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csi:s10:208_ghost_town

CSI - Season 10, Episode 2

#208 Ghost Town

  • 邦題:「出口のない穴」
  • 脚本:Dustin Lee Abraham
  • 原案:Dustin Lee Abraham, Carol Mendelsohn
  • 監督:Alec Smight
  • 初回放映:2009-10-01

事件概要

ジョセフ・ビゲロー

死亡したホームレス、ジョセフ・ビゲローの遺体を解剖したロビンスは、小腸が脾臓に巻かれ、リボンのように結ばれているのを見て驚く。

死因に不審な点はなく自然死と思われた。腸を結んだのは死後であるとわかるが、腹部に切開の形跡はない。へその穴から内視鏡か腹腔鏡を挿入し、結んだ後に手術用の接着剤を使用したものと思われた。この施術をした人間は医学の心得があり、医療器具の使い方を知っている。ラングストンは、その謎の人物を「ジキル博士」と命名する。

キャサリンは、元ピアニストだったビゲローを知っていた。ビゲローはストリップ通りをねぐらにしていたというが、遺体が発見された場所は、彼が決して行かないはずの15号線より西の地区。キャサリンとラングストンは、「ジキル博士」の自宅か職場がその近くにあるのではないかと思いつく。

ラングストンは、ビゲローがいつもタキシードを着て蝶ネクタイをしていたことに注目する。「ジキル博士」は小腸を蝶型に結び、蝶ネクタイを記念品として持ち去ったのだ。現場から「記念品」を持ち帰るのは、連続殺人犯の特徴的行動。ラングストンは、ジキルの行動はこれで終わらないと予感する。

ライアン・レスター、キロ

住宅街の民家でライアン・レスターが殺害される。現場はライアンが経営する会員制Webサイトの「撮影所」でもあり、女性たちが寝室で過ごす様子をWebカメラで中継していたのだ。出演者であるマーニーがシャワーを使っていたところへライアンが入って来たので、彼女は驚いて寝室へ行き服を着た。その途中で停電して物音がした後、浴室へ行くとライアンが喉を切られて死んでいたという。マーニーは驚いて逃げ出し、近隣をパトロールしていた住人のハービーに助けられ、ハービーが通報したのだった。

ハービーは「不況の影響で家を売って出て行く住人が増え、抵当流れの家で怪しげな商売をしたり覗き魔が出没するようになった」と愚痴をこぼす。マーニーは、その覗き魔を「マリリン・マンソンみたい」と形容する。

調べてみると窓の覆いに覗き穴が開けられ、その近くにはクリーニング店の針金ハンガーが落ちていた。覗き魔はその針金を使ってカーテンを動かしていたらしい。付近で唯一その店を使っている家を訪ねると、その家の息子はマリリン・マンソンのようなメイクを施し、部屋は悪魔崇拝者のような内装や小道具で埋め尽くされていた。ゴム製の腕を見つけたサラは、その少年がダグ・メイスンことポール・ミランダが養子にした息子、クレイグ・メイスンであることに気づく。

クレイグはとりあえず覗きの罪で逮捕されるが、凶器は見つからない。現場に警察犬を出動させたところ、近くにある別の民家で別の遺体が発見される。麻薬の売人をしている「キロ」という男で、ライアンとほぼ同時刻に、同じように喉を切られて殺害されたらしいとわかる。

キロの殺害とクレイグを結ぶ証拠はなく、またライアンの件でも覗き以上の証拠は見つからない。ラングストンがクレイグにナイフを持たせて実験を行ったところ、先天的な指の形態異常のため喉を切って殺すことは不可能であるとわかる。

ニックは、通報したハービーが着ていたシャツを調べ、肩の部分に飛沫血痕が付着していることに気づく。マーニーは浴室の血の海で足を滑らせて転び、ハービーはそのマーニーを抱きとめたのでシャツに血が着いていたが、動脈からの出血と思われる飛沫血痕があるのはおかしい。ニックはブラス警部とともにハービーの自宅へ向かうが、ハービーは銃を手にして家族を人質にし「稼ぎをすべてマイホームにつぎ込んだのに、ポルノ部屋や麻薬売買の横行する街になった。警察は事件が起きるまで何も対応してくれない」と恨み言を言う。ニックの説得でハービーは家族を解放し、大人しく逮捕される。


感想

遺体を解剖して「何なんですか」「皆目わからん」で終わった前回。何事かと思ったら、遺体の中で腸がリボン結びにされていたらしい。何だそれは!?

腸をリボン結びにしたせいで死亡したわけではなく、死亡したこと自体は事件性のない自然死。偶然ホームレスの遺体を見つけ、へその穴から器具を挿入してリボン結びを作ったようだ。え~~いったい誰が、何のために!? これがどういう罪に該当するのかよくわからないが(遺体損壊?)、「記念品」を持ち去ったりする行動から、そのうち遺体の細工では我慢できなくなって殺人に走るのではないか、と示唆されている。というか、きっとそうなるのだろう(でないとストーリーアークとして引っ張れないもん)。

ラングストンはこの犯人(?)に「ジキル博士」というあだ名をつける。スティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」からの連想だろうが、そういえば何で「ジキル博士」なのだろう。何か二重性を示す要素があったんだっけ?(忘れた)

ともかく、この事件はそれ以上特に進展なし(そもそも死因には事件性がないし)。これとは別に、インターネットの「覗き部屋」撮影所で殺人事件が発生し、デイヴィッドの意外な趣味がまたひとつ明らかになった。この夫婦、妻は夫が仕事で扱う変死体の話を聞きたがり、手錠で楽しく遊んで覗き部屋サイトに会員登録……まぁ夫婦円満、何よりですわね。

こちらの事件は、見回り隊長の台詞が多かったので「犯人かしら」と思ったら本当に犯人だった。そこはまぁ、順当な人選かなというところだが、それよりポール・ミランダーの名前が思わぬところで登場して驚いた。覗き部屋を「ただ見」していた少年が、ミランダーの養子クレイグだったのだ。なぜ、今更ミランダー? と思ったのは確かだが、クレイグが「憧れのミランダーさん」の話をする場面は、良い感じにまとまっていたと思う。

そして、事件と直接関係はないが、ラングストンの父親の話。戦争で敵を多数殺し、戦争が終わってからも暴力を求め続けた父親。その「血」を受け継ぐ捜査官であるラングストンの存在が、遺伝的なつながりを持たず「技」を譲り受けたクレイグとの対比になっていたと思う。勲章のピンについた血を採取していたが、ラングストンが自らの内なる遺伝子の存在に苦悩する話が来たりするのかな。それが上述の「ジキル博士」と関連するのかどうか。先のことはまだわからない。


使用楽曲

  • “Ghost N Stuff” by Deadmau5

Yoko (yoko221b) 2012-04-12

csi/s10/208_ghost_town.txt · Last modified: 2024-02-18 by 127.0.0.1