Table of Contents
CSI - Season 14, Episode 2
#297 Take the Money and Run
- 邦題:「裏切者の涙」
- 脚本:Andrew Dettmann
- 監督:Louis Shaw Milito
- 初回放映:2013-10-02
事件概要
ポール・ブラントソン他
カジノのポーカールームで強盗事件が発生。犯人は閃光ボールで現場を混乱させ、警備員のひとりを射殺し、現金100万ドルを奪って逃走。その場にいた客やディーラーはパニック状態で目撃情報は混乱を極めた。
事件直後、強盗犯らしい男がバイクで逃走しているところを警備員に見つかり、転倒して死亡。警備員は発砲していたが、銃創はなく被弾していなかった。また、大量の紙幣やチップを持っていると思われたが、よく見るとどちらもオモチャだった。
死亡したバイク男は、バイクショーで長年スタントマンをしていたクリント・タイリー。モルグに運ばれた遺体は異常なまでに肥大しており、毒物を投与されたものと思われた。
強盗が押し入ったのは、ポーカーで優勝者が決まり、現金が用意されたのとほぼ同時。そのタイミングから、内通者がいた可能性が考えられた。サラとモーガンはメンテナンス係のライアン・アーチャーから事情を聞く。
また、勝負に負けたロバート・ジェントリーが警察の到着前に現場から脱出したことがわかるが、手配されてあっさり発見される。ジェントリーは事件直後にチップをくすねて他のカジノへ行ったものの、最近のチップはICタグが埋め込まれて追跡が可能なので、すぐに露見してしまったのだ。ジェントリーは犯行への関与を否定し「バイクウェアの男が従業員通路へ向かうのを見た」と言う。だが、従業員通路はタイリーが発見された通りとは逆方向になる。さらに防犯カメラの映像を確認したところ、従業員通路へ向かったのはタイリーとは身体特徴が一致していなかった。「バイクウェアの男」は2人いたのだ。
タイリーの身体からは、ラッセルクサリヘビの毒が検出される。強盗犯の仲間はタイリーに針で毒を投与し、囮として時間を稼いだ後に死ぬように細工したと思われる。だが、たまたまその毒の成分にアレルギーがあったため、予定より早く死亡してしまったのだろう。
ラッセルクサリヘビの飼育ライセンスを調べたところ、カジノの駐車場で働くジュリアン・リースが浮上。だがジュリアンは車中で頭部を撃たれた遺体となって発見される。ジュリアンの服を調べたところ、汗のシミらしきものからDNAは抽出できなかった。だが工業用の石鹸が検出されたことから、メンテナンス係のライアンが関与しているらしいとわかる。携帯電話の履歴からも、照明を消したのがライアンであることは明らか。
ライアンは協力を拒み、何も言おうとしなかったが、自宅を捜索したところ、ライアンの幼い息子が誘拐されたらしいとわかる。ライアンは病気で妻を亡くしたばかりで、まだ赤ん坊の息子を男手ひとつで育てていたのだった。ライアンはジュリアンから強盗話を持ち掛けられて断っていたが、息子を誘拐されたために仕方なく協力しただけで、他の仲間は知らないという。ライアンはいったん自宅へ返され、犯人からの連絡を待つことになった。
ライアンの自宅に残された痕跡から、最初に死亡した警備員のブランストンが関与していたらしいとわかる。盗まれたチップはすでに換金されているので、他にも仲間がいて、その人物がライアンの息子を隠していると思われた。容疑者をどうやって絞り込もうかと考えているところへ「ライアンが姿を消した」と連絡が入る。ライアンは自宅で連絡を待ち、警官も当然待機していたが、ライアンはモニタリングされていないパソコンのメールで連絡を受け、こっそり抜け出したのだった。
犯人に指定された駐車場へ行ってみると、服を血まみれにしたライアンがおり、カジノのディーラーであるオードリーが死亡していた。ライアンは銃が暴発してオードリーが死亡したといい、息子の行方がわからないとパニック状態になるが、オードリーが所持していたリモコンキーを使ってみると、駐車されていた車が反応し、赤ん坊はその後部座席から発見される。
オードリーが最後のひとりかと思われたが、盗まれた大金は発見されていない。赤ん坊の着衣を調べたところ、特徴的な汗ジミがあることがわかる。これは特定の薬を服用したために起きる現象で、父親のライアンも同じ薬を飲んでいた。しかも、誘拐されている間も決まった時間に正しく薬を飲まされていた。なぜ誘拐犯は薬のことを知っていたのか。
結局、本当の黒幕はライアンだった。妻の医療費でほとんど無一文になった彼は、息子のために強盗事件を計画し、ブランストンやジュリアンに罪を着せて全員殺害し、奪った金を独り占めするつもりだったのだ。ジュリアンの車から発見された証拠品にはライアン自身の汗が付着しており、犯行が裏付けられた。
感想
今シーズン、実質的にはこのエピソードから本格開始。
モーガンは無事に退院し、今回から現場復帰ということのようだ。シーズンプレミアからかなり時間が経過しているということだろうか。ただ精神的にはまだ不安がある様子。赤ん坊が誘拐されたという状況に動揺して、グレッグにハグされていた。この2人、前々シーズンから思わせぶりな距離感なのだけど、今シーズンは何かあるのだろうか。個人的には何もなしで淡々と捜査していてほしい。それに、今回モーガンをなだめる役目は、同じような経験をしているニックかサラの方が良かったのではないかと思った。
今回の事件、容疑者が見つかったと思ったら死んでいたというパターンが繰り返され、結局最後に残った人物が主犯だったという王道ながら面白い展開だったと思う。それにしても、警官もCSIもすっかりだまされてしまうのだから、すごい演技力。
ブラス警部にもまだ何かトラウマが残っているようだが、エリーの件もまだ後日談がありそうな気がする。その辺が少々不安ではあるが、今シーズンまたよろしく!