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CSI - Season 12, Episode 15
#266 Stealing Home
- 邦題:「ドクロの家」
- 脚本:Treena Hancock, Melissa R. Byer
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2012-02-22
事件概要
フレッド・ブランチャード、デニス・ハッチングス、トニー・ペレーラ
ドウェイン・ヒックスという男性から「妻が行方不明だ」という通報がある。しかし自宅へ出かけてみると、何と自宅がまるごとなくなっていた。ドウェインが仕事に出かける時には家があり、中に妻のデビーがいたが、帰って来ると家と妻が消えていたというのだ。そこへドウェインの兄弟のジミーと妹のマーラが来て、言い争いを始める。
その家は、兄妹の母ロイス・ヒックスの物だったがロイスは最近死亡しており、現在はドウェインとデビーが2人で住んでいた。父親のウォルターは10年前から行方不明。当時ウォルターはクリーニング店を経営しており、共同経営者のフレッド・ブランチャードの金を持ち逃げしたらしい。フレッドはその後ロイスと親密になり、数年前から同居するようになったが、ロイスの死後ドウェインが家から追い出していた。
近くの防犯カメラで、3人の男性が家を大型トラックで運ぶ姿が確認される。トラックは近所で壁を壊したり電線を切るなどの被害を与えながら砂漠へ向かっており、間もなくヘリで発見される。その家の下には、胸部をつぶされた若い男性の遺体がはさまっていた。氏名はデニス・ハッチングス、家をトラックで運んだ3人組の1人だった。
家の中には大量の血痕があり、遺体はなかったが血の量から人一人死亡しているものと思われた。フィンは血痕を見て「鋭気損傷の血で、少なくとも4回は刺されたはず」と判断する。最初、デビーが刺し殺されたかと思われたが、そこにデビーが元気な姿を見せる。カジノでギャンブルに興じていただけだった。
その後、道路で車に轢かれた男性の遺体が発見され、その血液がヒックス家で見つかった血痕と一致。男性はフレッド・ブランチャードで、家で刺されて死亡した後、家ごと運ばれている間に戸口から落下し、車に轢かれたものと思われた。
ハッチングスがマーラ・ヒックスと連絡を取り合っていたことがわかり、マーラは家を盗ませたことを認める。母親が死んでから兄2人が家をめぐって争ってばかりなのを見ていられなかったという。そもそも母親はシロアリに食われてボロボロになったポーチが崩れたせいで死に、家に殺されたようなものだったのだ。しかし、誰も傷つけるつもりはなく、フレッドがいたことは知らなかったと主張する。
ニックとモーガンはヒックス家で凶器のナイフを探すが、その途中でニックは、ミイラした遺体が壁の中に封じ込められているのを発見。少なくとも死後10年は経過していると思われた――兄妹の父親ウォルターが失踪したのは10年前だ。
そこで兄妹とDNAを比較した結果、遺体はマーラの父親ではあるが、他の2人とは血縁関係がないことがわかる。
凶器の方は家から見つからなかったため、フレッドとともに道路に落ちた可能性が考えられた。そこで道路を丹念に調べたところ、バラバラになったナイフや柄の欠片が発見される。欠片をつなぎ合わせたところ、指紋が残っていることがわかり、調べてみると、何と、死んだと思われていたウォルター・ヒックスと一致する。
また、ミイラ化した遺体とともに古びた紙片が発見されており、それを解読したところ、ロイス宛てのラブレターであるとわかる。ロイスは20年前、ウォルターと別れて恋人のトニーと再婚しようとしていたようだ。
ウォルター・ヒックスの行方はつかめなかったが、ミドルネームを使って調べてみると、同名の男性が2日前に使ったクレジットカードが見つかり、身柄が拘束される。ウォルターはロイスが実家に帰っている時にトニーからのラブレターを見つけ、争った末に殺害。壁の中に遺体を隠し、消臭剤で臭いを消して板で封じ込めたのだ。そしてその10年後、ブランチャードの金を持って逃亡。しかしロイスが死亡したことで、家が人手に渡るとトニーの遺体が見つかってしまうと恐れ、こっそり遺体を持ち出そうと家に戻り、荷物を取りに来たブランチャードと鉢合わせ。金のことで争い、ブランチャードを刺殺してしまったのだ。
ドウェインとジミーは相変わらず家を巡って争うが、サラが「家を運ぶ時に与えた損害が10万ドル程度」と言うと、たちまち所有権を放棄してマーラに責任を押し付けようとする。結局マーラは家を手放して寄付することで損害賠償を免れるようだ。
感想
定期的に登場する、コメディタッチのエピソード。
それだけでなく、他にもデジャビュな要素があるぞ~と考えてみたらあれだ、シーズン11「ゴミ屋敷の法則」。あっちはあっちで定期的に現れる陰鬱エピだったけど、使われている素材が似ている。被害者が~だと思ったら違ったという展開、隠された白骨死体、家族間の諍い、そして「家」に巣食う病理――家に住む家族の病でもあるが、物理的な「家」の存在感がものすごく強い。
似た要素を扱っていながら、全体の雰囲気がまるで違っていて面白い。
ドウェインとジミーを演じた役者は一卵性双生児のコメディアンだが、作中ではDNAが区別されていたので、役柄は単によく似ている兄弟というだけのようだ。そしてニックは、前回ウェスが搬送されたERで知り合ったナースと交際している様子。今後も登場はあるのだろうか。