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csi:s09:186_let_it_bleed

CSI - Season 9, Episode 4

#186 Let it Bleed

  • 邦題:「死神」
  • 脚本:Corinne Marrinan
  • 監督:Brad Tanenbaum
  • 初回放映:2008-10-30

事件概要

トマス・テイラー

ハロウィーンの前夜、ベガスでは「警官の扮装をした強盗」事件が起きていた。ニックとライリーは現場へ向かう途中、警官の姿をした強盗に遭遇し、急遽追跡を開始。ニックは強盗を追い詰めるが、強盗は窓から外へ飛び降り、転落死。ライリーは強盗が落下したゴミ捨て場で若い女性の遺体を発見。

強盗の身元はカリフォルニア州に住むトーマス・テイラーと判明。制服は、出廷のためにベガスに出張していたリノ市警の警官の物だった。ベガスに来て思わず羽目を外した後、制服をホテルのクリーニングに出したら戻ってこなかったという。

そのホテルでは、エレベーターに乗るにもルームキーが必要なので、盗んだのは宿泊客か従業員が考えられる。調べてみると、警官の向かいの部屋を借りていたのは、テイラーと同郷のワンダリックという男だった。

ワンダリックは結婚式のためベガスに来たが、バチェラーパーティで暴力事件を起こして逮捕され、親友のテイラーに保釈金を出してくれるよう頼んだという。テイラーはそのために制服を盗み、強盗を繰り返したのだった――。

アンジェラ・カルロス

ゴミ箱で発見された若い女性は身元不明だったが、クラブスタンプを付けていたことから、ダークウォーター・バーのVIP客と判明。その後、コロンビアの麻薬王で指名手配中のファン・ラモン・カルロスの娘アンジェラとわかる。アンジェラは高校までヘンダーソンで叔母のエメリーナとともに暮らしていたが、「母親に似てパーティ好き」な彼女の素行を案じた父親がユタ州の大学へ進学させていたという。

アンジェラは内緒でベガスへ戻り、親友のシルヴィを誘ってコカインを手に入れるためクラブへ行った。ダークウォーター・バーのオーナーのヘスはカルロスの手下だったのだ。だが、ヘスはカルロスを恐れてアンジェラに薬を渡さなかった。シルヴィはクラブを出た所でアンジェラと別れ、後からパーティで合流するつもりだったという。

アンジェラの血液サンプルを調べようとしたウェンディは、他の男性の血が混じっていたことに気づく。モルグかラボで汚染されたかと思われたが、そうではなかった。何者かがアンジェラに輸血を行い、血液型の異なる血を入れたためにアンジェラは死亡したのだった。

一方、アンジェラのバッグがゴミ回収車から発見され、バッグからは金魚のウロコや金魚鉢のガラス片が発見される。ダークウォーター・バーには観賞用の金魚が多数飼育されていた。

改めて事情を聞かれたヘスは、アンジェラを金魚の販売業者ゴーヤに紹介したことを認める。ゴーヤはコカインの卸しも手がけていたのだ。

ゴーヤと仲間のジョーは、アンジェラに輸血したことを認める。彼らはカルロスが怖くてコカインを渡すことはできず、代わりにマリファナで我慢してもらおうと思ったが、取りに行っている間にアンジェラがコカインと間違えてアトロピンを服用。アトロピンはコカインに混ぜるために使用するが、鎮静作用のある薬物だった。2人は慌て、輸血して治そうと思いつく。「血液を交換すれば麻薬中毒を治せる」という都市伝説を信じたのだ。だが血液型が違っていたためアンジェラは死亡。2人は「ヘスが彼女を寄越したせいだ」と恨み、クラブに近いゴミ捨て場に遺体を遺棄したのだった。

事件は解決するが、その直後、ヘス、シルヴィ、ゴーヤ、ジョー、エメリーナはいずれも頭を撃たれ、あるいは喉を切られた姿で発見される――。


感想

アンジェラの事件は、父親が指名手配中の麻薬王とわかり、すわ組織のからむ抗争事件か? という疑いが生じるが、こういう場合はたいてい組織とは無関係で、衝動的な犯行か、でなければ殺意のない事故であることが多い。今回も例外ではなかったわけね。しかし麻薬の治療のために血液を入れ替えるって!すごすぎ。都市伝説を信じる人はいるだろうけど、その場で本当にやっちゃうか!? ていうか、できないだろ普通。

血液型占いがポピュラーなのは日本だけで、アメリカでは自分の血液型を知らない人も多いと聞いたことがあるけど、違う血液型を輸血しちゃいけないということを知らない人も珍しくないんだろうか。

真相がわかってみれば結局は、被害者のわがままな行動がすべての結果を招いたわけで……アンジェラも、父親が麻薬王でなければ、自分がひどい目にあうくらいで済んだのかな。最悪の場合でも本人が死ぬだけで、その後関係者全員殺害なんていうことにはならなかったはずで。コカインを取引していた連中はともかく、友達や無関係な叔母さんまで殺すことはないだろうに。麻薬王も、いくら娘が可愛いからって実の妹まで殺すか? 娘が死んだのは妹のせいじゃなく、あんたが麻薬王だったせいだろ!

捜査の途中で、キャサリンは娘がクラブで踊っているのを見つけてお説教。飲酒はしていないとはいえ、子供が偽IDでクラブに来ちゃいけないだろう。小説でリンゼイがキャサリンに「偽IDを使わずに入れるお店へ行った」と言っている場面があったが、それはこれを受けてのことだったのかと納得。

発端だった強盗の事件は、このシリーズによくある「典型的Bプロット」事件って感じ。ニックとブラス警部の持ち味が発揮されていて「くすっ」と笑ってしまう可笑しさがあった。事件以外のところでは、主任を元気付けようと講演に誘うホッジスが何となく良い感じ。

Yoko (yoko221b) 2011-05-15

csi/s09/186_let_it_bleed.txt · Last modified: 2020-04-09 by Yoko