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CSI - Season 10, Episode 5
#211 Bloodsport
- 邦題:「コーチM」
- 脚本:Allen MacDonald
- 監督:Jeffrey Hunt
- 初回放映:2009-10-29
事件概要
ジミー・ミラー
西ラスベガス大学アメフトチームのコーチ、ジミー・ミラーが自宅で死亡。コーチは寝室で襲われ、頭部を激しく殴打されていたが、本人はそれにまったく気づかない様子で歯を磨き、コーヒーをいれ、新聞を取りに外へ出た所で昏倒して死亡していた。死因は鋭器および鈍器による損傷。脳の中で習慣や本能を支配する部分が無事だったため、頭の傷に無自覚なまま習慣的な動作をこなせたのだった。
ミラーは落ちこぼれの選手を集めて一流のチームに育て上げた立役者で、常々「チームは家族だ」と言い、選手たちからも父親のように慕われていたという。自宅の鍵は庭の石の下に隠してあり、選手は全員その場所を知っていた。
自宅からは「コーチ・オブ・ザ・イヤー」のトロフィーがなくなっており、傷口や残された破片と照合した結果、そのトロフィーが凶器であるとわかる。また、現場には血染めの足跡が残されていたため、サイズが同じ選手を探してみると、まだ在学しているのはカルヴィン・ルークだけだった。
カルヴィンとコーチの間で交わされたメールを調べたところ、コーチとの間にプロ転向をめぐって諍いがあったことがわかる。コーチはまた、半年前にピザ屋の店員アンドリュー・ヒメネスが射殺された事件の記事をカルヴィンにメールで送っていた。カルヴィンはコーチの説得で、プロ入りをあきらめてチームに留まることにしたと語り、記事については「人生のはかなさを知らせるため」だと解釈したという。
ペイジ・ハマー、アンドリュー・ヒメネス
サラ、グレッグ担当。湖に沈んだBMWが引き上げられ、助手席から腐敗した若い女性の水死体が発見される。氏名はペイジ・ハマー、ベガスに来たばかりで住所不定。車内には1度発砲された拳銃があり、助手席側の窓が割られていた。その銃は、アンドリュー・ヒメネスを殺害したものだったとわかる。
* * * * *
サラとグレッグは、BMWを運転していたのがアンドリューだったと仮定する。車が湖に突っ込み、アンドリューは運よく窓から脱出。そして助手席にいるペイジを助けるために回り込んだが、そこでペイジが銃を見つけ、窓を割るために発砲し、アンドリューを死なせてしまった。ペイジはそのまま溺死して車は沈み、アンドリューだけが湖に浮かんで発見されたのではないか。水中で銃を撃って実験したところ、アンドリューを殺した銃創と同じような状態になることが実証される。
ペイジには売春行為の前歴あり。車は半年前に「ベガス・レガシー・モーターズ」から盗難届けが出されていた。その店のディーラーは、西ラスベガス大アメフトチームの後援会長をしているパル・アーノルド。
コーチとアンドリューのつながりを探るため、パルに事情を聞いたところ、パルは自宅でパーティを開いてペイジを呼び、ペイジがカルヴィンの相手をしたことを認める。堅物のコーチは怒ったという。だがカルヴィンは、自分は反省して家に帰り、アンドリューのことは何も知らなかったと主張する。
その後、湖の周囲でアンドリューの上着や靴が発見され、彼は車に乗っていたのではなく、人命救助のために湖に飛び込んだのではないかという可能性が浮上する。ならば、別に運転手がいたことになる。
拳銃の持ち主がパルであることが判明し、パルは自動車に乗っていたことを認める。パルは選手を帰した後、ペイジを車で送ろうとしたが、その途中で彼女に「サービス」をさせ、運転を誤って湖に突っ込んでしまった。運よく脱出して岸に上がったところでアンドリューが自転車で通りかかったので助けを求めたが、飛び込んだアンドリューは撃たれて死亡し、車はそのまま沈んでしまった。恐ろしくなったパルは通報もせず、アンドリューの上着と靴を隠して自転車で現場から逃げたのだった。ずぶぬれで帰って来たのをコーチに見られ、パルはいっさいを話すが「ことが公になればチームが危ない」とコーチにかたく口止めしていた。
しかしコーチを殺害したのはパルではなかった。ラングストン、ホッジス、ウェンディの3人は大学で収集されたゴミを徹底的に調べ、凶器のトロフィーと血染めのスニーカーを発見。血染めの指紋から、犯人はカルヴィンであるとわかる。カルヴィンはコーチが自分を無視して試合にも出してくれなくなったため「選手としての将来を潰された」と恨んでコーチを殺害したのだった。
感想
ギャー怖い! 冒頭のゾンビコーチの映像がものすごく怖かった……。最初、血溜まりの中から起き上がる姿を見て、誰か他の人が死んでいるのかと思ったら、鏡に映った顔を見て……。この人はいったいどうなっているんだ、この状態でどこまで続けるんだろうと思いながら展開を見守っていたので、玄関で倒れた時には何だか安心してしまった。
一方、サラとグレッグは湖から車が引き上げられ、中から女性の水死体が発見された事件を担当。こちらの被害者、何ヶ月も水に浸かっていたにしては、赤いドレスの鮮やかさが少々不自然な気がしたが、腐乱死体に真っ赤なドレスという映像の視覚効果はかなり強い。で、これが冒頭のコーチの事件と関連があることがわかってくる。何だか最近そういうパターンが多いよね。1話も前回もそうだったし……。
コーチ殺害の犯人は、大学で回収されたゴミを調べて、凶器を発見して指紋であっさり解決。最初から人海戦術でそれをやっていればCSIの出番はあまりなかったかも。どうも最近、ストーリーや人間関係を複雑にすることに力を入れすぎて、肝心の事件捜査(鑑識)の描写がちょっと弱いような気がするんだけど、気のせいかな……?
事件と直接関係はないが、ラングストンはソウル生まれらしい。以前の回で見た書類には母親の名前が記載されていなかったように見えたが、何か「出生の秘密」ネタでもあるのだろうか。
それから、ボビー・ドーソンは今回名前だけ登場。銃器ラボでまだ頑張っているらしい。ボビーもシーズン1からのリカーリングだから、長いよね。