Table of Contents
CSI - Season 11, Episode 21
#250 Cello and Goodbye
- 邦題:「この世の地獄」
- 脚本:Christopher Barbour, Don McGill
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2011-05-05
事件概要
フィル・ベイカー、ティーナ・ヴィンセント
ラングストンは「ハスケルの被害者らしい遺体が発見された」という連絡を受け、キャサリンとともにLAへ向かう。被害者は身元不明男性で、12箇所の刺し傷があることから、LAの科学捜査班(SID)に所属するモーガン・ブロディが「ハスケルの犯行ではないか」と疑い、連絡したのだった。
ハスケルは男女のカップルを襲い、刺し傷を1つずつ増やしていくのが特徴。前回、ハスケルの弟子が殺害した被害者の時(シーズン9「最後の授業(前編)」)は10箇所だった。1つ数が飛んでいるようだが、ラングストンを刺したのが11人目と考えられる。被害者の顔を見たラングストンは、グロリアの現在の夫であるフィル・ベイカーだと気づく。
フィルとグロリアの自宅には、フィルの物と思われる大きな血溜りがあり、ラングストンに宛てたらしいメッセージ的な物がいくつか置かれていた。マンションの防犯ビデオには、ハスケルとティーナが映っていた。結局ハスケルは整形などしていなかったのだ。キャサリンはサラを呼び、ラングストンにはベガスへ帰るよう言い渡す。ラングストンは空港へ向かう途中で姿を消し、ロビンスの携帯電話に思いつめたようなメッセージを残す。
グロリアがSNSに投降した写真に、ハスケルが「ウィロビー・J・ウィロビー」という名でタグ付けされていることがわかる。「ウィロビー・J・ウィロビー」とは、資金洗浄で財を成した実在の人物で、40年以上前に妻を銃で撃つという事件を起こしていた。同じ頃、ラングストンは質屋で銃とパソコンを手に入れ、ハスケルのメッセージからやはり「ウィロビー・J・ウィロビー」にたどり着き、ウィロビーが事件を起こしたペンウィック・ホテルでティーナを見つけていた。
その後、ティーナが拷問されたすえに射殺された遺体がペンウィック・ホテルで発見される。ラングストン捜索のためニックがベガスから来てホテルの現場でキャサリンと合流するが、事件はLAPDの管轄ということで現場から追い出されてしまう。だがモーガンが機転を利かせて現場写真をニックの携帯電話に送信。キャサリンは、モーガンがエクリーの娘であることに気づく。離婚後、母親が再婚して姓が変わっていたのだ。
ニックはラングストンの居場所を突き止めるが、キャサリンには内緒で協力し、ティーナの現場にあった証拠品の写真を見せる。中には「初めての時は忘れない」と血で書かれた入場券があり、これもラングストンへのメッセージと思われた。その入場券は埠頭の遊園地のもの。ラングストンはニックとともにその遊園地へ行き、回転木馬に注目。グロリアとの初デートが回転木馬だったのだ。
ニックとラングストンはそこでハスケルを発見するが、警官に見咎められて逮捕されてしまう。ハスケルは「グロリアは生きているぞ」と言って逃亡。ラングストンは今度こそベガスに送り返される。キャサリンたちはモーガンとともに証拠の分析を行い、ティーナ殺害現場の微細証拠に塗膜片が含まれていたことから、何度も塗装をし直した古い業務用ビルがハスケルの隠れ家であることを突き止める。
一方ベガスではグレッグが「ウィロビー・J・ウィロビー」について調べを進めていた。ウィロビーは妻を撃ったが殺したわけではなかった。また彼は重婚しており、2人目の妻オードリーはその後精神科病院に入院。入院先だった聖コレット病院は現在改装中。グレッグはそこがハスケルの潜伏先だと気づいてロスに連絡するが、結局そこにハスケルの姿はなく、彼らが来ることを予期したような嘲りのメッセージが残されていた。
ラングストンはウィロビーの資料を見ている途中で、オードリーの息子のアーヴィンがネバダ州ネッソスに住む親戚に引き取られたという記述を発見。ネッソスといえば、コール医師やヴィヴィアンの遺体が発見された農場がある場所。しかもオードリーの旧姓はソープ――農場主の名前がアーヴィン・ソープだった。ラングストンはネッソスの高校の卒業アルバムを調べ、アーヴィンの息子ワーナー・ソープを発見する――それがネイサン・ハスケルの本名だったのだ。
ラングストンはネッソスのソープ農場へ向かい、そこで瀕死のアーヴィンを発見。彼は何かをつぶやき息絶える。ラングストンはさらに、監禁されているグロリアを発見。そこへハスケルが姿を現す。
感想
ハスケル、結局整形してなかったんかい。予想がはずれてがっかりだが、別の役者がハスケルを演じるわけにもいかないのだろうか。しかしあの農場主はやはり怪しかった! そうか父親だったのか~。何となくだけど、父親はもうとっくにハスケルに殺されていると思い込んでいたわ。
予想通りグロリアさんは拉致……そういえばハスケルはカップルばかりを狙う「ディック&ジェーン・キラー」なのだったっけ。すっかり忘れていた。ラングストンはグロリアはすでに死んでいるだろうと判断し、復讐のためにハスケルを追跡するが、グロリアは生きているという。ここでラングストンの最優先事項は復讐から救出に変わる。ハスケルを殺すのではなく生きて捕らえ、グロリアを助け出す。ここに前々回のレディ・ヘザーの言葉「善きラングストン教授にはハスケルを捕まえられない」はどのように関わってくるのか。ラングストンの中の邪悪な部分が噴出してしまうのだろうか。
今回ラングストンはいろいろ命令違反を重ねているが、ティーナの拷問と殺害がハスケルの仕業なら、まだまだ「ダークサイド」とは言いがたいレベル(マイアミのあの人を見よ)。ハスケルの運命はうすうす知ってはいるのだけど、そこへ行き着くのにどういう道筋をたどるのか――。
それにしてもハスケルの事件は有名で裁判はTV中継され、さらに脱走したこともニュースになっただろうから、グロリアも顔ぐらいは見ているだろうに、なぜハスケルに気づかずあんなに無防備だったのか。ハスケルは人心掌握の術に長けているという設定なのかもしれないが、どうもあの描写からはキモさが漂うばかりで(←褒めてます)そうは読み取れないし。「クリミナル・マインド」のホッチ対リーパーの時も同じことを思ったので、整形というのはそういうツッコミを回避するためかと思ったんだけどなぁ。
さて今回はLA市警のCSI、じゃなくてSID (Science Investigation Division) のモーガン・ブロディが登場する。これが何とエクリーのお嬢さん。美人で優秀で機転がきいて、パパには全然似ていないじゃないの。以前はCSIジュニアたちといえば問題児ばかりだったが、最近は少し傾向が変わってきたようだ(エリー・ブラスさんだけは相変わらずみたいだけど)。
— Yoko (yoko221b) 2013-05-22