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CSI - Season 10, Episode 15
#221 Neverland
- 邦題:「僕たちの失敗」
- 脚本:Tom Mularz
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2010-03-11
事件概要
ウィル・サター
空き地で少年の遺体が発見される。血の量から判断して、遺体遺棄と思われた。「死体が見えた」という匿名の通報があったが、その時刻はまだ夜明け頃で暗く、本当に見えたとは思えない。手の爪には乾いた血液、遺体には2種類の繊維が付着していた。ひとつはソファなどの家具によく使用されるもので、もうひとつは旧型キャデラックのカーペットの物と判明。
少年の氏名はイースト・ラスベガス高校に通うウィル・サター。メイソンとスティーヴという親友がいたが、2人とも「ウィルとは最近あまり親しくない」と言う。パソコンのデータから、40歳の図書館員と交流し史跡を見に行こうと誘われていたことがわかるが、その図書館員は結局鉱山史に興味を持つ仲間同士なだけで、実際の面識はなかったとわかる。
ウィルの爪に付着していた血液のDNAを調べたところ、何と服役囚サイモン・ローズと一致した。ローズは2年半前に妻のサマンサを殺害した容疑で逮捕され、有罪になって現在も服役中。弁護士のステッカーは「ローズ氏と同じDNAパターンを持つこの事件の犯人こそが、サマンサ殺しの真犯人」と主張して再審を要求する。当時ローズ事件を担当したサラは、弁護人がわざと血液を仕込んだのではないかと疑う。
サラは中央保管庫へ出向いてローズ事件の証拠を確認し、帰りに駐車場で旧型のキャデラックに目を留める。そしてトランクの中から、ウィルが食べていたキャンディの包み紙を発見する。それは保管係ジョージの車だった。
ジョージはウィルの遺体を遺棄したことを認める。彼はウィルが忍び込んだことを夜中に発見し、声をかけるとウィルは脚立から転落して死亡。侵入者があったことが露見すると、保管されているすべての証拠に疑問が呈されてしまうと恐れたため、ウィルの遺体を遺棄し、証拠品を封印し直したのだ。現場にはローズ事件の番号を書いたメモが残されており、ウィルがその証拠品を狙って入り込んだことは明らかと思われた。
そこへ「ウィルの母親が1万ドルを口座に入れた」という匿名の通報があり、また母親が以前働いていた店の共同経営者がローズであることもわかるが、母親はいっさい関わりを否定。その1万ドルは離婚した前夫が「ギャンブルで当てた」と気まぐれで持って来たもので、事件を知った前夫が金が惜しくなって腹いせに通報したに違いないと言う。
侵入経路を探るためにカメラ映像を確認した結果、ウィルは証拠品のソファの中に隠れて中に潜り込んだことがわかる。「血痕の付着したソファが公園で発見された」という報告があり、捜査に備えて保管庫に運び込まれていたのだ。
ソファの血は魚の物だったが、それをでっち上げたのはウィルの親友で警官の息子メイスンらしいとわかり、ブラス警部はメイスンの自宅に向かうが、メイスンは誰かに頭を殴られ、重傷を負って倒れていた。そばにステッカー弁護士の名刺があったので事情を聞くと、ステッカーはメイスンから「ウィルが証拠保管庫に忍び込んだ方法を警察に知らせたら、ローズは刑務所から出られなくなる」と金銭を要求されたことを認めるが「タクシー代として200ドル渡して帰らせた」と主張。
メイスンを殴ったバットの指紋を調べると、身元不明だったが火災現場で出た証拠品の物と一致する。その火災はウィルが死ぬ前の夜にローズ通りの空き家で起きたもの。メイソンはその証拠品を取り返そうとして、父親のオフィスで証拠番号を調べたが、「ローズ通り (Rose St.)」と間違えて「サマンサ・ローズ事件 (Rose S.)」の番号をメモしてしまったのだ。サラは証拠品の中からテキーラのビンを見つけ、スティーヴがテキーラを飲んだ様子だったことを思い出す。
スティーヴは自宅にいなかったが、サラとラングストンはローズ通りの空き家から再び炎が上がっていることに気づき、中にいたスティーヴを保護する。
スティーヴは、メイスンと一緒に空き家で麻薬を吸い酒を飲んだ時に火事を起こしたことを認める。2人はその場から逃げ出したが、戻った時にはすでにCSIが現場で証拠品を集めていた。身元が割れると大変なことになると、2人は親友で頭の良いウィルに相談し、証拠品を取り返してもらおうとしたのだった。だがウィルは死に、スティーヴは平然と弁護士を恐喝したメイスンを許せず、メイスンを殴り倒し、「呪われた金」を燃やそうとしたのだった。
感想
空き地に少年の遺体が遺棄された事件と、2年半前に起きた殺人事件で、共通するDNAが発見される。2つの関連する事件かと思ったら、実はまったく関連のない事件。証拠箱に保管されていた血液がたまたま手についたために、別々の事件にありもしない関連が生じてしまった。2つの事件がひとつに結びついていくというパターンが最近多かったが、今回はその逆。
ウィルの母親が勤めていた店の出資者がサイモン・ローズだったのはちょっとでき過ぎじゃないか、とか、ジョージは元CSI(「そのベストを着ていた頃は」という台詞あり)にしては工作がお粗末じゃないか、とか、証拠品は全部袋に入れて封印されていたはずなのに、いつ血液が爪の下に入ったんだ(転落した時に封印が破れたのかな?)、とか、いくつか言いたいことはあるものの、全体としてはきれいにまとまったエピソードだったと思う。
ラスト、無邪気に遊びまわる3人の動画を見ていると、彼らの少年時代が永久に失われてしまったのだということが改めてられ、やるせない思いに捕らわれてしまう。そしてこういう場面にはやはり、ニックの存在が欠かせない。でもあのiPodはスピーカーにつながないと音は出ないと思うけど。
— Yoko (yoko221b) 2012-05-07