Table of Contents
CSI - Season 12, Episode 21
#272 Dune and Gloom
- 邦題:「ドリーマー」
- 脚本:Tom Mularz
- 監督:Jeffrey Hunt
- 初回放映:2012-05-02
事件概要
ジャック・ブレズリン他
オフロードレース中の車が激しく炎上し、ドライバーが死亡する。車にはもうひとりナビゲーターが乗っていたはずだが、どこにも姿が見えず、ヘルメットだけが近くに落ちていた。
死亡したドライバーのチーム名は「ア・ファラオズ・モータリスツ(A PHARAOH'S MOTORISTS)」といい、メンバーはいずれも苗字が「ホワイト」の3人だったが、チームのトレーラーはすでに撤収しており、メンバーの姿はなかった。ホワイト兄弟の氏名も、偽名とわかる。身に着けていたTシャツのデザインから、被害者は退役軍人のジャック・ブレズリンと判明するが、仲間2人の身元は不明。
グレッグは事故現場での破片の飛散状況から、単なる事故ではなく爆薬が使われたのではないかと疑う。車の破片からもニトログリセリンの痕跡が検出されたため、現場を広く捜索した所、起爆装置が発見される。近くで別の車の破片も発見され、車体番号を調べたところ、持ち主はアート・ウェバーという初老の男性だとわかる。ウェバーは、車がオイル漏れを起こして困っていたところ、通りがかった若者たちが部品を交換してくれたと話す。そのうちの1人がジャックで、「腐った世の中を変えたい」と口にしていたという。
このレースには、スポンサーであるベック石油のCEO、キャシー・ベックも参加していた。この会社は環境保護団体などから敵視されており、彼女が標的である可能性も考えられた。
ジャック宛の留守電には「車には乗るな」というメッセージが残されていた。その音声の背景にオンデマンド映画の音声が入っていたため、発信元がホテルであるとわかる。再生記録から部屋を特定して踏み込んでみたところ、部屋には破壊活動のためのマニュアルやターゲットと思しき人物や建物の写真などが大量に置いてあった。荷物のタグから、仲間2人の氏名はマルコム・プラットとクライブ・モリスと判明。そこへクライブが戻って来て、なぜか浴室の窓から入ろうとしたところを逮捕される。
クライブは「政府が自分たちを監視、支配している」と口にし、落ち着かない様子を見せる。ラッセルはその様子を見て、妄想に取りつかれているがテロリストとはタイプが違うと判断。実際、クライブは妄想性人格障害で入院しており、入院先から捜索願が出されていた。マルコムも同じく入院患者で、通院しているジャックも同じグループセラピーに参加していたことがわかる。3人はとても仲が良く「三銃士」を自称してカーレースに熱中していたという。
ラッセルは3人のチーム名「A PHARAOH'S MOTORISTS」の “A” という冠詞に違和感を感じ、何かのアナグラムではないかと思いつく。並べ替えてみると、Athos、Porthos、Aramis というデュマの『三銃士』の登場人物の名前になった。ラッセルは「彼らはテロリストではなくドリーマーだ」と結論付ける。
一方、ベックのメールを調べていたヘンリーは、ここ数日マルコムから脅迫メールが何通も送られていることを発見する。発信元をたどると、モハベ砂漠に行き着く。現地へ行ってみると、ベック石油のトレーラー。中ではベック石油のレースクルーが撃たれて死亡しており、マルコムも虫の息で倒れていた。マルコムは、キャシー・ベックが拉致されたと言って息絶える。
フィンは、デュマの小説と同じように、この「三銃士」にも4人目の仲間がいたのではないかとないかと思いつく。そこでクライブに話を聞いてみると、クライブは「腐った世の中を変える」ために計画に参加したと口にする。サラはその言葉を聞き、4人目の銃士がアート・ウェバーであると気づく。
ウェバーが勤務していた採掘会社はベック石油の子会社。ウェバーは、トップの独断で医療保険や年金を奪われ、妻を病気で亡くしたため、ベックに対する恨みをつのらせていた。そこで「三銃士」の3人と出会って計画に引き入れ、会社から盗んだダイナマイトを使ってテロを企てたのだった。
ウェバーはベックを助手席に乗せ、爆弾車でベック石油に突入しようとするが、クライブに説得されて自爆を断念する。
感想
何だかシーズン9の「ラ・マンチャの男たち」を思い出すエピソード。精神疾患を抱え、病院で出会って意気投合し、世の中を良くするための行動に挑んだ3人組。3人のうち1人が冒頭で死亡し、もう1人も途中で殺される展開、古典文学への言及。
何話か前の「ドクロの家」の時は、似たような要素を使いつつ、まったく違った雰囲気の話に仕上がっていて面白いと思ったのだが、こちらの方は雰囲気まで何だか似たような感じになってしまって、二番煎じ感が拭えなかった。
それに、事件の経緯も完全に解明されたとは言い難く……結局ナビゲーターは誰で、どの時点で車を降りたのかなど、細かい点がよくわからないままなのが消化不良。
そして前回、モレノ刑事に気がありそうだった風のフィンは、どうやら彼とデートしている様子。フィンは確か、結婚式場強盗のエピで「2回結婚した」とか言っていたような気がするが……うーん、ホッジスとモーガンの親子デートはそうでもなかったけど、フィンまで――となると、ちょっと「止めてー」って感じ。多分、まだいまいちフィンに共感できていないせいではないかと思う。
— Yoko (yoko221b) 2015-03-01