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csi:s12:273_homecoming

CSI - Season 12, Episode 22

#273 Homecoming

  • 邦題:「カルマ」
  • 脚本:Christopher Barbour, Don McGill
  • 原案:Christopher Barbour, Larry M. Mitchell
  • 監督:Alec Smight
  • 初回放映:2012-05-09

事件概要

ヴェロニカ・ギルモア、ドニー・プライス、アロンゾ・シール

再選を目指す保安官のリストンがパーティを開き、ラッセル夫妻やホッジス母子も出席する。だがちょうど保安官が演説をしている間にモーテルで三重殺人事件が発生し、ラッセルらはそのまま現場へ向かう。

発見したのは、囮捜査中だった風紀課のモレノとクレンショー。麻薬ディーラーのドニー・プライスと会う予定を組んだが、来てみるとプライスも用心棒のアロンゾ・シールも殺されており、浴室では女性が死亡していたという。この女性はヴェロニカ・ギルモアで、夫のジャック・ギルモアは元マフィアだったが、現在は改心してマフィアとの関係を断ち、リストン保安官の有力な後援者になっていた。

被害者のうち、男性2人は射殺されていたが、ヴェロニカは肝臓がつぶれて液状化するほど激しい殴打を受けて死亡していた。また、血染めの靴跡が室内にしかないことから、犯人は靴カバーをしていたものと考えられた。つまり、激情ではなく計画的な犯行。ヴェロニカが夫と別居してプライスと同棲したことから、フィンはあからさまにギルモアを疑い、ラッセルやリストンにたしなめられる。

ギルモアは犯行直前までスピーチをしていたが、その後保安官は18分間にわたり演説を行っていた。その間は誰もギルモアに注目しておらず、犯行現場はパーティ会場に近かったため、18分あれば3人を殺害して往復することも可能であると思われた。ただし返り血を浴びていないので、身体を覆った物を途中で捨てている可能性がある。

そこで犯人の足取りをシミュレーションしてみたところ、ゴミ箱から血染めのジャージとホッケーのスティックが発見される。いずれもギルモアが出資しているホッケーチームのもの。チームの練習場を調べたところ、スティックは選手のピーター・ガニエの物とわかるが、ガニエにはアリバイがある。

そこで設備の管理責任者のドミニク・ブルーノに話を聞いてみると、ブルーノは「ギルモアからブライス殺しを依頼されたが、断った」と言う。ブルーノは以前、マフィアのルウ・ゲッダの下で働いていたことがあった。

ギルモアへの疑いが濃厚になるが、フィンはギルモアがALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っており、肝臓がつぶれるほど殴打することは不可能だと判断する。また、ジャージの内側からはウェットスーツの繊維が検出される。何者かがギルモアに罪を着せるために彼のジャージを盗み、DNAが混ざらないようウェットスーツの上から着たという可能性が考えられた。

ブライスの捜査を指揮していたキンブル警部補に話を聞くと、ヴェロニカは麻薬所持で逮捕された時に取引に同意し、ブライスの所へ潜入して情報提供をしていたという。このことはキンブルと検事しか知らないはずだが、どこからか情報が漏れていたというのだ。しかし、防犯カメラの映像などを調べた結果、ギルモアに罪を着せようとしたのはキンブル警部補自身であるとわかる。

さらに、ブライスとシールを撃った銃弾を調べたところ、ずっと以前にDV事件で警官が発砲したものと一致。その警官とは、ウォリックを殺害したマッキーンだった。マッキーンはすでに収監されているが、刑務所の中からでも自由に指示を出し、組織を動かしているらしい。キンブルは新人時代、マッキーンとパートナーを組んでいた。

ラッセルはマッキーンと面会し、家族をネタに脅しをかける。案の定、マッキーンはギルモアの金庫番ウィノックを使ってキンブルを高飛びさせようとする。警察がひそかに張り込むが気づかれてしまい、銃撃戦に。ウィノックは「刑務所には行かない」と言って銃を向け、エクリーに射殺される。

検死の結果、意外な事実が判明。ウィノックはマッキーンと血縁関係があった。警官時代のマッキーンが、ウィノックの母親と愛人関係になってもうけた息子だったのだ。

リストンは記者会見を行うが、署内にマッキーンの残党がどれだけいるのかわからず、キンブルもまだ逃亡中。ニックはウォリックの事件を思い出し「あの頃と何も変わらない。同じことの繰り返しだ」と、辞職を宣言する。

フィンはモレノ刑事と2人で飲んだ後、モレノの相棒のクレンショーに話しかけられる。クレンショーは、フィンが席を立った隙に「ターゲット確保」というメッセージを送信。

エクリーとモーガンは、ホッジス母子と食事をした後、散歩している所を何者かに銃撃され、エクリーが被弾する。

その知らせを聞いたラッセルは、同時に「2階を見ろ」という不穏なメッセージを受け取る。あわてて2階へ行くと、孫娘のケイティの姿がなく「Karma(カルマ)」と書かれた紙が残されていた。


感想

シーズンフィナーレ。何だかすごいクリフハンガーで終わっている。

このシーズン、CSIは確か1月くらいのアーリーリニューアルで継続が決まっていたので、思う存分クリフハンガーができたのだろう。この同じ年、マイアミとNYに打ち切りの危機がささやかれていた(そしてマイアミが打ち切られた)ことを思うと、本家の余裕を感じる。

それにしても、少々てんこ盛りすぎないだろうか。エクリーが撃たれ、ニックが「辞める」宣言し、ラッセルの孫が誘拐され、フィンの周囲にも不穏な動き。この一連の騒ぎでニックも辞めるどころじゃないだろうけど……。

さて事件。被害者はリストン保安官の後援者の妻。ベガス市警の保安官、初期シーズンではちょくちょく出て来ていたのだが、そのうち「上層部」としては副保安官のマッキーンやエクリーが出るようになって、保安官はあまり出て来なくなった。おそらく、シーズン7のプレミア「奈落の底へ[前編]」に当時の保安官バーディックが登場したのが最後だと思う。リストン保安官は今シーズン初登場だが、今回再選をめざし「あと4年」と言っていたので、シーズン9の頃から保安官だったのだろう。シーズン9といえば、副保安官だったマッキーンがウォリック殺害で逮捕され、幹部クラスまで汚職が浸透していたことが明らかになった時期。人種的マイノリティの女性が保安官になったのも、何か政治的なアピールの意味があったのだろうか。

被害者の夫ギルモアは、元はマフィアの仲間だったが現在は改心し、保安官の有力な後援者にまでなっている。保安官としては、再選のためにギルモアの支持を失うわけにはいかず、また「きちんと罪を償って更生すれば良き市民として扱う」という姿勢は崩したくないだろう。その一方で、選挙を控えてクリーンなイメージは保ちたいだろうから、辛い所だろうと思う。

夫婦仲が良くなかったことで、フィンはあからさまにギルモアを疑い、保安官の前でも遠慮するそぶりすら見せない。保安官に対し、ギルモアのことを「Friend with benefit でしょう」と言ってのけたので驚いた。直訳すると「利益のある友だち」だが、最近の用法では benefit は性的な意味、つまり、いわゆるセフレを表す言葉とされる。この2人がまさかそういう関係とも思えないので、フィンはおそらく(少なくとも表向きは)本来の字義的な意味で、しかし下世話な想像をさせる「benefit」を敢えて使ったのだろうと思う。

その後フィンはギルモアの病気にいち早く気づき、思い込みで突っ走るタイプではないという所も見せてはいるが、何だかなー、何となくフィンには良い印象を持てない。新人なのにチームに溶け込まず、シアトル時代のことを小出しに口にしたり、風紀課のモレノ刑事とベタベタしたりしているのが良くないのだろうか。ラッセルの元部下を呼び寄せるという設定にせず、単純に他シフトから異動させれば良いのに。

そんなこんなで、次シーズンを早く見たい!! という気持ちでは全然ないけれど、続きもまったりと見続けるだろうと思う。続きが見られるのは半年くらい先かな、それじゃまたね。


使用楽曲

  • Switchblade Smiles by Kasabian

Yoko (yoko221b) 2015-03-01

csi/s12/273_homecoming.txt · Last modified: 2024-06-29 by Yoko