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CSI - Season 15, Episode 3
#320 Bad Blood
- 邦題:「ミクロの殺人鬼」
- 脚本:Tom Mularz
- 監督:Louis Shaw Milito
- 初回放映:2014-10-12
事件概要
ジャック・ウィーバー
家屋内で男性の射殺体が発見され、サラとグレッグが現場に入る。室内は血まみれで、銃弾とは無関係と思われる血痕も見られた。サラは被害者の目から出血があることに気づき、感染症の疑いがあると判断し、ただちにCDC(疾病予防管理センター)に通報。家は封鎖され、サラとグレッグは隔離される。
病原体を扱う民間の研究機関「ライン・ラボ」から研究員のヘザー・ラニング博士が訪れ、被害者が感染したのはイバレ・ウイルスというエボラに似たウイルスであると告げる。血液を通じて感染し、治療法はなく致死率は8割。過去に南米の小村で発生した例があった。
CDCは室内を徹底的に消毒し、生物的な証拠は消失。被害者は偽名で部屋を借りており、身元不明だったが、通報前に撮影した写真に映り込んでいた本が手掛かりとなり、氏名はジャック・ウィーバー博士と判明。数年前まではライン・ラボに雇用され、イバレ・ウイルスを専門に研究していた。ラニングはウィーバーの元同僚で、モルグで遺体を見ているのに知らないふりをしていたことになるが、ウィーバーが辞職したのは何年も前のことで、以前の彼とはまったく違って見えたと言う。
現場写真では、床に何かを置いたような四角い痕跡が残っていた。ニックはアタッシェケースのような物が持ち去られたのではないかと疑う。であれば、ウイルスを持った殺人犯が野放しになっていることになるため、エクリーはCDCと交渉して現場への立ち入り許可を取り付ける。ニックとモーガンが現場で銃弾を回収し、調べてみると強盗事件で使われた前歴があった。その事件の容疑者だったショーン・ステューベンスの自宅へ行ってみると、ショーンは血を流しながら苦しんでいたため、ただちに隔離室へ運ばれる。
ショーンは、防護服姿の男が民家に入るのを見て、そこで麻薬が製造されていると思い込んだ。そこで銃を構えて入ってみると、中でウィーバーが苦しんでいた。アタッシェケースを持って逃げようとしたところへ、防護服の男が現れたので驚いて発砲してしまったという。
ショーンの自宅からアタッシェケースが回収され、ウィーバーのパソコンが発見される。サラとグレッグは隔離室に入ったままPCのデータを調べ、2006年にボリビアの小村で起きたイバレ・ウイルスの集団感染事件の資料に目を留める。さらに、ウィーバーは死の直前にラニングとメールのやり取りをしていた。
そこへ、ライン・ラボの弁護士ルディ・アデラが現れ、事件前にラボの保管庫からイバレ・ウイルスが盗まれていたことを告げる。ラニングはアデラに口止めしたが、アデラはその会話を密かに録音しており、ラッセルに聞かせる。その後の調べで、ラニングがウィーバーと会い、ラボへ招き入れていたこともわかった。
捜査の過程で、ラニングが写真立てにはさんでいた手紙が発見される。それは自戒のためにラニング自身が、ボリビアでの集団感染の経緯について書いたものだった。村人たちが感染した家族を心配して集まって来た時、ラニングはパニックを恐れて危険な感染症であることを言わなかった。村人は「危険でないなら家族に会わせろ」と主張したため、あっという間に感染が広まってしまったのだ。ニックは当時の写真の中に、ルディ・アデラの姿を発見。アデラはこの時に両親と妹を亡くし、ライン・ラボの支援で大学に進学して弁護士となっていた。
一方、モーガンとヘンリーは保管庫で指紋を調べるが、検証できる状態のものは見つからない。ヘンリーは、そこが無菌状態の室内であることから、微生物鑑定を思いつく。人の身体にはさまざまな微生物が付着しており、理論上は指紋のように個人を同定できる可能性がある。普段の生活ではさまざまな微生物が混ざり合ってしまうので現実的な鑑定はできないが、無菌室でなら話は別。採取した微生物を分析した結果、アデラが持参したICレコーダーのものと一致。
アデラはライン・ラボのせいで村が壊滅状態になった復讐のためにウィーバーを殺害し、それでもラボが隠ぺいを続けたため、ラニングを陥れようとしたのだった。
その後、イバレ・ウイルスは空気に触れると2時間で死滅することがわかり、サラとグレッグは隔離室を出られることになった。デイヴィッド・フィリップスがやって来たことに喜ぶが、彼はショーンの遺体を引き取りに来たのだった。
ギグ・ハーバー・キラー事件
フィンはまだシアトルで双子の身元調査中。記録がたどれず苦心している。
感想
危険なウイルスの可能性がある犯罪現場に踏み込んでしまったサラとグレッグ。シーズン5「冷たい街」以来のピンチとなった。今回もシャワーを浴びさせられたと思うが、2人別々だったのだろうか。
これを書いている2021年3月現在、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で猛威を振るっており、ワクチン接種がようやく始まったところで東京はまだ緊急事態宣言が続いている。そんな状況なのでちょっと複雑な心境……というか、空気に触れて2時間で死滅するウイルスなら苦労しないよね、なんて思ってしまった。でも2時間で死滅することが「わかった」というけど、少なくとも8年前から存在が確認されていたのに、今までわかっていなかったのだろうか。変異株が何種類かあって、たまたま短命なものだったのか、ベガスの気候条件のせいだったのか。いずれにしても、サラとグレッグが無事だったのは良かった。
事件の直前にラニングがウィーバーをラボに入れたことは結局事件と直接の関係はなかったようだが、その結果アデラがウィーバーの居場所を知り殺意が具体的になったということなのだろうか。ラニングとウィーバーの怪しさでミスリードするために引っ張りすぎて説明不足になったように思う。ウィーバーはWikiLeaksにでも駆け込んでいれば良かったのに。
今回フィンの出番はラッセルと電話で話すところだけ。エリザベス・シューのスケジュール調整? 最初からイマイチな感じの事件だったけど、いよいよどうでも良くなってきたかな……。
— Yoko (yoko221b) 2021-03-06