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CSI - Season 8, Episode 15
#180 The Theory of Everything
- 邦題:「パラレルワールドの絆」
- 脚本:Douglas Petrie, David Rambo
- 原案:Carol Mendelsohn, David Rambo
- 監督:Christopher Leitch
- 初回放映:2008-05-01
事件概要
カイル・プランク
酔っ払って鹿を矢で射殺したうえドレスを着せて運んでいたカイル・プランクが、飲酒運転などで逮捕される。取調べの途中、カイルは突然逃走。警官がペッパースプレーを浴びせるが効果がなく、別の警官がスタンガンを撃ったところ、命中したとたんに発火し、カイルは火だるまになって焼死する。
グリッソムらはスタンガンを使って再現実験を行うが、ペッパースプレーや酒を服にかけてみても発火しない。逃げる際に女性にぶつかっていたことから、可燃性の物質が付着したのではないかと思われたが、結局原因はペッパースプレーが警察支給の水性タイプではなく、市販の可燃性ガスを使う物であったためと判明。警官の恋人が支給されたスプレーを持って出かけたので、市販品を使っていたのだった。
エヴリン・ポリクロノポラス、ウェイン・コナー、デイヴ・ボーア
カイルがぶつかった女性エヴリンは、アルミホイルで作った「防護服」を身に着け毎晩のようにベガス署を訪れては「宇宙人が攻めて来る」と警告していた。カイル焼死の原因を探る途中、エヴリンがトラックにはねられて死亡したことがわかる。エヴリンの銀色の服が朝日を反射して運転手の目を眩ませたのだ。現場に来たニック達は、エヴリンの身体から緑色の血液が流れ出ていることに驚く。
さらにその直後、事故現場から近い所でウェイン・コナーというホームレスが、やはり緑色の血を流して死亡している所が発見される。ウェインは後頭部を殴られており、それが死因と思われた。ホッジスは血液を分析し、ヘモグロビンと硫黄が結合して緑色になったと判断。血液からは、偏頭痛の薬の成分であるチオサイト(thiocyte)が検出される。
ウェインを殺害した凶器のパイプに指紋が付着しており、犯人はチオサイトを売っていたデイヴ・ボーアと判明。デイヴの本業は害獣駆除装置の設置で、デザートパーム病院に装置を設置した時に薬物を盗み出して売りさばいていたのだ。デイヴは薬の代金のことでウェインと争い、相手が襲ってきたので正当防衛だったと主張するが、その直後、発作を起こして死亡する。デイヴは脳腫瘍を患い、自らも偏頭痛の薬を過剰に服用していたのだった。
マーティン夫妻
物理学者のローガン・マーティンとその妻がベッドで遺体となって発見される。侵入の形跡や争った跡はないが、2人同時に死亡するという点を不審に思ったロビンスは、現場にCSIを呼び出す。その後2人の死因は青酸による中毒死と判明するが、摂取経路が不明。
マーティン夫妻は庭にリスの駆除装置を設置しており、リスの駆除をめぐって隣人のマーゴと諍いを起こしていたことがわかる。奇しくも、マーティン家に駆除装置を設置したのもデイヴ・ボーアだった。装置の設置後、リスがマーゴの庭に逃げ込んで来るようになり、マーゴはアートの製作用に入手した青酸を使ってリスを殺そうとしたが、夫妻の飼い猫のシュレーディンガーが毒入りのエサを食べて死んでしまった。だがマーゴは夫妻の殺害は否定。また、署内で火だるまになって死んだカイルは何とマーゴの元夫で、2人は離婚したばかりだったという。
夫妻の寝室を調べたホッジスは、床下からシアン化物特有のアーモンド臭がすることに気づく。床下にもぐってみると、そこにはリスの屍骸とかじられた電線があった。電線がショートして発火したものの、その部屋は古いカーペットの上に新しいカーペットを敷いていたため、中で火がくすぶり、青酸ガスを発生させて夫妻を死に至らしめたものと思われた。
感想
別々に起きた事件が実は相互に関わりあっていた、あるいは同一犯による連続した犯行と思われた事件が、実は別々の犯人による行動が偶然に重なったものだった――というパターン。今シーズン、特に後半にそういうエピソードが多い気がするが、今回のエピでその頂点に立った感じ。さかのぼってみればシーズン5の「冷たい街」にもその傾向はあったかな。
というわけで、色々と絡み合っているように見える人間(+動物)関係だが、整理してみるとこんな感じ。
マーティン夫妻に薬を処方したのもデザートパーム病院だろうか。エヴリンをはねたトラックの運転手に何かもうひとつ関連が欲しかったような気がする。
でー、これと物理学でいう弦理論がどう関わっているのか、実は全然理解できていない。冒頭でエヴリンが演説していたのも弦理論の説明だと思うが、だからそれが何? って感じ。
そういえばNYの初期シーズンで、マック・テイラーがヴェネツィアーノを引いて “Everything is connected.” と言っていたのを思い出す。画面の暗さといい、最近のベガスは初期のNYでやろうとしていたことを引き継いでいるのだろうか。
後は……相変わらず主任ストーカーのホッジスが鼻で大活躍していたり、アーチーだけではなくウェンディもスタートレックヲタだったり、ロビンス先生が鹿を見て「ドレミの歌」の冒頭の歌詞をつぶやいていたり、ニックの実験を「怪しい伝説」の2人が見学していたり。何となくフィナーレ前のお遊びエピ……な印象があるが、実は次回もお遊びのネタエピ。最近お遊びネタ多すぎない? ただでさえ話数が少ないのに……少ないから目立つのか。
最後にひとつ突っ込ませてもらえれば警部、鹿ちゃんならオートプシーじゃなくてネクロプシーでは?
— Yoko (yoko221b) 2009-11-29