Table of Contents
CSI - Season 12, Episode 4
#255 Maid Man
- 邦題:「ゲッダの日記」
- 脚本:Dustin Lee Abraham
- 監督:Martha Coolidge
- 初回放映:2011-10-12
事件概要
オスカー・グッドマン
「マフィア博物館」の開館記念パーティで、前市長のオスカー・グッドマンが銃撃される。パーティに出席していたラッセル、キャサリン、グレッグがただちに捜査に着手。犯人の逃走ルートの見当をつけて外へ出てみると、警備員が顔面を撃たれて死亡していた。
グッドマンは防弾スーツを着ていたため重傷を負わずにすんでいた。防弾スーツは特定の敵を恐れてのことのではなく、単なる用心のためだという。市長時代には敵もおり、その前はマフィア専門の弁護士だったが、全員を無罪にできたわけではないので、恨みを買っている可能性があったのだ。
現場を調べた結果、3種類の銃弾が発見される。グッドマンを撃った拳銃は現場の床に落ちており、80年代の未解決事件で使用された物と一致した。事件はいずれも未解決だが、犯人はルウ・ゲッダに雇われていた殺し屋のヴィニー・サファイアであると言われていた。
ヴィニーはもう20年も行方不明。妻のジョアンナは「ヴィニーの行方は知らない。彼は弁護を断ったグッドマンを嫌っていた」と言う。
博物館の近くに古い型のキャデラックがいたことがわかり、ナンバーを照合するとヴィニーの愛車であり、防犯カメラに映っていた運転手はヴィニーによく似ていた。
現場の状況を再構成した結果、警備員が展示ケースを撃って、中に入っていたゲッダの日記を盗んで逃走し、共犯者と逃亡しようとしたところで射殺されたことがわかる。盗まれた日記のコピーを見ると、中にあったのは暗殺目標のリストであった。しかしそれはヴィニーが殺害した被害者のリストであり、ヴィニーが今さら内容を知る必要はない。さらに、リストの最後に乗っている名は「チェザーレ・マストラントニオ」という架空の人物の名前。
手配中のキャデラックがモーテルで発見され、部屋には男装した女性の遺体があった。遺体はヴィニーの愛人だったモニーク・ロバーツとわかる。
ラッセルは、リストにあった架空の名前「チェザーレ・マストラントニオ」に注目する。この人物は出生記録がないので架空の人名と思われていたが、調べてみると死亡証明書があり、霊廟に埋葬されていることがわかる。ラッセルが行ってみると、そこではジョアンナが泣きながら大騒ぎを演じていた。
20年前、ヴィニーは「善人の要素がない」からとグッドマンに弁護を断られ、愛人のモニークと逃亡。だが5ヶ月前にヴィニーが死亡し、ヴィニーから「ゲッダの隠し財産」の話を聞いていたモニークは、その財産を手に入れるためにジョアンナと手を組んだ。そして、銃撃騒ぎに乗じて手がかりとなる日記帳を盗み、モニークが警備員を、ジョアンナがモニークを殺害したが、隠し場所であるマストラントニオの墓には何も残っていなかった。退職した霊廟の管理人が持ち逃げしたものと思われる。
ジョアンナは「グッドマンがヴィニーを弁護して無罪にしていれば、自分が捨てられることもなかった」と殺意を認める。グッドマンは自分を殺そうとした相手と知りつつ「ここはアメリカだ。誰でも弁護を受ける権利がある」とジョアンナの弁護を引き受ける。
マリア・ガルザ
ニック、モーガン担当。中東の王子が滞在しているホテルの部屋で、客室係が目を刺されて殺害される。部屋には隠しカメラがあり、王子がマリアに性的な要求をしてひそかに撮影していたか、あるいは逆にマリアが撮影して王子をゆすろうとしていたのではないかと疑われた。
しかし指紋から、カメラを仕掛けたのは薬物所持の前歴を持つマシュー・ラパーズと判明。カメラが撮影していたのは金庫の番号式キーで、王子の高級時計は偽物にすり替えられていた。
王子の部屋を担当するマリアのカートにあったタオルはすべて新品で、毎日取り替えられていたはずだが、現場にあったタオルは新品ではなく洗ったもの。そこからマリアの同僚であるポーレットが犯人であるとわかる。彼女の自宅からは、客から盗んだ貴金属類が隠されていた。マリアはポーレットの犯行を知り、客室主任に報告すると言ったため、口封じに殺害されたのだ。
感想
毎年恒例の「オールド・ベガス」テーマの作品。今回はマフィア博物館のオープン記念式典ということで、ラッセル、キャサリン、グレッグが出席。このマフィア博物館、本当にベガスに実在するのだそう。そういえばグレッグはベガスのモブ列伝みたいな本を書いていたはずだが、あれは無事に出版されたのだろうか。
マフィア博物館だけあって、展示品もベガス市警察の証拠保管所から提供されているようだ(実際にもそうかどうかは知らない)。しかしそれにしても、何十年も前の解決済み事件だけではなく、わずか4年前に殺害されたルウ・ゲッダの遺品まであるとは。ゲッダの件はベガス署の上層部まで腐敗が浸透していたことを示す事件であり、いくらその後保安官が交代したとはいえ、よくこれを提供する気になったものだと思う。
また、今回前市長のオスカー・グッドマン役で登場したのは、実際の前市長であるグッドマン本人。市長なのだから、もともとメディアへの露出も多めな人だったのだろうが、堂々たる役者ぶりだ。最後にジョアンナの弁護を引き受けるところも良い。
事件は2つで、モーガンが今度はニックとコンビを組んでホテルで客室係が殺された事件を担当。被害者が担当していたのが中東の王子の部屋、ということでこちらもゴージャス。事件自体はシンプルに解決した。