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CSI - Season 7, Episode 13
#154 Redrum
- 邦題:「罠」
- 脚本:Jacqueline Hoyt, Carol Mendelsohn
- 原案:Richard Catalani, David Rambo
- 監督:Martha Coolidge
- 初回放映:2007-01-25
事件概要
ダニーロ・ザメスカ&モニーク・カーター
市議会議員のダニーロ・ザメスカが射殺される。ザメスカ議員は犯罪組織の抗争に巻き込まれて息子を殺害されて以来、麻薬犯罪撲滅のために尽力していた。
遺留品の指紋から、犯人は麻薬組織の幹部トーマス・サイモンらしいとわかるが、サイモンは身を隠してしまい居場所がわからない。被害者が議員であるためプレッシャーも強く、副保安官のマッキーンは、ブラス警部、キャサリン、ケプラーを相手に「何とかサイモンを逮捕できないか」と相談。ケプラーはひとつの方法として「リバース・フォレンジック」という手法を提案する。それは、ザメスカ事件と同じような犯罪現場をでっち上げ、犯人を逮捕して一件落着、とみせかけ、サイモンが安心して現れたところを逮捕する、という作戦。だがそのためには、情報の漏洩を防ぐために仲間の捜査官をも騙さなければならない。ケプラー自身、今までに2回行い、1回は優秀な刑事に気づかれて失敗したという。だが逮捕を焦る副保安官はその作戦をのみ、極秘で進めるよう厳命する。
かくして、リバース・フォレンジックは開始される。麻薬課の囮捜査官のホルスタインが死体に扮し、チンピラの通称「ラット」が犯人役を演じる。被害者の血液をスプレーで噴射し、車の窓を叩き壊し、血のついた銃弾を投げ込み、同じようにドリンクのカップを落とす。ケプラーが偽の通報を行い、ブラスが応答して現場に向かうふりをする。検死官には「マスコミが集まってきたから」と言って許可を取り、遺体を搬送したことにする。その後もキャサリンとケプラーは、ラボで証拠を捏造して回る。
一方、サラとグレッグはモニーク・カーターという女性が自宅で死亡していた事件を担当していた。モニークは薬物の常用患者で、死因は頭部への鈍器損傷。ニックはモニークの腕のタトゥーを見て、彼女とザメスカの間に接触があったことに気づく。また、ザメスカ事件の現場にあったクッション材の欠片は、モニークの車にあったもの。ニックは2つの事件が関連していることを報告しようとするが、ホルスタイン事件ですでに容疑者が判明し、ザメスカ事件も同一犯人だと知らされる。
ホルスタイン事件でラットが逮捕され、ザメスカ事件もあわせて事態はとんとん拍子に進んでいくが、ウォリック、ニック、サラ、グレッグの4名は納得がいかずひそかに捜査を続行。ホルスタイン事件の証拠がすべて偽であったことが判明する。
その後、サイモンは安心してクラブに現れ、待ち構えていたブラスに逮捕される。だが、副保安官が検事に根回しをしていなかったため、検事は立腹し「どこからどこまでが現実の事件わからない」と不起訴を決定。
仕方なく、キャサリンは真相を打ち明けモニークの事件でサイモンを逮捕するよう方針転換。モニークのソファベッドの取っ手にサイモンの指紋があったことと、拳銃の台尻にモニークを殴打した痕跡が残っていたことから犯行が裏付けられ、サイモンは改めて逮捕される。
感想
reverse forensics(日本語版では「逆行捜査」)なんて初めて聞いた。でも、偽の犯罪現場をでっち上げて偽の犯人を逮捕して、真犯人を油断させておびき出す、というのは……早い話がおとり捜査ってことでは? reverse と聞いて連想するのは reverse engineering だけど、犯罪現場から遡って犯行の様態を突き止めるという forensics は、それ自体に最初から reverse の要素がある。それをさらに逆転させると、犯罪現場を作り上げる、ということになるわけ?
それにしても、そんな大掛かりなことをやろうと決意するには、ちょっと熟考が足りないというか何というか。いきなり大技に挑む前にもうちょっと、あらゆる選択肢が尽きてこれしかない、という描写がほしかった。やり方も、CSIが本気を出せばすぐに見破られるレベルだし(とはいえ見破られないような犯罪現場を作ろうと思ったら、本当に人ひとり殺して逃走するしかないのかもしれない)けど)。それより、副保安官から地方検事に根回しができていないというのが何ともはや。
こういう手法は、グリッソムというキャラクターにやらせることはできないだろうから、今回はキャサリンが実験台にされたという所かなと思う。殺人現場を作って行くプロセス自体は、CSIのメイキングを見ているみたいで面白かったけれど、ネタ的に面白いのはそれくらいなので、まぁ今回限りか。これでメンバーの間(というかキャスとその他の皆の間)に亀裂ができたりしたら、イヤだな~。
ケプラーが、ボルティモアでこれをやろうとしたら smart cop がいて失敗したという話。ボルティモアというとやはり The Wire なので、いったい誰に見破られたんだろうと考えてしまった。やっぱりフリーマンあたりかなぁ。彼なら殺人模型も作れそう(違)。そうか、あっちのシーズン5であの人があんなことをやらかしたのはケプラーのせいだったのか!(大嘘)
— Yoko (yoko221b) 2008-10-22