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CSI - Season 13, Episode 19
#292 Backfire
- 邦題:「普通じゃない愛情」
- 脚本:Jack Gutowitz
- 監督:Frank Waldeck
- 初回放映:2013-04-10
事件概要
モリー・グッドウィン、スティーヴン・グッドウィン他
郊外の一軒家で3人の男性が惨殺され、幼い少女が通報する。
殺害されたのは住人のスティーヴン・グッドウィンとその知人の男性2名。その家にはスティーヴンの姉のグレースも住んでいたが、グレースは行方不明。通報したのはグレースの娘のモリーだった。現場には姉弟の祖母(モリーの曾祖母)が現れる。
部屋が荒らされ、テレビなどが持ち去られていることから、付近で連続して起きている押し込み強盗との関連性が疑われた。前回の強盗事件では、住人の女性アリソンがレイプされていた。指紋を調べたところ、スティーヴンとともに殺害されたJ・D・キーシーとデューク・ギブンズの指紋と一致する。ただし誰もアリソンの暴行犯ではなかった。
グレースの車と同型の車が焼け焦げた状態で発見されるが、これは型が同じなだけの別の車で、グレース自身は撲殺された状態で捨てられているのが発見される。遺体をくるんでいたシートの指紋が、クラブの従業員コナー・ダーマンと一致する。コナーが働いているクラブのオーナーはトニー・ラッシュといい、さまざまな悪事に関わる黒幕的存在であると思われていた。そしてアリソンはラッシュの姪。
DNAを調べてみたところ、アリソンをレイプしたのはコナーであったと判明する。コナーはキーシー、ギブンズと組んで強盗を繰り返し、住人をレイプしたが、それが自分の雇い主の姪とわかって恐ろしくなり、仲間を売って罪をなすりつけたらしい。姪の復讐とはいえ、ラッシュが自ら手を下すことはない。コナーはデトロイトから来た「デイヴ」という男に2人の居場所であるグッドウィン家を教え、グレースの拉致に手を貸したことを認める。
スティーヴンとグレースは復讐事件の巻き添えになっただけと思われたが、ラッセルは通報した時のモリーの様子を思い出す。モリーは母親のグレースから「何かあったら911に電話をして外で待つように」と言い聞かされていたらしい。グレースにも襲撃される理由があったのではないか。さらに、部屋が荒らされた様子から、犯人が「何かを探していた」形跡が読み取れた。
モリーはグレース姉弟の父親、ブルースに引き取られることになった。モリーは別れ際、ラッセルに自分がずっと持っていた絵本を手渡す。それがグレースのお気に入りで「ママに何かあったら良い人に手渡すように」言われていたという。
ラッセルが絵本に付属していたCDに気づいて再生したところ、そこにはグレースとブルースの会話が録音されていた。ブルースは息子と娘を性的に虐待しており、それで疎遠になっていたのだった。ブルースはセラピーを受けて「もう傷つけたりしない」からと、家族に戻りたがっていた。だがグレースは激昂し「私やモリーに近づいたら一生刑務所に入れてやる」と叫んでいた。
実行犯と目される「デトロイトのデイヴ」は何者かに殺害されてしまうが、ラッシュの通話を盗聴したことから、思わぬ共犯者が発見される。ラッシュには恋人がいた――珍しく同年代の女性で、高校時代にも恋人だったアグネス・グッドウィン――ブルースの母親だった。
孫の遺品を片付けに来たアグネスはラッシュのことを追及され、「ブルースを守るためなら何でもする」と口にする。彼女は息子のブルースを偏愛し、自分の孫がブルースを破滅させようとしていることを知り、恋人のラッシュに頼んで2人を殺害させたのだった。
アグネスは逮捕され、モリーは遠くに住む別の親戚に引き取られることになった。
バート・マーケル
グレースの乗っていた車と同型の焼けた車を調べたところ、トランクに焼け焦げた男性の遺体があった。身元はゴルフ場で働くバート・マーケルと判明。頭に鈍器損傷を受け、身体の内部から焼かれて殺害されたことがわかる。
車内に落ちていた身分証を調べたところ、持ち主はパレルモ・ホテルに勤務するサンディ・ラーケンと判明。ホッジスは以前に中古バイクを購入したことを思い出す。そのバイクは事故車の部品を使いまわしてツギハギにしたもので、元の持ち主がサンディの元彼だったのだ。
サンディはバートと交際していたことを認めるが、2日前に別れたという。彼女にはアリバイもあり、どうやら事件とは無関係らしい。
その後、体内にあった大量の亜鉛や車内のガーリック臭などから、バートはモグラ駆除剤を飲んで自殺をはかったことがわかる。その後なぜか車を走らせるが、途中でガス欠に。トランクから予備のガソリンを出したところで、体内にガスがたまってゲップをしてしまった。それが原因でガソリンに引火、バートはトランクの中に倒れ込み後頭部をぶつけ、生きたまま体内から焼かれて死亡したのだった。
バートが車を走らせた原因は、通信履歴から判明する。サンディは新しい彼氏を食事に誘おうとして、間違ってバートにメールを送っていた。バートはサンディからのメールで自殺を思いとどまり、胃洗浄のためERに向かおうとしていたのだった。
感想
エクリーとモーガンのことがあるせいか、今シーズンは「父と娘」が強調されるエピソードが目立つ気がしていた。「父と娘」といえば「警部の指輪」ではエリーの登場も仄めかされているし、ラッセルにも娘と孫娘がいる。
しかし今回は母親と息子の「普通じゃない愛情」がとんでもなく気持ち悪かった。ブルースは息子と娘を性的に虐待していたというが、ブルース自身もアグネスからの虐待被害者ではないかと思わされる。孫2人を冷酷に殺してしまえるのは、2人の母親が「自分からブルースを奪った憎い女」だったからだろうか。怖い。
ラッシュによる制裁と、音源を手に入れようとしたアグネスの事情がタイミングよく重なりすぎている所はちょっと気になったかな。デイヴの事件は迷宮入り? 何も殺さなくても、別の州に逃亡させれば良いのに……というか、そのためにわざわざ遠方から呼んだのかと思ったら、そういうわけでもなかったのか。
その合間に、グレッグとモーガンの担当するマーケル事件が良い感じにコメディリリーフになっていた。シーズン11「スリーメン&ボディ」で登場したサンディ・ラーケンが再登場。サンディにフラれた男性は悲惨な死に方をする運命であるらしい。