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CSI - Season 8, Episode 4
#169 The Case of the Cross Dressing Carp
- 邦題:「怖い水」
- 脚本:Jacqueline Hoyt, David Rambo
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2007-10-18
事件概要
ブライアン・タウン、ポール・サイデン
池のほとりで18歳の少年、ブライアン・タウンが首を吊って死亡しているところが発見される。ブライアンの胸はなぜか女性のように膨らみ、体内からは女性ホルモンのエストロゲンが通常の5倍も検出される。一見自殺のようだが、胸に切り傷があり、また遺体の下にタイヤ痕があったことから、性同一性障害者に対するヘイトクライムで殺害された可能性も考えられた。
ブライアンは水処理施設で働いており、部屋には施設長の書いた書類、水のサンプル、現金などがあった。母親は性転換などについては否定する。また、ポール・サイデンという研究者と親しかったことがわかるが、サイデンは「水の調査を手伝ってもらっただけ」と、それ以上の関係は否定する。
ラリー・ラドウィグという若者が木のロープをつかんで引っ張ったことがわかるが、ラリーは「ターザンごっこをしていただけ」だと主張する。木にロープを縛ってターザンのように池に飛び込んで遊んでいたというのだ。その時、ブライアンのシャツが水に濡れて胸の膨らみが見えたため、皆で笑ったが、それだけだったという。
その後、ポール・サイデンが自宅で射殺される。自宅を調べた結果、サイデンは魚のホルモン値を調べていたことがわかる。その地区では、地下水を飲み水に使用し、汚水を水処理施設で浄化して再利用していたが、ろ過装置の不具合でいつ頃からか水道水が汚染されるようになっていた。その結果、魚は雌雄同体化し、ブライアンは女性ホルモンの過剰摂取で胸が膨らむようになっていた。サイデンが水処理施設を告発しようとしていたことがわかり、施設長のクインが口封じに殺したのでは、という可能性が浮上する。
だが、凶器の銃を特定した結果、サイデン殺害はブライアンの母、リンの犯行とわかる。彼女は、サイデンが息子に性的虐待を行ったと思い込んで彼を殺害してしまったのだ。またブライアンの死も、指紋などの証拠から、ブライアン自身がビール瓶で自分の胸を傷つけ、首を吊って自殺したことがわかる。
検事はリンの事情を勘案して「彼女を有罪にする陪審員はいないだろう」と起訴を断念。水処理施設には捜査の手が入るが、背後には強大な力を持つコングロマリットがついているため、どこまで解明できるかは定かではなかった。
リー・ジョージ
故サム・ブローンの計画した「ホテル・エクリプス」の建設現場で、骨が発見される。たまたま母親とともに工事の様子を眺めていたキャサリンは、その骨が人骨であることを確認すると、スイング・シフトに事件を割り振る。キャサリン自身が身内であるためだ。事件はサラとロニーが担当し、ベガスの歴史に興味を持つグレッグも合流。
骨格から遺体はモンゴロイド系で、そばにインディアン・ジュエリーが埋まっていたことから、先住民の古い埋葬地とも考えられたが、歯の状態は現代人の物で、ジュエリーも新しい物とわかる。また、被害者がカメラのフィルムを持っていたことがわかり、それを現像してみると、「ホテル・ランパート」(エクリプスの前に建っていたホテル)のオープニング・パーティで、ゲーミング・コミッショナーが賄賂を得ている証拠らしい書類が写されていた。
キャサリンの母リリーは、ランパートのオープニング・パーティを覚えていた。そこには、アメリカ先住民の血を引くリー・ジョージというジャーナリストが民族衣装で出席していたという。ジョージがコミッショナーの不正の証拠をつかんだため、サムの護衛だったベニー・ダンバーに殺害され、埋められたのではないか――というのがリリーの推測だが、それを裏付けるだけの証拠は発見できなかった。グレッグは、ベガスの歴史についての本を書きたいと望み、リリーを食事に招待する。
感想
汚染された水道水をめぐる事件で、冒頭には「今回のテーマは水ですよ」みたいな映像が入る。グリッソム主任は相変わらず、蜂のコロニーを観察しているらしいのだが、もしかして今シーズンは環境問題が全体のテーマ?
人気ドラマの脚本家たちが、地球温暖化問題を訴えるメッセージ性を作品に組み込もう、ということで会合を持って話し合ったことがあるそうだが、それは2008年11月のこと。このエピソードの放映はそれより1年前なので直接は関係ないと思うが、何かしらそういう意識の高まりのような背景事情があったのだろうか。
- 米人気ドラマ脚本家ら、温暖化問題の題材化で会合 (ロイター 2008年11月19日)
もうひとつの事件は、これも最近は毎シーズン登場する「オールド・ベガス」もの。サムのボディガードだったというベニー・ダンバーは、S3のフィナーレ「封印された過去」で言及されていたベニー・マードックのこと? そしてグレッグはベガスの歴史に関して本を書くつもりらしい。ほほぉ~。
ホッジスは論文を書いて「フォレンジック・ジャーナル」誌に投稿するつもりらしいし、主任は蜂のコロニーを研究しているし、グレッグはベガスの歴史――と、彼らにも事件と恋愛以外の生活があるんだな、というところが面白い。それにしても主任は、ホッジスの使い方が上手い。
そうそう、何か他に書くことがあったような気がしていた。今回主任がサラにプロポーズ、返事はもちろんイエスで婚約!おめでとう!「お幸せに~」