映:2007-01-04
事件概要
メアリ・アチソン&ヘザー・カーティス
キャサリンは、3年前にアディ・フィンチが殺害された事件の公判で証言を行う。被告人は息子のジェイ・フィンチ。凶器として使われたナイフなどの証拠はあったものの、致命傷になったのはナイフの後に使用した銃であり、その銃が未発見であることから、証拠不十分としてジェイには無罪の評決が下される。
一事不再理の原則で、ジェイをこれ以上アディ殺しの罪に問うことはできないが、ジェイの有罪を信じるキャサリンは彼が他にも事件を起こしているのではないかと疑う。ジェイは事件の後、本人いわくパニックを起こして5日間ほど行方をくらましていたことがあった。また、凶器のナイフからは身元不明で血縁関係のある女性2名の血液が検出されていたのだ。ジェイの行動範囲を絞り込み、各方面に問い合わせてみると、ラクストンという街で未解決の誘拐事件が起きていたことがわかり、キャサリンはニックとともに現地へ向かう。
調べた結果、誘拐事件は無関係とわかるが、その街の保安官と話すうちに、同時期にメアリ・アチソンという女性と、その娘ヘザー・カーティスが殺された事件が起きていたことがわかる。この事件は、配管工のガフィが逮捕されて解決済みだったが、興味を引かれて現場を訪れたキャサリンは、その家の外観がフィンチ家にそっくりであることに気づく。
刑務所で服役中のガフィに事情を聞くと、ガフィは遺体を発見して通報しただけで自分は無実だと主張する。DVの前科があったため、保安官から「死刑にする」と脅されてやむなく罪を認めたのだった。現場に残された銃弾は、アディを撃った銃弾と旋条痕が一致する。ガフィが自供して解決したため調べられていなかったのだ。
当時現場にはヘザーの息子のダニー(当時4歳)もいたが、キッチンの戸棚に隠れていたため難を逃れていた。ダニーの供述により、犯人がクッキーを食べていたことがわかる。クッキー缶の中には、血染めの指紋が残されていた。その指紋はジェイ・フィンチのもので、血液はメアリとヘザーのもの。さらに、アディを刺した凶器から検出された身元不明の血液も、メアリとヘザーのものであることがわかる。
ジェイはかつてフットボールで怪我をして脳に障害を負っていた。母親を殺害した後、混乱状態で車を走らせた末に疲労して方向感覚を失い、自宅にそっくりなカーティス家に行き着く。そこで拒絶されたため「ここはオレの家だ!」と口走り2人を殺害したのだった。
一方、グリッソムはサバティカル休暇を認められ、マサチューセッツ州にあるウィリアムズ大学へ1ヶ月間の講義に出かけることになった。だが、グリッソムが去った後のオフィスには大きな箱が届けられ、その中には「新たな遺体発見」を報じるミニチュア新聞が……。
感想
模型殺人事件、いまだ解決せず!
……なるほど、グリッソムがベガスを離れるためには、この連続殺人事件を見かけ上「解決」させておかなければいけなかったというわけなのね。未解決の事件を放って行くというのは、やはりちょっと「?」と思うもんね。
というわけで、グリッソムがお休みに出かけてしまうエピソードなのだが、事件はキャサリンとニック中心。あとの3人はほとんど出て来なかったな。うーん、これを書いている2008年10月の段階では、メインキャスト変更の情報もいくつか報じられているので、図らずもこれは「グリッソム以後」の予行演習みたいなエピソードになったのではないだろうか。
弁護人のアダム・ノヴァックは、シーズン5の「主任失格」に続き2度目の出演、かな? ……うーん、どうもこの人好きになれないな~。役者じゃなくて、このキャラが。バーで女漁りするのは止めたみたいだけど、刑事弁護士としてのスタンスに疑問を感じるわ。「勝てると思った仕事しか引き受けない」って、民事事件ならまだわかるのだけど、刑事事件で「勝つ」ってどういうことだろう。この文脈ではやはり「無罪にする」という意味で言っているのだろうと思う。被告人の権利を守ることより、検察をやり込めて自分が目立ちたいだけなんじゃないのかと思えてしまう。冤罪が許されないことや、検察の主張が確かでなければならないのはもちろんだけれど、有罪だからといって弁護士が手を引いていたら刑事裁判は成り立たないじゃないか。
法廷場面は、たとえば Law & Order なんかと比べると、検事が弁論するようなことまでキャサリンが証言していることに少々違和感があったけれど、考えてみればCSIで検事が目立ってもしょうがない。重要な台詞はやはり、主役が言わねばならないのだろう。
事件描写は久しぶりにCSIらしくて良い感じ。今シーズンに入ってから、脚本家に新しい人が数名入ったことは、基礎データを作った時に気づいていた(新しい脚本家さんのページを作るから)のだが、ストーリーはともかくCSIらしいディテールの描写が弱いんじゃないかと感じることが多かった。そのせいかどうかはわからないが、殺人模型以外はどうもノリが良くなかった今シーズン、折り返し地点に来てようやくエンジンがかかってきた! と思ったら主任がお休みなのか~。でも代打の人も何だか期待できそうだし、かえって中だるみしないかも! と期待。
— Yoko (yoko221b) 2008-10-06