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CSI - Season 15, Episode 4
#321 The Book of Shadows
- 邦題:「バーニングマン」
- 脚本:Gavin Harris
- 監督:Brad Tanenbaum
- 初回放映:2014-10-19
事件概要
チェット・メスナー、ロブ・タークラ
ジェファーソン高校の休み時間に生徒のメイソン・ブルーアーが自撮り動画を撮っている所へ、突然火だるまになった男性が駆け込み、そのまま死亡する。男性は化学教師のチェット・メスナーだった。実験準備中の事故かと思われたが、携帯電話を調べると、脅迫のようなメッセージが送られていた。
そのメッセージを送ったのは、自撮り動画を撮っていたメイソン。メイソンは地球科学を教えるレベッカ・ブルーアーの息子で、病欠が多く成績が良くなかったことを恨んでメールを送ったが、それ以外は何もしていないと主張する。
メスナーの実験に危険な要素はなかったが、検死により猛毒のシアン化物を摂取していたことがわかる。準備中に毒物を摂取して昏倒し、その時にガスバーナーが倒れて火がついたものと思われた。
メスナーのカード使用歴を調べたところ、覚せい剤の製造に使用される赤リンを購入し、自宅に送らせていたことがわかる。だが自宅を調べてみると、彼は民間信仰から派生した魔術を信じる「ウィッカ」という宗教儀式を行っていたらしい。赤リンは魔術に使用されていた。ホッジスは儀式に使用された物質を分析し、メスナーに対する「追放の儀式」が行われたと判断する。「ウィッカ」にはメスナーの他に、同じ高校からレベッカ・ブルーアーと用務員のエドも参加していたことがわかるが、身元不明の他の参加者について彼らは協力を拒む。
一方グレッグは、メスナーがステロイド薬を作って運動部の生徒に渡していたことを突き止める。薬を受け取っていた生徒の一人がアメフト選手のロブであることがわかり、ロブに事情を聞こうとするが、ロブはすでに遺体となって学校のプールに浮かんでいた。後頭部を殴られ、プールに落ちて溺死したものと思われる。
またモーガンはメスナーのデスクにあった書類を調べ、そのうちの1枚、試験の答案用紙にシアン化化合物が塗布されていたことを突き止める。何者かがメスナーの引き出しにテストの答案用紙を入れ、ロブにその場所を知らせるメッセージを送信していた。だがロブが答案を手に入れる前にメスナーが気づき、紙を手に取って毒物を摂取してしまったものと思われた。
ロブにメッセージを送ったのは、メイソンの幼友達の女子生徒ハンナ。だが彼女はメッセージを送信したことを否定し、その時刻にはカウンセリングを受けていたと主張する。彼女はロブに暴行されたことがあり、動機があることを知る何者かがアカウントをハッキングしたのだろうと言う。モーガンが調べた結果、ハンナのアリバイは証明される。
検死の結果、ロブは死後に静脈から血液を抜き取られていたことがわかる。また、DNAの証拠から彼が校長のメドウズと関係を持っていたことが判明する。メドウズは行為を認めるが「ロブは18歳なので犯罪ではない」と主張。また、ロブの血液について「若い生贄の血をささげる魔法がある」と言う。
実は司祭だった用務員エドの仕事場には、ウィッカの祭壇が設えられていた。そこにあった窯からはロブの血とともに別の男性の血液も発見される。その血液には癌の治療薬の痕跡があり、また血流のエネルギーを増幅させるというチェリーオパールも検出される。血液の主はメイソン・ブルーアーで、母のレベッカが息子を治療するためにロブを殺害して生贄として血を使用したのだった。図書館のPCでハンナのアカウントからメッセージが送られる直前、彼女が図書館に入っていったこともわかる。
レベッカは犯行を認め、他に家族のないメイソンは天涯孤独の身となるかと思われたが、ハンナが「良かったら私の家で暮らそう」と呼びかける。
感想
冒頭シーンがメイソンによる動画自撮り。自分の通う高校を紹介していくビデオで、最初に見た時はちょっと冗長に感じたのだが、ロブ、ハンナ、校長などが登場していて主要人物の紹介にもなっていた。そこへ火だるまの教師が現れ、消火作業をした用務員のエドを演じたのが「サードウォッチ」などでおなじみのスキップ・サダスだったので、これはただの用務員じゃないな……と思ったら案の定。しかし犯人ではなくウィッカの司祭とは。
ロブの紹介部分で「副大統領の名前も言えない」とあったが、この時期の副大統領って……? と考えてみたらジョー・バイデンだった。2021年現在は彼が大統領で、副大統領カマラ・ハリスへの注目度も高い。ここで殺害されていなければ、ロブも今頃はしっかり認識していただろう。
校長を始め、地球科学や化学の教師が魔術を信仰しているなんて、この学校大丈夫なんだろうか? とちょっと疑問に思ってしまった。何であれ信仰する自由はあるわけだけど(それに非科学的要素があるのはどの宗教でもそうだろう)魔術が本気で実現すると信じ、そのために殺人まで犯すとは。さらに、罪もないハンナのアカウントを悪用するとか細かい点でも悪質。やっぱり大丈夫じゃないな……。
途中、メスナーが覚せい剤を作っていたのでは? という疑問が生じたところでニックが「ドラマで見た」と言ったのはもちろん「ブレイキング・バッド」のことだが、比べてみるとあのドラマの化学教師はあくまで冷徹な「科学者」だったなと思う。
ウィッカの魔術を再現するホッジスは、黒いローブをまとってノリノリ。放映日は10月19日なので、ベガスにはわりと珍しいハロウィンエピということになるだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2021-05-25