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CSI - Season 14, Episode 13
#308 Boston Brakes
- 邦題:「ブラックボックス」
- 脚本:Christopher Barbour
- 監督:Eagle Egilsson
- 初回放映:2014-01-22
事件概要
ブライアン・フリン、エミリー・レイ、ジョセフ・パワーズ
猛スピードで暴走する乗用車が街灯にぶつかり、爆発炎上。遺体は黒く炭化していたが、身分証には「ジョン・マチストン」と記載されていた。以前CSIへの密着取材を行っていた記者で、それ以降も連絡を取り合っていたフィンはショックを受ける。
歯型はマチストンのものと一致。血中からはコカインとアルコールが検出されるが、フィンはマチストンが断酒していることを知っていたので不審に思う。また防犯カメラの映像から、マチストンが身元不明の女性と接触していたこともわかり、取材が原因で誰かに狙われたのではないかと疑う。マチストンの弁護士によると、彼は最近「プロジェクト・ジェリコ」と呼ばれる軍の計画について調べており、空軍大将ランズデールの取材をしていたという。
車はレンタカーで、飛行機に使うようなブラックボックスが取り付けられていた。その記録内容や、現場からテルミットが検出されたことなどから、爆弾が使われた可能性も生じるが、決定的な証拠とはいえない。
ラッセルはラボの外で不審な人影に気づいて取り押さえようとするが、それは死んだはずのマチストン本人だった。彼は尾行されていることに気づいて、アシスタントのブライアンに車の運転を任せていた。歯型のデータはハッカーの伝手を頼ったが、飲酒を示す血液検査の結果は、何者かがデータベースに不正アクセスしてデータを書き換えたのだろうという。マチストンが調べていた「プロジェクト・ジェリコ」とは、政府による監視プログラムで、「スヴァーリ」と名乗る内部情報提供者と接触する予定になっていた。ラッセルはマチストンから、暗号化されたフラッシュメモリを預かり、マチストンのことはふせたままグレッグに解読を指示する。
一方、ニックは早番のイェーガーとともにカメラの映像を分析し、マチストンと接触した女性の足取りを追っていた。映像から利用したタクシーと宿泊先はわかったものの、彼女はすでに撲殺された遺体となっていた。氏名はエミリー・レイ。現場に残された血染めの指紋は、死んだはずのマチストンと一致する。
指紋の件はラッセルからフィンに伝えられ、フィンは警戒するが、そこへFBIの一団が突入してマチストンを取り押さえる。一方ラッセルのもとへは空軍のランズデール大将が非公式に訪れ、脅しめいたことを口にする。
FBIはマチストンとフィンを逮捕し、証拠をすべて押収するが、ニックは自分の携帯電話に残っていたマチストンの血染めの指紋を拡大し、生体から付着した指紋ではないということに気づく。マチストンの指紋から型を取って付着させた偽造の指紋だったのだ。グレッグはラッセルからフラッシュメモリを預かっていることをチームに話し、FBIから監視されていないホッジスに分析を頼む。
一方ニックには、注文したおぼえのない携帯電話の小包が届けられる。そこには「スヴァーリ」から接触を求めるメールが入っていた。ニックは指定された場所へ向かい、マチストンと同じコーヒースタンドでコーヒーを買う。そこへ現れたのは、マチストンの弁護士のマクダーモットだった。彼女もスヴァーリから連絡を受けたと言い、ニックはマクダーモットの車に乗り込む。だが車は勝手にスピードを上げ、コントロールを離れて暴走を始める。そのまま高速で激突する――という寸前に車は停車。そこへ若い男性が車で現れ、何かの機材を置いて走り去った。その男性は、スタンドでコーヒーを売っていた若者。どうやら彼が「スヴァーリ」だったようだ。
マクダーモットの車はマチストンの場合と同様、「ボストン・ブレーキ」と呼ばれるプログラムで遠隔操作されていたらしいとわかる。スヴァーリから提供されたデータによると、「プロジェクト・ジェリコ」に携わった技術者のシェリル・ペレスがランズデール大将と不倫関係になった後、幼い息子とともに事故死していたことがわかる。
スヴァーリはコーヒースタンドを現金で借り上げており、身元は不明と思われたが、ニックとマクダーモットを助けるためにブラックボックスにリモートアクセスし、その過程で痕跡を残してしまっていた。接続元が判明するが、ニックらが踏み込んでみるとスヴァーリはすでに死亡しており、エミリー殺しを告白する遺書が残されていた。ニックは自殺に偽装した殺人ではないかと疑う。
スヴァーリの本名はジョセフ・パワーズと判明。軍の諜報員を経て契約社員として「プロジェクト・ジェリコ」の開発業務に従事し、シェリルが事故死した後に退職して消息を絶ち、マチストンに接触をはかったようだ。ランズデール大将は個人的な動機から愛人を殺害し、権力を利用して数々の殺人や隠ぺい工作を行ったのか。現時点では証明することができないが、ラッセルは「いつか必ず、第2、第3のパワーズが現れる」ことに希望を託す。
感想
前シーズンフィナーレと今シーズンのプレミアで密着取材をしていた記者のマチストンが再登場。音楽ジャーナリストから暴露記者に転身したというが、そういえば初登場シーンではオジー・オズボーンにインタビューしていたっけ。話の中でスノーデンの名前が出てきたが、NSA/CIAで情報関連の業務に携わっていたエドワード・スノーデンが国家による監視や盗聴を告発したのは2013年6月のこと。このエピソードの放送は翌年の1月なので、記事が出たすぐ後に脚本の構想ができたのだろう。
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スケールが大きすぎて、1話では終わらないのではないかと思っていたら案の定、中途半端で「次がありそう」な感じで終わっていた。次があるのかないのか、調べてないのでわからないけれど。シーズン12のキャサリン降板エピとモチーフや印象が被っていて、どうせやるなら前後編か長尺版にすれば良いのにと思ってしまった。これを300話にして現在のキャサリンを出しても良かったのではないかとも思ったが、タイミング的に間に合わなかったかな?
車を遠隔操作するという手法は、何年か前のNYにも登場したが(シーズン6「ブラックリスト」)、その時はカーナビのデータ改ざんとエンジン停止だけだった。今回はさらに技術が進化して、もっと恐ろしい事態に。何だか「パーソン・オブ・インタレスト」を思わせる道具立てだが、そっち方面へ進むと単なる地方警察の鑑識である「CSI」の手に余る話になりそう。不倫清算という個人的な犯罪のレベルでちょうど良いのかもしれない。
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— Yoko (yoko221b) 2021-01-10