• 邦題：「惨劇へのプロローグ」
• 脚本：Evan Dunsky
• 監督：Frank Waldeck
• 初回放映：2011-04-28

郊外にある農場の納屋でバラバラ死体が発見される。胴体部分は女性だが、そばに落ちていた手は男性のもの。現場へはニックとラングストンが向かうが、途中でラングストンに呼び出しがかかり、署へとトンボ返り。

ラングストンが呼び出されたのは、ハスケルの「花嫁」のひとり、ヴィヴィアン・ティンズデールが拘束されて身代金を要求する動画が父親に送られたためだった。父親のエイヴリーは、ヴィヴィアンとは縁を切ったと言うが、説得に応じて金の受け渡しに協力することになった。

エイヴリーはイヤホンを装着して指定された公園へ向かうが、ハスケルからの電話を受けるときにイヤホンを外してしまい、会話の内容を聞くことはできなかった。ラングストンは近くに別の「花嫁」、ティーナ・ヴィンセントの姿を見つけて取り押さえるが、ティーナは具体的なことは何も話そうとせず、公園にいたというだけで勾留することもできず、釈放される。

エイヴリーのPCを調べた結果、ハスケルは今回より前にもメールを送りつけていたことがわかる。エイヴリーはヴィヴィアンをレイプし、またヴィヴィアンの夫を殺害した可能性があった。ハスケルはそれを知って恐喝したのだ。だがティンズデール家に向かってみると、エイヴリーはすでに死亡していた。ハスケルから送られた「ヴィヴィアンからビデオを見せられた。それを警察と共有しよう」というメッセージを見て絶望し、拳銃で自殺したものと思われた。

一方、ニックが担当する事件は、男性の方が形成外科医のグラハム・コールと判明。診療所へ行くとそこには血溜りが2つあり、そこが最初の殺害現場らしいとわかる。コール医師はどうやら、逃亡犯の顔を整形手術で変えてやっていたらしい。既婚だが結婚はすでに破綻し、妻は「看護師のティーガン・マーフィと一緒にいるだろう」と言う。診療所の壁からは銃弾が発見されるが、その銃はハスケルが逃亡する際に使われたもの。ハスケルが整形して顔を変え、口封じに医師を殺したのではないかという疑いが生じる。

診療所の血溜りのうち片方はコール医師、もう片方はマーフィ看護師のものとわかるが、農場にあった女性の遺体とはDNAが一致しない。ニックとグレッグは、まだ遺体が隠されているのではないかと疑い、再び農場へ。

農場主のアーヴィン・ソープにハスケルの関係者の写真を見せたところ、ティーナはソープの親戚の娘だとわかる。ティーナは「顔に包帯を巻いた男」と一緒に、その農場の近くにある離れのような空き家にしばらく滞在していたという。そこへ行ってみると、複数の男女の遺体が発見される。結局、農場で殺害されたのは、コール医師、マーフィ看護師、ヴィヴィアン、そしてコールの患者だったカルヴィン・フロストの4名。遺体を切断した手口はハスケルとは異なる。おそらく、ハスケルが手術で顔を変えた後、ティーナとヴィヴィアンが診療所で医師と看護師を殺害し、運悪く居合わせた患者に手伝わせて遺体を農場へ運び、そこでティーナがヴィヴィアンを殺害。ティーナがハスケルの「お気に入り」の座に収まり、遺体をバラバラにしたものと思われた。

映像を分析した結果、ハスケルからエイヴリーに送られた動画はすべて、脱走した直後に撮影されたものとわかる。一連の事件で表立って動いていたのはティーナとヴィヴィアンだけで。すべては「ハスケルがまだベガスにいる」と思わせるための工作だという可能性が生じる。では現在、ハスケルはどこにいるのか。

その頃、ロサンゼルスのコンサート会場では、ラングストンの元妻グロリアが演奏中。聞き惚れている現夫フィルの横には、ハスケルとティーナの姿があった……。

シーズンフィナーレの3部作はやはりハスケルのストーリー。グロリアが絡んでくるのも、前々回の「予告」めいた示唆で予想したとおりだ。のっけからハイスピードで、ついて行くのが大変。被害者が多いので、どの時点で誰が死んでいるの？ と少々混乱させられる。結局被害者は、整形外科医と看護師、患者1名、ヴィヴィアンの計4人でよいのかな。ヴィヴィアンがハスケルの花嫁となった経緯を知るうえでエイヴリーの鬼畜ぶりは必要な要素だったかもしれないが、前夫を殺した（らしい）なんてことまで盛り込む必要があったのだろうか。この後の内容に関わってくることなのだろうか？

ハスケルが整形手術で顔を変えたというので、あの農場主のおじさんが実はハスケルなんじゃない？ と疑った（マイアミの影響かな）が、最後のシーンでハスケルが登場。別に顔が変わっているようには見えないが……いや待てよ、もしかしてこれはフェイクで、別人をハスケルそっくりに整形しているのでは？ とか色々と考えがぐるぐるしてしまった。ハスケルに化けた花嫁ならぬ「花婿」（爆）。だって若い男性（大学院生）の弟子がいたぐらいし、他に男性の追随者がいてもおかしくないと思う。

そして今回は、久しぶりにソフィア・カーティスが再登場！ 登場は、シーズン8のプレミア「殺人模型崩壊」以来なので、ほぼ4年ぶりくらいだろうか。現在は本部長補佐に昇進しているというから驚いた。いつだったか忘れたが、副保安官のマッキーン（当時）がソフィアを評価しているような描写があったような気がするが、マッキーンの一件には巻き込まれずに済んだようだ。でも登場シーンはほんのちょっとだけ。しかもあまり重要なことをしていないので、何のために出てきたのかよくわからない。しっかり役割を持たせるか、でなければいっそ出てこなくても良いのでは？ と思ったぐらいだ。そうでなくても今回、人数が多くてややこしいのだから。

— Yoko (yoko221b) 2013-05-20