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CSI - Season 14, Episode 18
#313 Uninvited
- 邦題:「一家消滅」
- 脚本:Elizabeth Devine
- 原案:Treena Hancock & Melissa R. Byer
- 監督:Brad Tanenbaum
- 初回放映:2014-03-19
事件概要
ドワイト・コナー他
郊外の民家で、男性が居間で倒れているところを発見される。氏名はダグ・アダムソンで1ヶ月前に刑務所を出たばかりだった。その家にはドワイト・コナーとその妻クレア、息子イーサンと娘ヘザーの4人が暮らしているはずだったが、4人の姿はなく、家財道具の多くが運び出されたようだった。隣人たちは1ヶ月前から一家の姿を見かけておらず、ダグが庭の手入れをしているのを見て親戚だと思っていたという。イーサンは高校を卒業したばかり、ヘザーはホームスクールなので学校が不在に気づくこともなかった。
ダグは病院に運ばれ、自分は転倒して頭を打っただけで、雑用のために住み込んでいたと主張する。出所したばかりの時にコンビニでクレアとイーサンから「小遣い稼ぎをしないか」と誘われ、ガレージの整理や溝堀りなどの仕事を請け負った。ゲストルームに泊めてもらったが、一家は車で映画を見に行ったきり帰って来ず、生活のために家財道具などを売り払ったと言う。
居間にはダグ以外の血痕もあり、何らかの犯罪が行われた可能性が高かった。隣人の話から家具の搬送先がわかり、回収して並べてみたところ、誰かが椅子に縛りつけられて殴られ、裏庭へと引きずられたような痕跡が発見される。また、カーテンとタッセルが1組なくなっていた。庭を調べてみると、喉を切られて殺された犬の死骸が埋められていた。
調べてみたところ、コナー一家は執拗なストーキング行為を受けていたことがわかる。犬の件以外にも留守宅への侵入や窓ガラスを割られる、車のブレーキに細工されるなどの被害があったが、クレアはなぜか警察による指紋の採取は拒否したという。
ドワイトはコーヒーの輸入会社で財務を担当していたが、1ヶ月前に横領で解雇されていた。その手口は偽装もせず大金を自分の口座に送金するというもので、財務のプロとは思えない杜撰さだった。
付近のゴミ箱からは倉庫のレンタル契約書が発見され、その場所へ行ってみると、青いSUVとドワイトの遺体が発見される。倉庫付近の防犯カメラにはダグらしき人物があったが、ダグは「それは自分ではない、似た服装の別人だ」と、あくまで無関係を主張する。
SUVの痕跡からレッドロックキャニオンへの道を通ったことがわかり、その一帯を捜索したところ、ミイラ化した女性の遺体が発見される。コナー家の女性かと思われたが、体内にあった避妊リングから、遺体の身元はIT技術者のジェシカ・フェントンと判明。
ジェシカの自宅を調べたところ、彼女はドワイトと不倫をしており、コナー家に嫌がらせをしていたストーカーは彼女であったことがわかる。不正アクセスでドワイトを横領犯に仕立て上げたのも彼女だった。さらに、自分とドワイトの濡れ場を動画に記録してクレアに送りつけていた。
居間にあった大量の血液はジェシカのものだった。おそらく、動画を送りつけられて激昂したクレアがジェシカを殺害し、ドワイトがSUVで遺体を運んで遺棄したのであろう。そして倉庫にあった痕跡から、ドワイト殺害はどうやら息子のイーサンらしいとわかる。ジェシカはコナー家を破壊するためにイーサンにも近づいて関係を持っていたのだった。
その後、ジェシカの死後に彼女のクレジットカードでアリゾナ行きの長距離バスの切符3枚が購入され、さらにモーテルに予約が入れられていたことがわかる。そのモーテルに踏み込んだところ、いたのは娘のヘザーひとりだけだった。
ヘザーの供述によると――彼女が家に帰って来たら女性が居間で死亡していた。ドワイトは警察へ届けず、一家全員で失踪したことにしようと言う。イーサンとクレアはホームレスの男を連れて来る。ドワイトとイーサンはSUVで出かけ、クレアとヘザーはバス乗り場で待っていたが、来たのはイーサンだけで「あんな奴は邪魔だ」とだけ言ったという。イーサンとクレアは「映画に行く」と出て行ったきり戻らず、騒ぎになると思ったので自分はずっと隠れていた。2人の居所は知らない。
その頃、遠く離れた砂漠にはクレアとイーサンらしき遺体があった――。
感想
一家四人が失踪した、と思ったらどうやら殺人を犯したらしい、と思ったら映画「危険な情事」のような危なすぎる浮気相手の存在が発覚し、父親が殺され、一人だけ生き残った娘は頑なに口を閉ざす。話は二転三転するが結局真相は? クレアとイーサンの遺体はどこの砂漠にあるのか??
何とも中途半端な感じで、この後「解決篇」があるのかなと思わされるのだが、でもCSI自体次のシーズンで終了だし、今までの傾向からいって解決篇があっても(自粛)だろうと思うので、この話はここで終わっても良いかなと思う。
それにしても、クレアとイーサンの身にはいったい何があったのか。一人だけ生き残ったヘザーが怪しいといえば怪しいのだが、彼女一人で母親と兄を殺して遺棄するのは無理ではないか。
あるいはヘザー自身が言うように、2人は本当に映画に行ったまま帰らなかったのかもしれない。イーサンがジェシカを本気で愛したとすれば、彼女を殺したクレアを憎んだかも。で、クレアを殺そうとして返り討ちにあい、砂漠で2人とも死んでしまったとか。あるいは何かのために2人で砂漠へ行き、不測の事態に遭遇したのか。2人が砂漠で死んだのか、殺された後に運ばれたかはわからないが、どちらにしても車は必要だろう。レンタカーの記録は調べたのか?
細かい点で疑問は他にもある。ダグは刑務所から出所した日にコンビニで声をかけられたというが、ヘザーによると「いつもゴミ箱をあさっていたホームレス」だという。イーサンとクレアが連れて来たのは本当にダグだったのか。ダグが倒れたのは本当に事故だったのか。バスの切符はどの時点で購入したのか(切符「3枚」ということはドワイトの死後ということか)。輸入会社の社長はドワイトを解雇する前に返金させていなかったのか(それこそ逃げられる危険があるのに)。
そんなこんなで、続編は要らないと思いつつも、やはりすっきりしない話だった。