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CSI - Season 10, Episode 11
#217 Sin City Blue
- 邦題:「青いドレスの女」
- 脚本:David Rambo, Jacqueline Hoyt
- 原案:Daniel Steck
- 監督:Louis Shaw Milito
- 初回放映:2010-01-14
事件概要
エドワルド・ゴメス
ニック、ラングストン、キャバリエ刑事担当。ゴミを不法投棄しようとした男、フアン・ラミレスが捕まり、持っていた手術器具や人間の臓器などが押収される。トラックの荷台からはヒスパニックの少年の遺体が発見され、腹部に手術の跡があるのを見たラングストンは「ジキル博士」が背後にいるのではないかと疑う。
被害者エドワルド・ゴメスが死亡した現場は、漢方医ジェフリー・ヒューズの薬局とわかる。ヒューズはアメリカの医師免許を持っていないが、健康保険を持たない不法滞在者のために、ヤミで治療を行っていた。そしてエドワルドにも嚢胞摘出の手術を行ったが、出血性の病気に気づかなかったため失血死させてしまったのだ。遺体を遺棄したのは、エドワルドの母親の希望だったという。
ラングストンはヒューズが「ジキル博士」ではないかと疑い、ビゲローやバーナードの写真を突きつけるが、ヒューズは戸惑いを見せ「これは医学ではない」とつぶやくだけだった。
カレン・ジョーンズ、ジリアン・ローズ
キャサリン、グレッグ、ブラス警部担当。ホテルの廊下で下着姿の女性が絞殺された遺体の姿で発見される。氏名はカレン・ジョーンズで、前の晩に女友達と一緒にホテルのバーにいたところが監視カメラに映っていた。
カレンの宿泊していた部屋で、グレッグとブラス警部はもう1人、別の女性の遺体がベッドのスプリングに隠されていることに気づく。これがカレンと一緒にいた女性、ジリアン・ローズだった。
監視カメラの映像を分析した結果、カレンとジリアンは2人組の窃盗犯であることがわかる。ATMで現金をおろす男に目をつけ、まずカレンが近くで暗証番号を確認。次にジリアンがその男を誘って部屋へ行き、隙を見て財布を盗む。その晩2人がカモにしたのは、保険数理士のドナルド・フィオーレだった。
フィオーレはすでにチェックアウトして部屋を出ていたが、通風口には濡れたハイヒールが隠されていた。トイレの便器の内側からは、カレンが着ていたドレスの物と同じスパンコールが発見される。フィオーレはカレンのドレスをトイレに流し、次に靴も流そうとしたが、流れなかったために通風口に隠したものと思われた。配水管にカメラを通して見たところ、ドレスは2階下の所で管に引っ掛かっていた。
フィオーレはカモにされて財布を盗まれたことを認める。彼は妻の財産で裕福に暮らしているため、女性の誘いに乗ったことを知られて離婚されることを何よりも恐れたのだ。そしてカレンが財布をネタに取引をしようと言って現れ、銃を突きつけたので争ったと、正当防衛を主張。ジリアンの件は何も知らないと言う。
その後、カレンのドレスからベッドのスプリングの素材が発見され、ジリアンの遺体を隠したのがカレンだということがわかる。では殺害したのは誰か。改めて部屋を調べたグレッグは、空のゴミ箱に注目。何も捨てられていなかったので最初は押収しなかったが、そこにかぶせられたビニール袋からは、唇と掌紋が検出される。
フィオーレは財布を取られたことに気づいてジリアンを尾行し、争いになってジリアンをビニール袋で殺害。しかし財布は見つからず、いったん自分のホテルに戻る。その後カレンが部屋に戻りジリアンを発見。フィオーレの仕業だと気づいたカレンはジリアンの遺体を隠して時間を稼ぎ、フィオーレに接触し、財布と引き換えに5万ドルを要求。そこでまた争いになり、結局カレンもフィオーレに殺されてしまったのだ。
感想
役者って大変だなぁ……としみじみ思ってしまった今回のエピソード。全身に青い粉をまぶされ、ブラシでスリスリされて指紋を付けられても、身動きできないなんて。ちょっとお腹が上下したり鳥肌が立ったりしていたが、これは仕方ないよね。下着を着けたままじゃダメだろう、とも思ったけど、これも別の事情で仕方ない。
でも、えんえん時間をかけて取ったこの指紋、その後ほとんど言及されなかったような気がする。おそらくフィオーレと一致したのだろうけど、フィオーレの指紋がどこにも登録されてなかったのだろう。
さて、事件はめずらしく2件別々で関連性なし。青い粉スリスリはホテルで死亡していた女性の事件で、こちらはキャサリンとグレッグ担当。犯人役の人は、シーズン5「第三の性」に続いて2度目の登場だが(前回とは全然別の役)、マイアミとNYにもすでに出演して3種目制覇しているはず。保険数理士らしく「費用対効果を計算した」ととくとくと話すのだが、そこまで冷静だった割には靴をトイレに流そうとして失敗して隠すとか(ドレスはよく流せたものだね)、凶器のビニール袋をご丁寧にゴミ箱に戻すとか、やることが丁寧なんだか抜けているんだかよくわからない。まぁ本人は冷静に計算しているつもりで、内心はそうでもなかったということなのだろう。
ニックと教授の事件は「ジキル博士」につながっていくのか……と思ったら結局無関係で、貧しい不法移民のために尽くしているヤミ医者の話だった。ジキルとは正反対の存在と言えるかもしれない。こちらでは久しぶりにキャバリエ刑事が登場。
ラングストンは現場で資料を素手でさわったため、ウェンディから「除外用にDNAサンプルを」と言われるが拒否。捜査官のDNAは、指紋と同じように強制的に提出するのかと思っていたけれど、そういうわけでもないのか。そういえばNYでも、ステラのDNAが「手違いで登録されてしまった」という台詞があった。教授の場合は、例の暴力性と結びつく遺伝子の件を知られたくないということかな。
ところで、冒頭のホテルで言い争っていた日本人夫婦の夫の方は、神田瀧夢さんという日本人タレント。アメリカでリアリティショーの司会やコメディライブなどで活動している方らしい。役名がYuki(夫)とSuki(妻)なのはともかく、日本語がちゃんとしていると、何だかホッとするわ。そして同じ場面に出ていた二日酔い男は、脚本家の Dustin Lee Abraham とのこと(今回の脚本担当ではない)。そういえば初期シーズンではズイカーさんが何度か出てきてたっけな、と思い出した。