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CSI - Season 10, Episode 7
#213 The Lost Girls
- 邦題:「CSI:トリロジー」
- 脚本:David Weddle, Bradley Thompson
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2009-11-12
事件概要
ディーディー・チェイス
マイアミ、NYの出張から帰ったラングストンは、相変わらず行方不明のマデリン・ブリッグスを探し続けていた。
一方、ホテルの中庭で若い女性が首を切られて死亡する。被害者は売春婦のような服装をしていたが、顔を見ると、バーストウのローカル局でお天気番組を担当するキャスターのディーディー・チェイスだった。ひどく殴られ性的暴行を受けた形跡があり、首には彫られたばかりのタトゥーがあった。
ディーディーは番組のプロデューサーと不倫をしており、2人でベガスへ来ていたが、3日前にケンカ別れし、プロデューサーはディーディーを車から放り出して帰ってしまったという。それから殺されるまでの足取りは不明だった。
ディーディーが身に着けていた片耳だけのピアスにマデリンの血が付着していたことから、マデリンとディーディーが同じ組織に使われている可能性が浮上する。ラングストンらは、ディーディーと同じタトゥーを施した売春婦のダイアンを逮捕するが、ダイアンはすぐに保釈されてしまう。
ダイアンの保釈金を払ったのは、売春の前歴を持つスーザン・サミュエルズ。彼女と息子のアンソニーが組織の元締めであるらしい。アンソニーがディーディーと同じピアスをしていることに気づき、令状を取ってサミュエルズ家に踏み込むと、そこには殴られて大怪我をしたダイアンの姿があった。庭からはディーディーの身分証が発見される。だがダイアンは、アンソニーが自分を愛していると信じ「ロシア人から私を救ってくれたの」とかばう。
キャサリンは、ダイアンのタトゥーが他の女性の物より大きめであることに気づいてALSライトで照らし、その下に蝶のタトゥーを発見する。売春組織は女性たちを所有物として扱い、その印にタトゥーを入れることがある。組織間で女性の「売買」があれば、新しい元締が自分のタトゥーを入れるのだ。
サミュエルズ家のベッドには大きな血痕があり、その血はマデリンともう1人、彼女と親子関係にある人間のものと判明。アンソニーはマデリンを買ったが彼女が妊娠していることに気づいて暴行を加え、流産したものと思われた。
蝶のタトゥーがきっかけになり、ダイアンがいた「ロシア人の組織」のボスは、西ラスベガス大学でロシア文学を教えるディミトリ・サデスキーと判明。サデスキーの車からはマデリンの血液が発見される。GPSの記録から、何度も行き来していた場所が割り出され、そこでは4人の女性の遺体が発見されるが、いずれもマデリンではなかった。サデスキーはマデリンとダイアンを交換したことを認め、司法取引を要求するが、マデリンのことは「使い物にならなかったので捨てた」と言う。
肝心のディーディー殺害犯は、ホテルの監視映像とバッグの血痕が決め手になり、ダイアンと判明。アンソニーはディーディーを拾い、ダイアンに対して言ったことと同じ愛の言葉をささやくようになった。ディーディーはアンソニーに殴られ、服従したふりをしたが裏切って逃げようとしたため、ダイアンはそれを許せずに彼女を殺害したのだった
サデスキーの情報から、マイアミとNYでも人身売買組織の幹部が逮捕される。だが、ラングストンはマデリンの行方がわからないことを気にしていた。彼は、娼婦たちが使う携帯電話のネットワークにマデリンへのメッセージを書き込む。
やがて姿を現したマデリンは「あんなことがあって、どうやって家に帰れるの」と迷いを見せるが、ラングストンは「ただドアを開けて中に入ればいいんだ」と言って勇気づける。
感想
CSI:Miami シーズン8 “Bone Voyage”、CSI:NY シーズン6 “Hammer Down” に続く、クロスオーバー完結篇。……といっても、内容的に前の2作はあまり関係ないようだ。メインの事件はあくまで、このベガスで発生したディーディー・チェイス殺害事件であって、独立したエピソードといって良い。マイアミ篇を見たのがもう半年以上前、NY篇は見ていない、という状態で見てもちゃんと話がわかる。他シリーズのメンバーが顔を出すこともなく、ホレイショとマックはメールの受信画面にちらりと名前が出るだけ。うーん、大物が3人では撮影も大変なのはわかるけど、せっかく「クロスオーバー!」と大々的に打ち出すのだから、もうちょっとどうにかならなかったのかな。結局ラングストンがお披露目巡業しただけじゃん?
というわけで、内容もまぁ通常営業といった感じ。マイアミ篇を見た時は「トリロジーのDVDを借りて3話通して見た方が面白いかな?」という気持ちもあったけど、今は「3話通して見てもたいして面白くなさそう」な印象なので。トリロジーDVDはまぁいずれ、レンタルの枚数合わせの候補にしておこう。
女性たちを家畜のように取引し合う売春組織の非情さが印象に残り、いつにも増して後味の悪い事件だった。でも最後にマデリンが救われたことで、ちょっと気持ちが楽になったかな。ロシア人の元締めを演じたMark Sheppardは、シーズン2のフィナーレ「哀しい宿命」に続いて2回目の出演。別人の役だけど、前回も今回も女性の敵だわ。