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CSI - Season 12, Episode 18
#269 Malice in Wonderland
- 邦題:「残酷なワンダーランド」
- 脚本:Joe Pokaski
- 監督:Alec Smight
- 初回放映:2012-03-21
事件概要
アンドリュー・ミルナー他
コスプレ結婚式場に強盗が押し入り、新郎のアンドリュー・ミルナーを射殺し、宝石や貴金属を奪って逃走する。被害者は頭を撃たれて死亡していたが、脳から銃弾を取り出してみると、なぜか洋服のボタンが入っていた。
実験の結果、ボタンが入っていたのは犯人が空砲を使ったためとわかる。この結婚式は「不思議の国のアリス」のコスプレで行われており、新婦がアリス、新郎が帽子屋に扮していた。犯人が銃を向けた時に帽子のボタンが銃口を塞ぐ形になったため、ボタンが銃弾の代わりになってしまったのだ。
翌日、ドライブスルーで結婚式を挙げていたウォルター・ガーシュとクリスタル・ハッセルベックが襲われ、指輪や車などが奪われる。事件はすぐに通報されて警察が駆け付けていたが、犯人は手際よく逃走してしまっていた。変装した犯人が空砲を使い、金品を奪って短時間で去るという手口が似ているため、コスプレ式場の事件と同一犯人とみなされる。奪われた指輪は高価なものだが、1点ものなので、売ろうとしてもすぐに足がつく物だった。
ホッジスはクリスタスが襲われた時についたドレスの汚れを調べ、入れ歯の洗浄剤であることを突き止める。
その後、ガーシュらの乗っていたロールスロイスが発見されるが、金でできた装飾がすべてはぎとられていることが判明。犯人の狙いは宝石ではなく金だと分かり、金の買取屋を調べたところ、フレドリック・ラットの存在が浮かぶ。だがラットは口から金を流し込まれた無残な姿で発見される。
調べたところ、飲まされていたのは金ではなく黄鉄鉱。「仲間割れをした」と思わせて捜査をかく乱する作戦ではないかと思われた。
ニックは犯人の逃走ルートを検証し、どちらの事件でも犯人がパトカーに囲まれながら短時間で逃走していることに注目する。犯人はタクシーの運転手など、抜け道に詳しい職業かもしれない。ラッセルは過去にNYとシカゴでも類似事件が起きていることを調べ出す。どの事件でも金・土・日に3件連続して犯行を行っている。コスプレ婚は金曜、ドライブスルーは土曜なので、次の日にまたどこかが襲われる可能性があった。
マンディはラットの現場で採取されたラテックスから部分指紋を検出していた。ほんの一部だけで、かろうじて特徴はわかるものの、該当者が多すぎて絞り込めない。その場にいたモーガンが、ニックの言葉から「犯人は救急隊員かもしれない」と思いつき、絞り込んでみたところ、シカゴから転属したカイル・ハートリーが浮上。カイルの妻エミリーは、クリスタルが指輪を購入した宝石店の店員だった。
その頃、エミリーが勤務する店にはホッジスが母親のオリヴィアとともに訪れていた。ホッジスは母親を安心させるために、モーガンに恋人を演じてもらっていたが、オリヴィアがモーガンをすっかり気に入ってしまったのだ。そこでホッジスはカウンターに置かれた入れ歯洗浄剤に気づく。ジュエリーの手入れに使われるものだ。
ホッジスは店員が犯人であることを知って立ち去ろうとするが、カイルとエミリーによって人質にされてしまう。カイルはホッジスとエミリーを救急車に乗せて逃走。すぐに緊急配備がなされるが、無線で話した内容は救急車にも筒抜け。モーガンはそれに気づいて無線に偽の情報を流し、本来の通信は別のチャンネルで行うことにした。車内ではホッジスが隙をついてエミリーに鎮静剤を打ち、そうこうするうちにパトカーに囲まれてカイルは投降。ホッジス母子は無事に救出される。
感想
ラスベガスはギャンブルの街として有名だが、実は結婚式の名所でもある。ネバダ州では結婚・離婚の手続きがとてもシンプルであるためらしい。「ベガスで結婚式」はスピード婚を表す言葉でもある。CSIで事件に関連して登場したのは、シーズン5の「ラスベガス狂気の夜」以来かな? (他にもあったかもしれないが印象に残っていない)
事件は、結婚式場を狙って複数の州を渡り歩く2人組。夫が救急隊員として抜け道を調べ、妻が宝石店で獲物を物色。役割分担を決めて時間をかけて念入りに準備をしているので、ボニーとクライドのような破滅型カップルとは違う。空砲を使って人身への被害を出さないようにしているような所もプロっぽい。そう考えると、金の買取屋を殺害したことや、最後の宝石店の犯行が暴力的だったのがちょっと変な気もするけど、おそらく予定外にアンドリューを殺してしまったことで、歯車が外れたように何かがおかしくなってしまったのだろう。
さて今回、事件より驚いたのがホッジスママの登場! 以前にミューズの事件で「おしゃれだ」と言っていたが、それもそのはず、元チャーリーズエンジェルのジャクリーン・スミス。チャーリーズエンジェルといえば、シェリル・ラッドはマイアミでクーガーマダムになり、ケイト・ジャクソンはクリマイのエミリーママ。人生いろいろだなぁ。
ホッジス夫人はいい年してまだ独身の息子が心配らしく、ホッジスは「職場恋愛中」だとごまかしていたようだ(ウェンディがいた頃は別に嘘でもなかったと思うが)。するとママが職場を訪ねてくることになり、誰かに恋人役を頼まねばならなくなった――という、ドラマの定番ネタ的展開。こういうの、むしろフィンの方が引き受けてくれそうな気がしなくもないが、マンディに頼んで断られたかと思うと、意外にもモーガンからの助け舟が!
この後、ホッジス&モーガンが接近していくのか、それともパパとママがくっついちゃうのか、あるいはその両方か……。レギュラーキャストの恋愛は基本的に反対な立場だが、この2組なら何となく許せてしまいそう。あまり重い話にならず、コメディリリーフとして受け流せそうだからかな? まぁそれも今後の展開次第。