Table of Contents
CSI - Season 14, Episode 8
#303 Helpless
- 邦題:「閉所のオアシス」
- 脚本:Tom Mularz
- 監督:Karen Gaviola
- 初回放映:2013-11-13
事件概要
ザック・フィスク、メロディ・デイヴィス
郊外の住宅地で、転がる透明なボールの中から男性の遺体が発見される。それはハムスターボールを人間用の大きさにしたようなもので、ボールがぶつかった家の夫妻は中の人物は知らないという。
死因は頭部に鈍器損傷を負ったことで、ボールの外側に痕跡があったことから、中に入ったまま外から殴り殺されたものと思われた。ホッジスはボールに付着した植物を分類してボールがたどってきたコースを割り出し、出発点となった位置を割り出す。その住所に住んでいたザック・フィスクが被害者だった。
フィスクの自宅を調べてみると、PCのデータから彼が閉所嗜好症(狭い空間に閉じ込められることを好む)で、そのためのWebサイトを運営していたことがわかる。
ラッセルとフィンがフィスクの自宅を調べているところへ大きな箱が配達される。開けてみると、中には若い女性の遺体。フィスクのサイトの動画に登場していた彼のプレイメイトだった。発送元の住所から、氏名はメロディ・デイヴィスと判明。彼女は自分の自宅からフィスクによって発送され、輸送中に臓器による圧迫で窒息死したものと思われた。
メロディは既婚者だが、夫のロイは開放的な牧場で働いておりメロディの嗜好とは真逆。メロディは「配達されたい」という願望を抱いており、ロイは反対したがフィスクは発送を強行。ロイは、フィスクとのことは「プレイ」だからと黙認していたが、「お前じゃ満足できないんだ」と侮辱され、腹を立てて殴り殺したのだった。凶器の付着物からもロイの犯行が裏付けられる。
エイミー・モース他
バーに勤務するエイミーが自宅で襲われてレイプされ、モーガンが事件を担当。遅番のドーン・バンクスから「自分の担当事件と共通項がある」と言われて合同で捜査を行うことに。ドーンは家庭に問題を抱えているらしく、家に寄り付かない息子のことを心配していた。
エイミーを含む3件の事件ではいずれも被害者が似たタイプ、カギを壊して侵入するという手口も同じで、貝殻の破片やクロロホルムなど共通の残留物が見つかっていた。だが手口を詳細に検討したところ、エイミーの事件だけがわずかに異なっていること――むしろ他の2件はエイミーの生活パターンに合わせて状況を作り出したような形跡があることがわかる。つまり犯人の狙いは最初からエイミーだけで、他の事件はその予行演習だという可能性が考えられた。
それを念頭に置いてエイミーから心当たりを聞いたところ、彼女は別れたばかりのジャレッド・ウォレスの名を口にする。
ジャレッドは弁護士である父のケンとともに署に来るが、犯行については一切否定し、DNAの提出も拒否。ドーンはジャレッドが唾を吐きかけることを期待して挑発するが不発に終わる。
翌日、モーガンはドーンが出勤していないことを気にして、グレッグとともに自宅へ向かう。そこで若い男性と鉢合わせしてもみ合いになるが、その若者はドーンの息子タイラーだった。ドーンのPCから、貝殻などの残留物からあるトレーラーパークに行き着いたらしいとわかる。
モーガンは早番のイェーガーとともにトレーラーパークへ。成果は得られなかったが、モーガンがドーンの携帯電話にかけるとかすかな着信音が聞こえ、音をたどっていくとゴミ箱の近くに携帯電話が置き去られていた。
その後、乗り捨てられたドーンの車が発見される。車内には証拠品袋に入れられた衣服があったが、そこにはタイラー・バンクスの氏名が書かれていた。タイラーとエイミーが同じ高校に通っていたこともわかるが、タイラーはまったく身に覚えがないと犯行を否定する。
タイラーの取調べ中、リノ市警の刑事が現れ「ドーン・バンクスが署に来る予定だったが現れない」という。ドーンはトレーラーパークで「タイラーが死亡したので身元確認をしてほしい」という連絡を受けていたのだ。どうやら、タイラーが免許証を貸したホームレスが過剰摂取で死亡したらしい。ドーンがタイラーの服を持っていたのは、犯行を疑ったからではなく身元確認のためだったのだ。
車の場所と車内にあったレシートから、ドーンはリノへ向かう途中で進路を変更したらしいとわかる。また彼女はウォッカとアセトアミノフェンを購入していた。タイラーが死んだと思って絶望し、自殺を図ったのではないかと思われた。タイラーはモーガンから「この付近でドーンに特別の意味がある場所はないか」と問われ、子どもの頃によくキャンプをしに行った場所があると思い出す。ドーンはその場所で倒れているところを発見されて病院に運ばれ、一命をとりとめる。
タイラーがレイプ事件とは無関係だったとわかり、ホッジスとヘンリーはトレーラーパークを改めて捜索。そこで怪しいトレーラーを発見し、ゴミを調べたところ、エイミー事件とDNAが一致。中を調べてみるとエイミーとジャレッドにつながるものがいくつも発見されるが、持ち主はジャレッドの父親ケンだった。
ケンは息子の恋人エイミーを愛してしまい、2人が別れた後もエイミーを忘れられず、犯行に及んだのだった。
感想
ニックがお休み中のせいか、ドーンやイェーガーなど他のシフトのメンバーがサブキャラ的に登場。こういう部門間の交流が結構良い感じ。別シフトの主任も交えた合同ミーティングをやっても面白いんじゃないかなと思った。
タイラーが戻って来るのが1日早ければドーンが自殺を図ることはなかったけれど、1日遅ければ助からなかっただろう。タイミングが良いのか悪いのかわからない子だが、結果的に絶妙のタイミングで帰って来てくれて良かった。
ドーンの失踪は結局レイプ事件とは無関係だったが、事件の方は父親が犯人だったという気持ちの悪いオチ。そりゃーDNA取られるのを全力で阻止するよね……。
閉所嗜好症事件の方は、ボールの「出発点」がわかったと思ったら、そこから先はとんとん拍子に解決だった。ホッジスが残留物を分析して経路を割り出すところがいちばん難航したようなので、その描写をもっと増やしても良かったのでは……と思った。それと、ラッセルとフィンの現場検証中にピンポンが鳴るのだが、ラッセルが「私が出よう」と無防備に言うので少々ヒヤヒヤしてしまった。そこは犯罪現場でしょ! しかも荷物は置き配!? 配達員から事情を聞かなくて良いのか。