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CSI - Season 9, Episode 2
#184 The Happy Place
- 邦題:「ここにはいられない」
- 脚本:Sarah Goldfinger
- 監督:Nathan Hope
- 初回放映:2008-10-16
事件概要
スプリッグ・グレニジャー
キャサリン、ニック担当。マンションのバルコニーから住人の女性が水着姿で飛び降りて死亡。氏名はスプリッグ・グレニジャー。結婚を間近に控えていたが、勤務先の銀行を横領の疑いでクビになったばかりだった。
銀行の監視映像を確認すると、確かにスプリッグは50ドル札2枚を100ドル札100枚に両替していた。だが、スプリッグはこの客のことを何も覚えていないと主張したという。また、別の銀行でも同じ手口の事件が起きており、そこにも同じ客がいたことがわかる。
調べてみると、2人の出納係は同じ催眠療法士のもとへ通っていた。催眠療法士は1ドル札と100ドル札を間違えるよう、あらかじめ暗示をかけておいてから、男装して金を出させ、さらにスプリッグに対して「海に飛び込め」という暗示でバルコニーから飛び降りるよう仕組んでいたのだった。
ポーラ・ボンフィリオ
グリッソム、ウィリアムズ刑事担当。路上で撲殺された女性の遺体が発見される。身元は高校で進路指導をしていたポーラ・ボンフィリオとわかり、自宅を訪ねると息子のスコットが応対する。スコットの話から、ポーラは2歳になる娘、レクシーと一緒だったことがわかり、急遽アンバーアラートが発令される。ポーラは放埓な生活を送り、スコットのバイト代をギャンブルにつぎ込み、レクシーの父親も誰だかわからないという。
その後、ポーラの車が発見される。運転していた女は「赤ん坊を託児所に届ければ、お礼に車をやる」と言われて引き受けただけだと主張。依頼した男は金貸しで、借金のかたにポーラから車とレクシーを取り上げたものの、ポーラ殺害のニュースを聞いて怖くなり、通りがかりの女に車とレクシーを託したのだと主張する。
一方、ポーラが持っていた500ドルチップのIDで履歴を調べると、チップを換金に来たのはスコットであることがわかる。さらに調べた結果、スコットとポーラは親子ではなく、レクシーの父親はスコットであった。また、スコットはオハイオ州の行方不明児童として登録されていた。
スコットは、オハイオで進路指導員のポーラと恋におちて駆け落ちしたことを認める。スコットは本気だったが、ポーラは「不安定な少年」に惹かれただけで、男として成長したスコットには興味を示さなくなったのだという。そこへ、借金のカタにレクシーを渡したと聞かされ、ついに限界を超えて殴り殺してしまったのだ。
パメラ・アドラー
グレッグ、ベガ刑事担当。8年前、暴行され頭を撃たれたため昏睡状態になっていたパメラ・アドラー(シーズン1「氏名不詳の女」)が死亡。グレッグはまだベガスに滞在中のサラに連絡を入れる。
夫のトム・アドラーは「当時妻を暴行したトニー・ソープから嫌がらせを受けるようになったので、こんなことをされるぐらいなら、と思ったあげく」に人工呼吸器の管をはずしたのだと主張。最近、暴行死に関する法改正があり、それがソープに不利に働く可能性があることが動機かと思われたが、ソープが嫌がらせやレイプをしたという証拠は見つからない。
さらに、ソープ本人が前年のクリスマスに銃撃されて半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされていることが判明。トムは8年間にわたるパメラの世話に疲れて安楽死を決意し、そのためにソープの嫌がらせという話をでっち上げたのだった。真相を知ったサラは「だから、この仕事はもう続けられないのよ」と言い、再びベガスを去るのだった。
感想
CSIを見ること自体久しぶりだし、1回に事件3件は慌しくて疲れる~。
スプリッグの事件は、女性が飛び降りたところで「刑事コロンボにこういうのあったな」と思ったら、まんま催眠術殺人だったので、ちょっとがっかり。聞くところによると、現実に催眠術でこういうことはできないらしい。いくら相手を騙そうとしても、やはり五感が生きているので、完全に騙しきるわけにはいかないということなのだが……そうは言われても、やっぱり催眠術って近寄りたくない、とか思ってしまう。ともあれ、この事件は最初から容疑者が限られていて、この人しかいないよなと思った人が犯人だった。
ポーラの事件も、映像表現が最初からスコットを露骨に「犯人視」したので特に意外ではなかった。子どもが犯人って、CSIでは定期的に来るネタだし。主任が「オイディプスだ」と言った時には「げっ」と思ったけど、親子ではなく若いツバメと駆け落ちしただけだとわかってホッとした。指導員と生徒というのも、決して倫理的に許される関係じゃないけど……。
3番目のアドラー事件は、なつかしいシーズン1「氏名不詳の女 ジェーン・ドー」事件の後日談、ということで当時事件を担当したサラが捜査に立ち会う。担当刑事も当時と同じベガ刑事(お久しぶり!)。うーん、後日談をやるのは良いけど、何で今更これを持って来るかな。サラメインの話として語るなら、降板する前にやっておくべきだし、今やるなら精神面も含めて誰かがちゃんと引き継いで語り終えた方が良かったと思う。当時主任とニックも一緒に担当していたのだし。結局サラに荷作りさせるためだけの事件で、実質的に前シーズンの降板エピを繰り返しただけだった。
そんなわけで、このエピソードはどの事件もいまいち。確かに、あのプレミアの後にどういう話を持って来れば良いか? と考えた場合、「ウォリックの件を引きずってどんより暗いエピ」だったら見るのも気が進まないし、「カラッと気持ちを切り替えてお馬鹿エピ」てのも何だかなと思うし、何をやるのも難しかったというのはわかる。でも、もーちょっとどうにかならなかったのかな。
— Yoko (yoko221b) 2011-05-07